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第31回

第25回新風舎出版賞、最終審査落選作品(笑)

 数日後の日曜日、俺は免許証を手に、青山さんの家に自転車で向かった。もちろん、運転免許を取ったのだから家の車で行く事も考えたが、あえて自転車で行く事を選んだ。あれから青山さん夫妻とはメールでやり取りをしていたという事もあり、今日行く事は、事前にメールで青山さん夫妻と連絡をとっていた。青山さんは既に退院しており、一度家には行きたいと思っていたが、俺はどうしても免許取得後にしたかった。

 自転車で駆け抜ける12月の風はとても冷たかった。あの汗をかきながら疾走して日が懐かしく感じられた。

 青山さんの家には13時に行く事になっていたが、その5分前には到着した。そして自転車をあの白い柵の前に置き、インターホンを鳴らした。すると玄関の扉が開き、突然、中から小さい男の子が俺の方に駆けて来た。

「ゆいおにいちゃん?ボクね、5さいだよ」

 俺は、俺のズボンを両手で掴みながら俺の顔を見上げているこの小さな男の子にあっけにとられていると、玄関から青山夫妻が出て来たのが目に入った。

「あ〜、結くんゴメンなさいね〜」

 そう言いながら駆けてくる奥さんを見て、青山さんの家の中に貼ってあった一枚の絵を思い出した。

「あっ、あつ君?青山あつ君だよね」

 そう言って下を見ると、その男の子は不思議な物でも見るように、俺の顔をじっと見ていた。

「あつ君ですよねー?...」

 今度は奥さんの方に顔を向けると、奥さんもこの子と同じような顔で俺を見ていた。

「あつ君...」

 更に助けを求めるかのように、青山さんの方にも顔を向けるが、青山さんも同じような顔で、それ所か動きさえ止まっていた。

第32回へ続く...

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