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第21回

第25回新風舎出版賞、最終審査落選作品(笑)

 帰りの車の中、女の人は行きとは違い、とても静かだったような気がする。恐らく、男の人との会話を聞いていたのだろう。何か俺に気を使っている。そんな気がしたからだ。しかし、居心地の悪さは感じなかった。

「あの、俺、免許取ろうと思うんですけど」

「...あ、そーう。いいんじゃない!あのね、駅前の教習所より、あそこの郵便局の近くにもあるじゃない。あそこの方がいいって...」

 俺のその言葉をキッカケに、女の人は喋り始めた。そしてこの青山さん夫婦に出会えた事をキッカケに、俺は少しづつ自分自身が変わっていくのが自分でもよく分かった...


 自転車で駆け抜ける帰り道、暑さはこたえたが、それでも風は心地よかった。

 ...そしてそれを素直に認められる自分もいた。


 家に着くと、母親に免許を取りたい事を告げると、少し驚かれたが、快く了解してくれた。そして明日、教習所にその手続きをするつもりだ。

 夜になり、今日という日を振り返りながら、俺はいつしか眠りについていた。そしてその日はあの日以来、土手に訪れる事をストップした日にもなった。しかしそれは後々気付いた事なのだが...。

第22回へ続く...

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