表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

救出?

蟻さんたちが凄すぎる。


さすがにコアルームと地上を繫げるわけにはいかないから作ってもらった部屋に階段を作っているのだが…


部屋を作ってもらっていたときは岩が出てきても使い道がないから胃袋に収めてもらっていた。


が、今回は早く地上に出たいので、部屋に置いてもらっている。

そのため、蟻さんたちが本気で掘りまくれるというわけである。


〈マスター。私はダミーコアなので生体反応しかわかりませんが、対象は眠っているようです。これは余裕ですね〉


「おい待て、なんでここでフラグを立てる」


〈生体反応では、対象が生物としてどの程度の位階にいるのかがわかります。

なので、警戒すべきは対象が強力な兵器を持っていた場合のみです〉


「なんか悪化してない……?」


〈そんなことはないと思いますが?この位階程度だとそこのスライムにすら勝てないでしょうね〉


「さすがにそれは弱すぎるんじゃないか?…偽装されてるとか」


〈…さすがに考えすぎだと思いますが…〉


「そうだ、蟻さんたち。少し離れた場所に穴を作ってくれ。いきなり出会うのは避けたいし」


…………


…相変わらず無反応。だが仕事はしてくれる頼もしい蟻さんたちだ。




ボコッ


お、地上か?

日光?も入ってきてるし間違いなさそうだな。

上にあったのは別の洞窟でしたなんてことになってなくてよかった










木木木木木木木木木木木木木木木木あと太陽

目に入るのは日本にあった木より葉っぱが少ない木と異常な大きさの太陽。


「え?太陽デカすぎじゃね?これ人間のままだったら死んでるだろ」


正直言ってこの体じゃなければ半日くらいで干物になると思うんだが…


「こんなところで生きている。いや、のんきに寝ていることができるやつって相当強いか環境に特化しているかだよな。やっぱ油断はしないようにしよう。

蟻さんたちも気をつけてね?」


あ、ちなみに俺は蟻さんたちに運んでもらっています。

四足歩行ができるようになったはいいものの、そんなに速くは走れないし、何より慣れてないから長時間動くと頭痛がする。

ならもう、ね?



「あ、蟻さんたち確か、穴から出て反対方向に少し行ったところだったはずだから逆…あ、ちょっと蟻さん?」




知性がなくても、注意されているのはわかるらしく、拗ねたらしい。


なんて面倒…あ、いや、ソンナコトオモッテナイヨ



と、地味なトラブルを挟みつつ、目的地の近くまで来て思い出したんだが、俺、ダミーコアに人型としか教えられてないぞ?


どうしようか。引き返す?いや、でもせっかくの初外出なのに、こんな形で終わってほしくないな…



ベシベシ


ん?どうした蟻さん?

ダミーコアがいないから何言ってっか全然わっかんねぇな。


〈マスター。どうやら直進すると甘いものがあるらしいですよ?〉


ってうわ!??????

こ、この感じはダミーコアじゃないか。


「ダミーコアこんなところにいて壊れたらどうする!?お前が壊れたら俺の唯一の話し相手がいなくなってしまうじゃないか!!あとダンジョンの動かし方もわからないし…

ってあれ?誰も持ってきてないよね?あ、ダミーコアが持たせた?」


〈いえ、今はマスターがお乗りになっている 蟻を中継地点にしています。知性がないからか、こういう使い方ができるようですね。


ただ、本来私が会話できる距離の中に中継地点となるモンスターがいなければいけないようなので、数が増えないと不便ですね。


あ、今はちょうど真上にこられたのでギリギリ通じているのです。なるべく動かないでいただけると助かります。


付け加えさせていただきますと、マスターと直接会話できないのは、マスターとモンスターとの会話方法に差があり、モンスターとの会話の方はマスターとの会話より長い距離で距離でできるようです。〉


まぁ、確かに普通ダンジョンマスターとコアが離れるようなことは無いだろうからな。そのせいで会話が可能な距離が短いんだろう。

あれ?そう考えると俺って結構非常識?やったぜ。


〈マスター思考が逸れていると思います。〉


そんあんこないでふよ(アタフタ)


〈いえ、バレバレなのですが…あれ?おかしいですね?マスターが考えていることがわかるようになってしまっていますね。

まぁそれはあとから検証することとして、今は侵入者?を捕縛することが最優先です〉


捕縛するとか…いや、まぁ確かに話を聞くわけだが…

『隣人を 愛せ』的な言葉もあるから、愛すとまではいかなくてもせめて仲良くしようぜ?


って、あ。思考読まれてるんだったか…大丈夫だよね?さっきの蟻さんみたいに面倒…ゲフンゲフン手間がかか…とにかくこれ以上時間がかかるのはまずい。目的モノに起きらてるかもしれない。

…一刻も早く原因を特定せねば…………


〈私だって穏便に済ませたいんですよ?なるべく。えぇなるべく。

あと、マスターは、何か私に隠し事でもあるのですか?こんな短期間で隠し事なんてできたんですか…赤ちゃんに手を出すのは犯罪ですよ?〉


ねーーーーーーーよ


ていうか、なんていうんだろうか、その秘蔵のエロ本の隠し場所まで知っていますよ的な余裕は?


あと、照れ隠しって雰囲気でもなく普通に返された…なぜかショック。あとなんか怖いこと言ってるし。




〈 マスター。契約するときにはあなたの魔力を使いましたよね?〉


「え?使ったの?」


〈あ、そういえばマスターは鑑定も魔力操作も持っていなかったんでしたっけ。すいまっせん。説明不足でした〉


「うん、それ以上謝る必要は無いからな…むしろダメージ受けるから」


〈マスター!?どこかからダメージを?蟻!!その敵を抹殺してください!!今すぐに!!!〉


「ちょいストップストップして!?蟻さんも周囲を警戒し始めなくていいから!!

あ、そうだ目的地まだ!!?早く着きたいんだけどマジで!!!!!」


ちなみに、知性なしのモンスターを通しての会話は、超高精度の念話だったらしい。


あと、俺がダンジョンマスターになった時に、ダミーコアは俺の記憶のほとんど見たらしい…魔力ってすごいね……

そういえば、魂から漏れ出す〜とか言ってたっけ。そらすごいに決まってるわ…


あぁ、せっかくパソコンのデータを消して、念入りに破壊してきたのに…


異世界に来てからいろいろバレるのは想像してなかったよ…そんなん後出しや…






数分後、ある大木の下に籠が一つと、ボロボロになっているスケルトンが四匹いるのを発見した。


あの場所から移動したため、既にダミーコアとの通信は途絶えている。


「あ、もしかしなくても、これじゃ無いのか?蟻さんもうちょっと近づいて、あの天井部分壊してくれ。」


ガボン!!


籠の中にはエルフだと思われる (しかも結構身分の高そうな)女性。手には血に濡れた短剣。

外傷はないけど死んでるっぽい。あと、かなりの美人。


え?死んでるって判断した理由?うん。簡単に言えば色々出ちゃってるから。


そして、それで刺されたと思われる人間の少女が対面にもう一人。

服はボロボロだし、髪はボサボサ。

顔も砂で汚れているが、こっちのほうが美人だと思われる。

そして、腹から血を流してる。


あ!まだ出血が続いてるってことは生きてるってことだろ!?

まさかダミーコアが言ってたのってこの子!?

って、そんなことよりも助けなくては!


とはいったものの、どうしようか。

寝てるってダミーコアが言ってたから回復使える魔物とか連れてきてない。…まず知性がないから持ってる奴らも魔法使えなさそうだし。


とにかく、止血しとけばいいかな?いや、でも圧迫できるもんないしな…













結局俺は、アンパ○マンよろしく『僕の体を〜』的な感じで、俺の体の泥を塗りつけた。


うん。一回切り落として再生したモノを使ったから、雑菌とかは少ないだろうし、このままダンジョンに連れて帰って問題ないだろう。


まぁ、雑菌より血管の中に砂が入る方が問題なんだろうが…腕を切り落とそうと思った時にわかったのだが、俺は自分の意思で自分の体の一部を切り離せるらしい。


切り離せるというよりは、もはや操作できると言っても過言ではない。

なので、今少女の傷口は血管の傷口も含め完全に密閉されており、とりあえずダンジョンに連れて帰る間に死ぬことはないだろう。


「あ、そうだ。蟻さんこの籠とスケルトンもお願いするよ」


ズリズリズリズリ




「ただいまー」


〈お帰りなさいませ〉


「ダミーコア…寝てるって言ったよね?ね?」


〈はい。活動力が低下し、意識も朦朧としていたようでしたので。ですが、マスターの連れてきた人を見る限りは、単に血が少なくなっていたというわけですか〉


「あぁ、それでだ。助けられる人は助けたいから、同じような状態の人の反応があったら教えてね」


〈わかりました〉


その後、湖の水を飲ませ、なけなしのDPで出したパンと血になりそうな食料を食べさせてあげて、起きるまで待つことにした。


とはいっても、相変わらず蟻さんたちにはダンジョンの拡張をお願いして、俺たち自身もどのくらいの速度でDPが上昇していくのかを確認しつつだが。


どうでもいいが、蟻さんたちが見つけた甘いものとは、死んでた方の女の人が持っていたお菓子のことだった。とりあえず動物型のモンスターにあげたら大喜びだった…雑食?味覚があるなんて羨ましい…痛覚なくてよかったけど…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ