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奥手切は頑張りたい。

「やぁやぁ皆ー、私だぞー」


「……」


「……」


「……」



 誰でしょうか……?

 急に部室に入ってきた人にセツ達は首を傾げてしまいます。



「……」


「……」


「……」


「……」



 先輩達も首を傾げています!?





 レティセンスコミュニケート

 第9話 奥手切は頑張りたい。




「なんなのこの空気!? 先生だよ先生!? 待機部顧問の葉月先生ですよー!?」


「……!!?」


「……!??」


「……??!」



 入部して半月、顧問の先生との初対面です!

 考えてみれば部活ならば顧問の先生が居るのは当然ですよね。



「……くす、冗談、です」



 沈黙に困惑していた先生に花梨先輩がそう言った。



「えー……」



 落ち込んだ顔を見せる葉月先生。



「お、三人が新入部員だな」



 反転、先生はセツ達に向き直ると笑みを見せる。



「寄見さんに郡さんに奥手さんだね」


「……」


「……」


「……」


「改めて待機部顧問の葉月だ。宜しくなー」


「……」


「……」


「……」


「わぁお!? いつか見た光景だなぁ!?」



 黙ったままだったセツ達を見て、おかしそうに笑う先生。

 いつか見た光景……?



「……元はね、私達も、一緒だったの」



 先輩達がこそっと教えてくれる。



「……ムクチノタミ」



 無口の民……!?


 話を聞いてみると以前は先輩達もセツ達と同じ様に無口だったらしい。

 話しかけられても、黙ったままだったという……。


 それなら、どうやってそれを克服したのだろう。



「アイツが居なくなってどうなる事かと思ったけど、もう心配無いな」



 アイツ……?

 誰の事だろう……?

 そう思って先輩達を見た瞬間。



「……」


「……」


「……」


「……」



 先輩達がとても柔らかい笑みを浮かべる。

 大切な人を想う、そういう気持ちが凄く伝わってきた。


 セツ達は知らない人だけど、先輩達の特別な人なのだと分かる。

 セツにとって、先輩方がそうであるように。


「……先生は何しに?」


「いや、だから顧問だから来てもおかしくは……」


「……」


「ぐっ……」



 大儀見先輩が発する無言の圧に先生は本題を語った。



「本日は私からの依頼だ!!」



 先生ははっちゃけた。



「……依頼?」


「待機部は学園の困った人達を、助けてくれるんだろう?」



 先生がニヤリと笑いセツ達を見た。

 何だか嫌な予感がします……。



「皆に御願いしたいのは、活動調査だな」



 活動調査……?



「……?」



 先輩達も首を傾げている。



「実はこの学園には100を越える数の部活動があってな、それが統廃合や新設されたりして実態が把握できてない状態なんだ」


「……そんな事ある?」



 大儀見先輩が不思議そうに訊ねる。



「それがウチの学校って、部活動の申請したら簡単に通るんだよねぇ」


「……」



 先輩達が納得したような頷いています。

 一体この学校にはどんな部活が……?



「そんな訳で、ちゃんと活動してるかどうかを調べて欲しいんだよ」



 た、大変そうですね……。



「つっても、待機部の活動にしちゃ重すぎるからさ。すぐにって訳じゃなくて、気が向いた時にでも進めてくれたら良いよ」


「……キガムイタラ?」


「そ、待機部の活動は無理しないがモットーだからね。アイツもよく言ってたし」


「……」


「……」


「……」


「……」



 その言葉に先輩達が笑みを浮かべる。


 す、凄いです!

 先輩達の信頼を一手に集めています。


 アイツさんとは一体どんな方だったのでしょう。



「リストはこれね」



 バサッと部活動をまとめた紙が机に置かれる。



「活動してたら〇で、活動してなかったら×してもらう感じかな」



 リストには部活名とその隣に空欄があった。



「何か良く分かんないのは△で頼むよ」



 紙の厚さからしても多いように思える。


 これは先輩方だけじゃ大変そうかも……。

 セツ達も手伝わないと!



「でもまぁ、三年は今年受験だから一年の三人に御願いする形になるかな」


「……??!」


「……!??」


「……!!?」



 手伝う所かメインですよ!?

 突然の無茶ぶりに困惑してしまう。



「悪いけど御願い!!」



 先生は両手を合わせて媚びた様に言った。



「……」



 セツ達で出来るのかは未知数です。

 正直少し怖い……。


 その様子を見かねたのか先生は言葉を続ける。



「まぁ何だ、待機部の目標にもなるし、色々な部活に関わる理由にもなるとも思う。待機部らしい活動になると思うんだよ」



 ……成程です。

 流石先生です、其処まで考えていた何て……。



「……メンドウナダケジャ?」


「ち、違うぞ!? ちょっとだけだぞ!?」



 面倒なのは否定していないですね!?



「まぁ無理にとは言わないから。ちょっと考えてみてくれないか?」


「……」


「……」


「……」


「だ、ダメか……?」


「……」


「……」


「……」


「ダメそう……!?」



 頭の中で何度も考えてみた。


 セツ達で大丈夫かは分からない。

 けど、セツ達で頑張りたい気持ちがあった。


 これはセツの我儘かも知れない。

 もしセツ一人の思いだったら二人に迷惑を……。


 そう思った時に、隣に見えた二人の顔を見た瞬間。



「……あの!」



 思わず声を上げてしまった。

 言葉にしていないのに、言葉を使っていないのに。


 きっと、同じ気持ちだと思えたから。



「……やってみたい、です……」


「……うん」


「……やってみましょう!」



 日和ちゃんも、風華ちゃんも一緒に声を上げてくれる。

 それが素直に嬉しい。



「そっか……、ありがとう」



 セツ達が笑みを浮かべたのを見て、先生も笑みを浮かべた。



「じゃあ、チーム名を決めよう!」


「……!?」


「……?!」


「……!!」


「……??」



 ……チーム名?

 先生はホワイトボードに文字を書く。


 ――new reticence girls


 英語ですね、意味は……。



「新生レティセンスガールズ!!」


「……」


「……」


「……」


「後輩が後を継ぐ胸熱な展開だな!!」


「……先生が、言うと」


「……問題発言」


「何で!?」


「……ピーティーエー」


「……!」


「お前らやっぱり私に厳しくない!?」



 楽しそうに騒ぐ先生たちと反対に、セツ達は言葉の意味を咀嚼していく。



「……無口な」


「……少女」


「……達?」



 少し驚いたけれど、そんなに嫌な感じはしなかった。


 尊敬できる先輩達がそう呼ばれていた様に、その名に恥じぬ様に頑張ろう。

 そんな風に思った。


 それはきっと、二人も同じで。



「……頑張ります!」



 思い切って言葉にしてみる。

 まだまだ危なかっしい言葉遣いだけど。


 決意を込めて、ちゃんと言っておきたかった。



「……!」



 その姿を見た先輩達が、嬉しそうに笑った事を。

 よく思い出して愛おしくなるのだった。


 この日、セツ達新生レティセンスガールズの物語が。

 また一歩進み始めたのだった!!

。今回の向き合いポイント


チャレンジする気持ち!!

きっとまだまだ成長できます!!



。次回予告


郡風華は○○たい。




今月も何とか仕上がりました!!

次回からは色々な部活動に”関わっていく”新生レティセンスガールズを御楽しみに♪




直接は関係ないのですが、自作『枯れた世界で過去を詠うオートマタ ―10109―』を投稿いたしました。


軽く内容を触れますと、人が滅びかけた世界でラジオを放送する機械人形の話です。


良い作品になると思いますので、良かったら是非読んでみてくださいね♪


ではでは、また来月御会いしましょう!!

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