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第拾四話 冥獣四天王篇 第伍部 決戦!鬼骨城の戦い

遂に決戦の日を迎えた導節達は、新兵衛、現八、小文吾、毛野、荘助、大角を率いて鬼骨城に向かっていった。

既に鬼骨城の廻りは、邪悪な妖気に充ちており、導節達の行く手を遮っていたのである。

「遂に来てしまったな・・・。」

「信乃は無事だろうか・・・。」

「導節様、朱雀将軍はどんな罠を仕掛けて来るのでしょうか。」

「奴は強力な術を操るんだ。油断は出来ない。」

「せやかて、こっちには対吸血鬼用の武器があんねん。」

「そうとも、俺達は八大童子の宝玉があるんだ。冥獣四天王なんざに負ける訳にはいかないぜ。」

「そうですね、八大童子に護られている限り、我等光の犬士は不滅ですから・・・。」

「だからと言って、油断は禁物だ。気を引き締めて朱雀将軍との戦いに備えるぞ。」

と、その時だ。

鬼骨城の上空から、吸血鳥の大群が導節達に一斉襲撃を仕掛けていった。

「また来やがったぞ。」

「待てっ、よく見ろっ・・・。」

「あっ、あれは・・・。」

導節達が目撃しているのは、朱雀将軍が放った吸血鳥・怪魔鳥鬼かいまちょうきと言う巨大な吸血妖怪の大群だ。

「前に見た奴とは全く違うぞ。」

「そんなのどうでもいい、みんな一気にやっつけるぞっ。」

『おお〜っ。』

導節、新兵衛、現八、小文吾、毛野、荘助、大角の七人は、怪魔鳥鬼の大群を蹴散らしていき、一気に全滅に追い込んでいったのである。

「なんとかやっつける事が出来たが、まだ終わりでは無い。」

「どう言う事だ、導節・・・。」

「あれを見ろっ。」

導節達は更に上空を見上げると、またもや怪魔鳥鬼の大群が襲来し、容赦無い攻撃が続いたのであった。

「なんや、また来おったで。」

「次から次へと来やがって・・・。」

「こうなったら、俺が一気に型をつけてやる。」

「大角殿、どうやってあの怪鳥を・・・。」

「まあ、見ていろ。俺の究極の術で全滅させてやるぜ。」

大角は、黄色いお札を手に取り、印を結んで術を唱え始めていった。

「天空を司りしいかづちの守護神・天聖雷帝神てんしょうらいていじんよ、我が命令に従い、邪悪なる魔物に天罰を与えよっ。」

大角が術を唱え終えると、天空から強力な雷鳴が怪魔鳥鬼の大群を事如く全滅させていった。

「よっしゃ〜、これで先に進めるぜっ。」

「導節はん、急いで信乃はんを助けな・・・。」

「よしっ、みんな急いで鬼骨城に乗り込むぞ。」


暫くして、導節達は鬼骨城に突入し、迫り来る妖怪軍団を蹴散らしながら最上階を目指していったのであった。

「この奥に、信乃がいるのか・・・。」

「だが、朱雀将軍もこの中にいるんだろ。」

「ああ、みんな油断するなよ。行くぞっ。」

導節達は鬼骨城の最上階の扉を開け、中に突入していった。

「はっ、信乃・・・。」

「導節様、気をつけてっ。」

突然、朱雀将軍が導節達を襲撃し、その後信乃の前に立ちはだかったのである。

『オホホ・・・。とうとう此処まで来た様ね、光の犬士の皆さん。』

「てめぇ、朱雀将軍。」

「信乃を返しやがれっ。」

『そうはいかないわ、せっかくの人質をそう簡単に渡せないわよ。』

「ふざけんじゃねぇ、何が何でも信乃を返して貰うぜ。」

「せや、あんさんだけは絶対許さへんで。」

『だったら、力尽くで奪ってみるがいいわ。』

「くっ、だったらやってやるぜっ。」

「みんな、行くぞっ。」

導節達七人は、信乃を取り返すべく朱雀将軍に戦い挑んで行くが、逆に朱雀将軍の圧倒的な力には全く歯が立たなかった。

『オホホ・・・、さっきの勢いは何処へいったの。全く期待外れじゃない・・・。』

「なんて強さだ、さすがは冥獣四天王の一人・闇の吸血鬼、朱雀将軍。」

「俺達が束になっても全く術が通用しないぜ。」

「いったいどないしたらええねん。」

「もう一度行くぞっ、駄目元で奴に打撃を与える・・・。」

再び導節達は、それぞれの術で朱雀将軍に応戦していくが、またしても朱雀将軍は妖術で導節達を退けていったのである。

「駄目だ、何度やっても打撃を与える事が出来ない。」

『何度やっても無駄よ、我は無敵の冥獣四天王、闇の吸血鬼・朱雀将軍を倒すなんて百年早いわよ。』

と、その時だ。

信乃が突然朱雀将軍にこう言い放っていったのだった。

「・・・何が倒す事は出来ないだと。ふざけるなっ、俺達は貴様等みたいな外道に、負ける訳にはいかないんだよっ。」

信乃の怒りが爆発し、力を振り絞って縛られていた鎖を引き契っていったのである。

『ば、馬鹿な・・・。妖術の掛かった鎖を引き契るなんて・・・。』

「し、信乃が本気になったぞ・・・。」

「まさか、あんなに本気になった信乃は初めてだ。」

「信乃、大丈夫か。」

「導節様、御心配を掛けてしまいまして申し訳ありません。」

「よくぞ我慢致した。だが安心しろ、遂にあの武器が完成したぞ。」

「あの武器って・・・まさか太陽十字剣が・・・。」

「ああ、これで闇の吸血鬼、朱雀将軍を倒す事が出来るぞ。」

「っしゃ〜、信乃が無事帰って来たんだ。」

「これで光の八犬士が揃ったんや。」

「朱雀将軍、もはやこの勝負・・・我等の勝ちの様だな。」

『黙れっ、まだ勝負はこれからよ。』

「へんっ、そんなのやってみなきゃ分かんねぇだろ。」

『ならば、どちらが勝つか勝負よ。掛かって来なさい・・・。』

「臨むところだ、我等光の八犬士の真の力を見せてやる。」

遂に、光の八犬士対闇の吸血鬼・朱雀将軍との決戦の火蓋が切って落とされた。


導節、新兵衛、信乃、現八、小文吾、毛野、荘助、大角等八人の犬士達は、果敢に朱雀将軍に挑んでいくが、朱雀将軍の強力な妖術を施し、大打撃を与えていったのである。

『オホホ・・・、他愛も無い連中だねぇ。』

「くそっ、朱雀将軍め・・・。」

「こうなったら、俺達が持っている八大童子の宝玉を使うしかないな。」

「よしっ、みんな力を併せて八大童子の宝玉に念を送るんだ。」

『おお〜っ。』


導節達は八大童子の宝玉を握りしめ、精神を集中させながら念じていったのだった。

『天空を司りし天界の守護神・八大童子よ。今こそ我等に力を与えよっ。秘術・天空変化っ!』

すると、導節達の身体が全身金色の光に包まれ、今までに無い力が増幅させていくのであった。

『な、何なの・・・あの光は・・・。』

「す、すげぇ・・・。」

「力が漲っていくぞ。」

「これが、八大童子の宝玉の力なのか・・・。」

「これで、互角に戦える事が出来る・・・。」

「なんや、身体が熱う感じるで。」

「うぉぉ〜っ、何だか身体の底から無限の力を感じるぜっ。」

「導節様、これで一気に朱雀将軍を倒せますね。」

「ああ、我等の底力を見せてやろうじゃないか。」

『うぬぬ・・・、例え八大童子の力を手に入れても、我には敵うものか。ならばもう一度、我の術を喰らうがいいわ。』

再び朱雀将軍は妖術を施していくのだが、導節達は全く打撃を受けず、無傷のままでいたのであった。

『何っ、我の術が効かないだと・・・。』

「だから言っただろ、我等は完全無敵の八犬士だとな・・・。」

「せや、貴様の術なんざ通じやせぇへぇねん。」

「今度はこっちの番だ、朱雀将軍・・・。」

遂に導節達は、法力の力を最大まで上昇させ、一気に放出させていったのだった。

『喰らえっ、無限の力・・・。必殺・天空八卦陣!』

導節達の放った天空八卦陣が朱雀将軍に命中し、更に導節は信乃に〔太陽十字剣〕を渡していったのだ。

「信乃、こいつでとどめを刺せっ。」

「太陽十字剣・・・、こいつで・・・貴様を倒すっ。」

『ま、待って・・・。』

「問答無用・・・。喰らえっ、天の裁きを受けよっ。天空秘剣・太陽十文字斬殺剣たいようじゅうもんじざんせつけん!」

信乃の必殺技、天空秘剣・太陽十文字斬殺剣が炸裂し、遂に闇の吸血鬼・朱雀将軍は倒されていった。

『お、おのれ・・・。我等冥獣四天王を倒すとどうなるか・・・。』

「どう言う事だっ。」

『我等冥獣四天王を倒せば、地底に眠りし闇の大魔獣が復活する事を・・・。』

「何だとっ・・・。」

「闇の・・・大魔獣。」

『その闇の大魔獣が復活すれば、この世は闇に包まれ、全てが終わるだろう。』

「へんっ、そうはさせへんで。」

「待てっ、毛野。」

「奴の言っている事は、どうやら事実の様だ。」

「噂には聞いた事がある、冥獣四天王が敗れし時、闇の大魔獣が復活する・・・と。」

「闇の大魔獣は、三百年前に滅びたと聞いているが、まさかそれが現実に起こるとは・・・。」

『その通りよ、必ず闇の大魔獣は我等の魂で復活するのよ。あと三つ揃えば、完全に復活するんだから・・・。』

「野郎っ、何が何でも必ず阻止してやる。」

『無駄よ、全ては玉梓様の思うがまま・・・。』「またしても、悪霊・玉梓が・・・。」

『玉梓様が、我が魂を救ってくれる・・・。その時が、貴様達の最後なのよっ・・・。』

そう言い残しながら、闇の吸血鬼・朱雀将軍は消滅していったのである。

「先ずは一人・・・。」

「冥獣四天王、闇の吸血鬼・朱雀将軍。手強い相手だった・・・。」

「でも、奴は言っていた。冥獣四天王敗れし時、闇の大魔獣が復活すると・・・。」

「でも、悪霊・玉梓が絡んでいるとなると、もっと厄介な事になるぞ。」

「残る冥獣四天王は、あと三人・・・。」

「闇の破壊王・玄武将軍。闇の風使い・白虎将軍。そして、闇の妖術使い・青龍将軍。」

「この三人を倒した時、闇の大魔獣が甦るのか・・・。」

「でも、どうやって闇の大魔獣の復活を阻止するかだよな。」

「そんなん簡単やん、一気に片付ければいいやんか。」

「毛野、そんなの無謀に決まってるだろ。」

「じゃ、どうやってやっつけるんや。」

「それは分からない・・・。だが、必ず解決策はある筈だ。」

と、その時だった。

『よくぞ集まった、光の八犬士よ。』

突然、天空の彼方から九本の尻尾をもった金色の狐が導節達の前に姿を現した。

「だ、誰だお前は・・・。」

『私は天空聖者・九尾乃狐。天空界の神・雷帝龍王様に仕える神官。』

「天空聖者・・・。」

「雷帝龍王様の使いの者だって・・・。」

「九尾乃狐よ、俺達に何の用があって来た・・・。」

『お主達も知っての通り、冥獣四天王の一人、闇の吸血鬼・朱雀将軍を倒した今、既に闇の大魔獣復活の儀式は始まっている。』

「何だって・・・。」

「それは、ほんまなんか・・・。」

『ええ、雷帝龍王様も既に闇の大魔獣復活を予言なされていました。』

「雷帝龍王様が、そこまで予言なされていたとは・・・。」

「それで、闇の大魔獣の復活を阻止する方法は・・・。」

すると九尾乃狐は、

『強いて言うならば、お主達が真の八大童子の力を手に入れる事です。』

「真の・・・八大童子の力。」

「どう言う事だよ。」

『お主達の今の力では、闇の大魔獣を倒す事は出来ない。けど、真の八大童子の力を手に入れた時、その力は想像を遥かに超えるであろう。』

「だったら、その真の八大童子の力を手に入れようぜ。」

『それは無理でしょう。真の八大童子の力を手に入れるには、遥か彼方に存在する国・蓬莱国ほうらいこくに行かなければ、手に入れる事は出来ません。』

「よしっ、その蓬莱国へ行ってみよう。」

「九尾乃狐よ、蓬莱国へ行くには、どうすればいいんだ。」

『蓬莱国へ行くには、時空の鏡を通らなければ、行く事は出来ません。』

「導節、このままじゃ奴等に勝てないぜ。」

「そうですよ。行きましょう、蓬莱国へ・・・。」

「・・・行こう、蓬莱国へ。」

『分かりました。貴方達の熱意に感服しました。この九尾乃狐、蓬莱国へ案内致しましょう。』

「頼むぞ、九尾乃狐。」


遂に始まった聖魔大戦。


冥獣四天王、闇の吸血鬼・朱雀将軍が言い放った『闇の大魔獣』とはいったい何者なのか・・・。


天空界の神・雷帝龍王に仕える神官・九尾乃狐の導きに因り、蓬莱国へと旅立った導節達。


果たして、導節達は真の八大童子の力を手に入れる事は出来るのだろうか・・・。


そして遂に、冥獣四天王第二の刺客が現れようとしていた・・・。


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