第五話春季キャンプと再会②
沖縄という地で、高校時代の知り合いと、近くにあった飲食店に来ていた。
「とりあえずなんか頼んでいいぞ、ここは奢ってやるから」
「え!?本当に!?じゃぁいっぱい食べちゃお」
「ちょっとは遠慮ってものをだなぁ」
「別に勇人に遠慮する必要ないしぃー」
ふんふん鼻を鳴らしながら高らかにドヤ顔をしている。
「最後にあったの成人式以来だっけ?」
ドヤ顔が終わった後少し落ち着いた陽菜は少しだけ真面目な顔で、尋ねてきた。
「そうだなぁ、そっから高校の奴らとも会ってないかも」
「私もそうだなぁ。大学違うと意外と会う機会無いよね。新しい友達もできるし」
「そうだな、久しぶりに会いたくなってきた」
「今私とあってるでしょーが」
「お前は例外」
「なっ!それは特別扱いってことでいいのかな?」
うりうりーと机越しに膝で胸の辺りをぐりぐりしてくる。
彼女と会うのは数年ぶりだったが、意外と自然に話すことができた。
「そういえばなんで1人で沖縄にいるんだよ」
「あーいや……実は…」
もぞもぞの話しにくそうに言い淀んでいた。
「別に深刻な理由があるなら深く追及しないが……大体友達と一緒に来ていたけどはぐれたってところだろ」
「な、なぜそれを」
なんでわかったんだと言わんばかりに目を開いて驚く陽菜。
昔から変なところ抜けてるよなぁ
「今頃友達が探してるんじゃないのか?こんな所にいて良いのかよ」
「んーまぁ夕方になったらホテルに帰るしあっちも心配してないでしょ」
すごい楽観的な考えをしていた。俺だったらすぐ合流したくなるものだが陽菜はそうではないらしい。
「ホテルに行く道のりでまた迷子になりそうだな」
そう言ってからかってみると、いつものようにプンプン怒るのではなく、いつもとは違う雰囲気で訪ねてきた。
「じゃ、じゃぁホテルまで送ってくれると…嬉しいかな…なんて」
少しだけもじもじしながら頬を赤く染めて言う陽菜。
そんな様子に気づくわけもなかった勇人は、「問題ないぞ」とそっけなく答えて、陽菜は枯れなめこのようになってしまったのだ。
水分が足りてないのだろうか?
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程なくして、飲食店を出た。あの野郎ほんとに遠慮なく食べやがった。女子とは思えない量を口に運びパクヒョイパクヒョイとダイソンのように食べていく姿に少し引いた。
昔も大食いだったがそれに拍車がかかっているようだった。
そして宣言通り、陽菜をホテルまで送ることになった。
「それでホテルってどこにあるんだ?」
「えーっとここなんだけど……」
そう言ってスマホの地図アプリを見せてくる。……近い。
そしてその場所を見た時、何か既視感のようなものを感じる。
「……あ!」
「びっくりしたぁ耳元で急に叫ばないでよ」
あることに気づいて咄嗟に声を出してしまった。
スマホの画面を見せてくれていてかなり近くに寄っていた陽菜は驚きの声をあげる。
「ここ……」
「……ここ?」
首を傾げて頭にハテナマークを浮かべた陽菜が尋ねてくる。
「ここ俺がキャンプ地の近くから那覇に来たバス停の近くだ……」
「本当!?じゃぁ勇人に任せれば帰れるじゃんラッ…えぇー!?」
遅れて気づいたのか陽菜も驚きで声を出す。
「待って…じゃぁ勇人の野球してる姿見に行けるじゃん……」
「ん?何か言ったか?」
「んん、何も言ってないよ」
ニコリと笑いながら答えてくれた。
ここからホテルまで送るまでの時間はなぜか陽菜はとても機嫌が良さげだった。
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