閑話 ダンジョン大改造!なのです!
「今度街に行こうと思うんだが、ナノも一緒にどうだ?」
私は、ナノなの!昨日、逃げてたどり着いた場所の近くにいたモンスターさんに保護?されてそのモンスターさんのダンジョンに少しの間住むことになったの。
…お父さんとお母さん、大丈夫かな…
あ、モンスターさんに質問されてたの。
んー、でも外に出るのは…まだ少し怖いの…
「…知り合いもいないと思うから、その…」
「…そうだな。あ、そうだ。なら、何か家具とか必要なものはないか?大体の家具はDPで作ったけど、他になにかいるものはあるか?」
「じゃ、じゃあ…」
「おう、なんでも言ってくれ。なるべく頑張るから」
…ホントにワガママ言っていいの?…分からないの…
「…えっと…」
「ん?何だ?遠慮してんのか?気にするなって。大体ほら、俺の体見てみろ。俺は別に人間界にあるもので欲しい物は金で変えるものじゃないから、金なんていくら使ってもいいんだぞ?」
〈マスター…その言い方、娘を甘やかしすぎる父親みたいですよ〉
「半ばそんなもんだろ?」
〈否定できませんね…マスターが父親だとして…いえ、息子だとして、もうナノは娘のようなものだと思えますし〉
「おいこら、何故そこで変えた」
〈いえ、特に他意はありませんよ?〉
「…(絶対嘘だ…)ま、家族とは考えてもらってはないかもしれんが、このダンジョンのマスター的には中にいる人には快適な生活を送ってほしいんだよ。だから遠慮なんていらないぞ」
「…モンスターさんって意外と優しい?」
「いや、これくらいふつ…いやいや、そうだ、俺は優しいほうだぞ」
「〈…〉」(冷たい目)
「いや、なんでもないっす…」
〈あぁ、そういえば…〉
「ん?どした?」
〈この前ナノが年を重ねても身長が伸びないことを悩んでいましたね〉
「へー、なるほど。じゃあナノへのお土産は、身長を伸ばせる何かを持って帰ってこようかな…それでいいか?」
「…」(無言の縦振り)
「よっし…あ、そんなに早くしないとは思うけど女の子のことはよく分からんし一応言っとく。模様替えしたくなったら好きに魔改造してもいいぞ」
「わかったの」
「んじゃ、俺はそろそろ行くからあとはダミーコア、頼んだぞ」
〈勿論任されました、プロですから〉
「…ま、まぁとにかく頼んだ」
「行ってらっしゃーい」
地上までモンスターさんを見送った。
でも、本当にいいのかな…ワガママじゃなかったかな…
〈よし、マスターはいなくなりましたね。これでかの計画を進めることができます…〉
「?ダミーコアさん何か言ったの?」
〈いえ、何でもありませんよ…〉
「あの…あのね。ダミーコアさん…もっとワガママ言っていいの?」
〈ええ、勿論ですよ〉
「えっと……(ボソボソ)」
〈おぉ!!私が考えていた計画と全く同じ!!早速取り掛かりましょう、ナノ!〉
「え、ほ、本当にいいの?」
〈無論です。それは確実にマスターの利になりますが、マスターは平凡がお嫌いですからね…では、始めましょう〉
ターターターターターターターターターーーーポロポロロンテレテーテレテテー
「それモンスターさんも部屋を作り終わった時に口ずさんでたの。一体なんの曲なの?」
〈簡単に言えば部屋の改造などが終わったあとによく流れる曲ですね〉
「ふーん…村にいた時は聞いたことなかったの。大工さんたちの歌なの?」
〈まぁ強いて言えばそうですね。とりあえず、この辺でいいでしょう。
まずは上から順に見ていきましょうか〉
「ん、ナノたちでダンジョンの快適さをチェックするの!!」
〈まずはダンジョンの入口。
最初は蟻たちが開けたただの大穴でしたが、マスターの手が加わることにより半径20メートルに真金が敷き詰められ、敵対反応のある生命体は自動的に攻撃されるようになっていました…
それが、なんということでしょう…今ではマスターの改造はそのままに、アーススライムを筆頭にし、たくさんのスライムたちが闊歩しているではありませんか…
次に、階段ですね…
ここは、穴のたくさん空いたチーズのように沢山の大小様々な穴がありましたが、今は、ナノの原色魔法により石と石の間にはごくごく僅かな隙間しかありません…ダンジョンに入ってこれるのは人間三人分くらいの大きさですからね。それを倒すのに大量の真金は必要ありませんからね…
さて、次は入ってすぐにある部屋ですね。、
マスターはナノの魔法でも二、三発は耐えることが出来るこの部屋を訓練場に改造していました。しかし、ここはダンジョンに入って来た者達が最初に発見するであろう部屋です。
よって、迷路に魔改造。入った瞬間アーススライムが部屋の壁全体を覆い尽くし、砂鼠膿の血が仕込まれている針を大量に天井から落とし続けます。地面に落ちても地面にいるのはアーススライム。回収してすぐに上に戻すという無限ループが可能。
それをどうにか避けきったとしても、餓死や酸欠の危険があります。魔法が使えたとして、大量のアーススライムを倒した後では戦闘もろくにできないことでしょう。
他の部屋も、ほぼ全てがそういう風に改造済みです。
マスターがおられる以上、DPは無限に生産可能ですから。
無理に人間に媚びへつらう必要も無いわけです。
それにしても、ナノの部屋は見た目は全く変わっていないのに、だいぶ脅威度が増しましたね。と言うよりこのダンジョン一の危険地帯と言ってもいいですよね〉
「えへへへへ、そんなに褒めても出るのはネズミさんたちについてる瘤の中にある液だけだよ?蟻さん達の卵はあげないんだから」
〈いえ、別にいりませんよ…〉
「そう?」
〈えぇ、マスターの部屋も、敷き詰めていた泥を全て取り除きマスターが余剰魂力の使用のため生成してあった真金を敷き詰めましたし、だいぶ防衛力は増しましたね〉
「えへへ、これでモンスターさん喜んでくれるよね?」
〈ええ、それはもう絶対に!!〉
~泥人形視点~
「ひっ!な、なんなんだ今の悪寒…嫌な予感がするな…まさかダンジョンの方で何かあったか?…いや、それなら俺の残してきた真金が自動的に察知して、俺にも分かるはずだが…んー、今のはそういうのとは違う何かなんだよな…行く村に何かあるとかか?…面白い」




