運命の返品
今日は更新少し早めに出来ました!
ベキ!ベキベキベキベキグチャ!!!!!
ドゴォォォォォォォ!!!!!
「………な、何だ⁉︎今の音は⁉︎」
少年を囮に逃げた矢先に後方から硬いものが潰れる音と爆裂音が辺りに響く
その方向には、サンド・スコルピ・ワームとあの少年しかいない。だが人間一人が死ぬ際にあんな大きな音は出ない筈だ
……つまりはそうい事である。
ありえない、あり得るわけがない。
武器ももたず、名も知られてない、そんな奴があのモンスターを倒せる訳がない。
そんなはーーーー
「………なぁ?お前ら何処行くの?」
「ひぃ⁉︎」
突如降りかかった冷たい声に思わず業者が悲鳴をあげる。
その少年は、笑っていた。
とても楽しそうに、まるで何か楽しい事でも見つけたかのような。そんな感じだった
(さてさて、コイツらお化けが出たみたいな顔してるけどどんな反応するのかな?)
八坂は業者が感じた通り楽しんでいた。
せっかくの余興と茶番だ、用意はした
後はコイツらが勝手に演じるだけだ
小太りの男が馬車から出てくる、その顔はまさに蒼白とも言える色だった
当然だ、絶対に死ぬ事を確信した相手が生きてたらビックリするよなぁ?
「……さ、サンド・スコルピ・ワームは倒したのか?」
さっき、俺に命令してきた時とは打って変わっておずおずと聞いてきた
「…………当然だ」
ちょっと笑いそうになったが堪えて、出来るだけ冷静な表情を浮かべて答えた。
すると益々色が青く……あ、白になった
漂う緊張感。この場で失言でもしてしまえば取り返しのつかない事になると思わせる空気
(あーーコイツらやっぱ上にはヘコヘコするタイプか〜つまらんな)
その空気の中心は呑気な事しか考えてないが
(……まぁ、そろそろ遊ぶのはやめて本題に入りますか?さっさと村か町か行きたいし)
そう、別に遊ぶ為にこのクズに顔を見せに来た訳じゃない、『報酬』を受け取りに来たのだ
この分なら問題ないだろう
「……約束通り、報酬を渡してもらう」
『報酬』の言葉が出て来た瞬間小太りの男がピクツと反応した。
そして、伏せていた顔を上げた……がその顔色はさっさと打って変わって正気に満ち溢れて、ゲスい顔をしていた。
「報酬?何の事かなぁ?」
……………は??何、コイツいきなり。
俺が怪訝な顔をした事に味をしめた男はさらに畳み掛ける
「報酬だろう?それならちゃんと誓約書などの取引の証明は出来るのかな?」
「それも無いのに報酬を渡せなんて意味不明だなぁ、お前。」
取り乱していた業者もその声で顔色を取り戻し、ニヤニヤと俺の事を見てくる
……つまり、依頼したという証明が出来ないなら報酬は渡せない。そして俺にその手段はない
なら、実質的に報酬はやらない。という事らしい
…………全く、都合のいい奴。自分に利があるとそこに漬け込んで相手をいたぶるクズが。
それに………依頼の取引不成立なら返品しないといけないな
「……そうか、なら報酬は受け取れないな」
小太りの男が勝ち誇った笑みを浮かべる…が
「では、返品しないといけないな俺も」
その一言が、終わりの合図だった。
『返品』の言葉に疑問を抱いている目の前の男をの腹を……軽く殴った。
俺がやった事はそれだけ…だが
業者が見たものは、いきなり吹き飛ぶ男、それと同時に発生する謎の風圧、そして地面に叩きつけられて血反吐を苦しそうに吐く男の姿だった。
「な、何をするんだ⁉︎」
業者は一連の事をこの少年の仕業と確信してその問いを投げかける
「……?返品してるだけだが?」
「はぁ⁉︎…何をだよ⁉︎」
若干のキレ気味の業者と這い蹲る小太りの男に俺は絶望の一言を与える
「今回俺が受けた依頼は、お前らの護衛みたいなもんだろ?多分俺が居なかったら死んでた」
一言一言が頭で理解出来るように、よりわかるようにゆっくりと話す
「だから、返すんだよ…………お前らの死の運命を」
最後の言葉にキレ気味だった業者も空いた口が塞がらない状態で小太りの男はなんか「あ……あぁ」とか言っててキモい。
どうせいいだろう?死ぬ運命だったんだから?
ほんの少しでもいい夢見れたじゃねぇか?
報酬はお前らの分岐点だったんだから
それを自ら放棄した。因果応報って奴だ
さて、死の運命の返品。始めるか?
その後原型が全く無い人間の腐った死体が見つかった。
彼らの所持品は殆どなく、破壊された擬似馬車から商人が野盗に襲われたと推測された。
そして、護衛をつける事を商人達に呼びかけるくらいにしか影響を与えなかった。
ただ、一つ。一体どんな能力を使えばこんなぐちゃぐちゃに出来るのかは最終的に憶測の域を出なかった。
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