二つの幸運、ただし片方は死路を打つ
明けましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
「………疲れた」
あの村を出発してから一日が経過した。
だが、未だに街や村などは影も形もない
ハッキリと言って死活問題だ
どうやら、いくらLevelが99でも一日中歩けば疲れる様だ……肉体的よりも精神的の方がよっぽど上なんだが。
そんな知りたくもない事実を知った俺はとりあえず歩みを進める事しか出来なかった。やっぱり本気で……と思っていたら何かを引く様な音が前方から聞こえて来た……馬車か?
ガラガラと大きな音を立てて進んでいたのはおそらく商業用の馬車で、売り買いする為の荷物を運んでいるらしい。
(へぇ……ついてるな)
そんな事を思いながら、馬車を走らす業者に話を聞こうとした………その時
ピシッ……メキャ…ビキ………ドゴォォォォォォォン!!!!!!!!!!
突如、俺と馬車の間の地面が裂けて4mはあるサソリに似てるモンスターがその姿を現した。
「ギ…………?ギ、ギギャガカカ!!!!!」
サソリ似のモンスターが鳴き声を発するのをのんびりと観察していた俺は、『…はぁ、面倒な』と心の中でため息をついていた。
一方で馬車はパニックだった。
中では小太りの男が突然の不幸に頭を抱え、叫んでいた。
「……な、何故⁉︎何故サンド・スコルピ・ワームに出会わなくてはならない⁉︎ふざけるな!」
サンド・スコルピ・ワーム
此処ら辺を通る際に最も注意しなくてはならないモンスター。口から吐く猛毒と硬い殻に覆われた体と万力の様に挟むハサミがとても強力で金ランクの冒険者ですらも個体によっては手こずると言われている。
無論、そんな化け物に襲われてしまった場合運の尽き、死しか待つものはない。
それに彼らは騎士団に助けられる訳にも行かない
状況だけみると万事休すだった……
「ど、どうするのですか⁉︎このままでは!」
「黙れ!わかっておるわ!何か手は……ん?」
業者と中に乗り込んでいる商人との言い争い
その最中に…ある少年が目に留まった
そこには、サンド・スコルピ・ワームを呆然と眺めてる少年がいた。
その姿はあまりにも無防備で、「サンド・スコルピ・ワームを初めて見た」と言わんばかりに興味深くその姿を見上げていた。ヤツを見て逃げていないのが何よりの証拠だ。
「ふっ……なんだついているじゃないか」
そう呟き、ニヤリと笑みを浮かべて業者にとある指示を出す。業者はその指示に一瞬目を見開いたが、すぐに現状を思い出して深く頷いた。
「おい!!!そこの少年!」
そして実行する、彼に生贄になってもらう為に
……そう、これは商人にとっての最善。
人間が脅威に遭遇した際にとるごく自然な行為だ
何も間違えてはいない
しかし忘れる事なかれ。常に最善こそが正しいとは限らない
何故か?それは、彼が傲慢だからだ。
他人を見下し、利用する人間だからだ
だから残念ながら………それの選択は死路だ
物語に登場するナレーターさんはこれからも出てきます笑
どうか気にする事のない様に。
ナレーターもキーマンなんですから




