第二章乃 じゅう
コスプレ用衣装も、デザイン画を作り型紙から自分で作るし、
裁縫もするし、きっとこれも好きなんだなと思っていた。
専門学校を卒業する時、国内某ジーンズメーカーが
デザイナーを募集していて、うっかり応募してしまった。
即採用は良かったんだけど、パタンナーの仕事は・・・
複数人のデザイナーの補佐的な事も含めて、性に合わなかった。
2年頑張ったけど、もう辞めたいと思っていた。
彼氏さんとは、結婚を前提にお付き合いしていた。
正直、私の下宿の杉並では、水は美味しくないし
野菜は高いし、中々良い出来のお料理は作れなかったが、
それでも美味しいと食べてくれる彼氏さんが好きだった。
初めての時は痛かった・・・ 血もいっぱい出た。
でも最初から優しく頑張ってくれたから、
ちゃんと喜びは感じた。
でも・・・
いつまで経っても子供が出来る予兆は無かった。
結婚前ではあるが、本気で不妊治療に通うかと思い
彼氏さんに相談したが、自然のままが良いと言われ、断念。
それでも、長子の彼氏さんは優しかった。
でも、やっぱり私は居た堪れなかった・・・
仕事もやめたいと思っていた私は、次第に離れていく
彼氏さんとの距離も感じ、田舎に逃げ帰った。
母の住む家の近くの、ボロアパートに長男君と2人だけで。
母の住む家は、生家のあった場所から程近く、
かつての周辺住民の方々が、分筆してあった土地を
無償で譲り、プレハブだけど家まで建ててくれたそうだ。
父の努力の跡が見て取れ、嬉しかった。
私を気持ちの底から拾ってくれたのは、
そこでの新たな出会いだった。
遠い親戚に子供が生まれたのを見に行った。
痩せた身体、歪な頭・・・
産道に引っかかって、頭部がピーナツ状になったそうだ。
でも健康な泣き声を上げる赤子に、やたらと感動した。
なんだか良く解らない感情がこみ上げて、泣きそうになった。
自分には叶わなかったこと、そして生きていること
とても感動して、私はやっぱり生きているって凄いなと思った。
そうして、私もここで改めて、生きようと思えた。




