第5話 沈黙の協力者 ― 嘘を背負う者たち ―
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喫茶店「ル・フォワール」──
桧山をにらみつける香坂、、、
桧山は微笑んで冷静に答えた、
「“繋がってる”というか、“利用してる”って言う方が近いかもね.」
「どういう意味だ、桧山?」
「国民自由党内部に、橘の金の流れを掴める人物がいる。
……協力者よ。目的は同じ、“ 打倒・橘 国政 ”。
でも、そいつがどこまで信用できるかは別問題。」
「ねぇ、梓ちゃん。あなた、人を疑うとき、どこを見るの?」
梓は静かに答えた。
「“目”を見るんですが、それだけじゃありません、説明できませんが、、、
桧山さんは……50パーセントの真実を話してますね」
桧山が一瞬だけ目を細め、
そして、かすかに笑った。
桧山「ふふ……。凄いね、梓ちゃん。私の過去は少し複雑でね、、、
話す必要がありそうね……」
香坂が腕を組む。
香坂が怒りを抑え桧山に問いかけた「まさか……本当に政治家と?」
「正確には、政治家の“秘書”。元・富士山テレビの記者よ。」
――片山洋介
「彼が、裏金リストの原本を持っている」香坂が息をのむ。
迅も思わず身を乗り出す。
梓の目は静かに光っていた。
梓(心の声)『……片山洋介……桧山さんの過去の全てはわからないけど……』
迅「桧山さん、それってつまり……片山さんが国民自由党を裏切って、橘を――?」
桧山「打倒しようとしてる。
でも、彼が何を目的にしてるのか、私にも分からない、それは愛なのかもしれない
……妹の死を調べているのは確かだしね、、、」
「片山は、あやの恋人で、あやが死んだ時は、ホントに落ち込んでね・・・
そのあと、人格まで変わってしまったわ・・・」
「それから私達、姉妹は苗字が違うでしょ、、
私達の親が離婚して私は母と暮らし母方の性”桧山"
あやは父方の性”国仲”を名乗っていたから、、
私が小学校1年生の時まで一緒に暮らしてた、、、あやは幼稚園年中だった。」
「母はもう随分前に亡くなってしまい、あやと暮らしていた父さんは再婚して
あやと3人で暮らしてた、、、
実は母さんが亡くなった時に父さんから一緒に暮らそうと言われた事もあったけど、私ももう大学生だったから断ったの、、他人の家庭に入るようで怖かったの。」
「ホントはあやに嫉妬してたんだと思う、、どうも好きになれなくてね、、
顔も合わせなっかたわ、私達姉妹は何年も会ったことなかったの、、、
でも、彼女がアナウンサーとして、富士山テレビに入社してきた・・・、驚いたわ、」
「父から聞いて、どう接したら良いかわからなかった、
結局あやと会ったのは、あやが自殺した後、、」桧山の目には後悔が滲んでいた、
「片山と会ったのも、その時よ、、、」
「今は片山と私は、恋人という協調関係でもあるわ、、、」
梓はその言葉に小さく息をのんだ。
桧山は梓の目を見て「これで100%になったかしら」と、ほほ笑んだ。
香坂は沈黙し、迅は梓を見て小さく頷いた。
今、この4人を繋ぐのは、「真実」という名の細い糸だった。
外の雨が上がり、梓の瞳に月明かりが映る。
「…私もこのチームの一員にしてください!」
真実を見抜く者は、同時に“嘘の重さ”も背負う。
梓の眼が見ているのは、未来か、それとも――運命か。
------ 数日後・・・鎌倉の隠れ家
香坂、桧山、迅、梓が再び集まっていた。
テレビのニュースを見つめながら、香坂が呟く。
「……平泉が死んだ、、あいつは“国仲あや”を利用してた張本人だ、死因は何だ」
桧山が、無言で腕を組む・・・
その目には、何かを思い出すような影があった。
⸻迅「桧山さん……まさか、これって――」
桧山「私じゃないわよ、殺したいほど憎んでるけど……」
香坂「事故では無さそうな雰囲気だな…?」
桧山「平泉はね、“橘国政”と繋がってたの、同時に、“片山洋介”とも接触していた、
橘の金の流れを知る者として、片山は彼を泳がせ観察していたのは知ってる、、、
多分、、片山が殺した可能性が高いわ…」
迅「……片山は平泉を憎んでいたから、、?」
桧山が静かに頷いた。
------梓の“視界”
梓はテレビ画面を見つめながら、静かに言葉を落とした。
「…本当に片山が殺したのかは、わからない、、」
――つまり、平泉を“消した”のは政府側かもしれないって思うのか?」
部屋の空気が一気に凍りつく。
外では雨が再び降り始めていた。
桧山がゆっくりと立ち上がり、窓の外を見た。
その背中が、いつになく寂しげに見えた。
桧山「……平泉の件、私にも責任があるの。
昔、富士山テレビで政治部を担当してたとき、
彼のスキャンダルを掴んでた。…でも、
局の上層部に“にぎり潰された”のよ。放送できなかった。
……あの時、私が行動していれば、
“あや”は死なずに済んだかもしれない。」
香坂も言葉を失う。
迅(小さく)「桧山さん……」
桧山「だから今度は逃げない。この国の腐敗を、白日の下に晒す。
片山を利用して、“真実”を暴くつもりよ。」
その頃、都内-------永田町の一室
机の上には、黒い革のファイル。
その表紙に刻まれた文字。
「特別監査局 極秘資料 第七項:国民自由党・裏金系譜」
そこに座るひとりの男が、無言で書類を閉じる。
胸には、“桜のピンバッジ”。
彼は低く呟いた。
男「……平泉の口は塞いだ、次は、桧山あかりか…?」
⸻夜の海辺
梓が一人、潮風の中で目を閉じる。
梓(心の声)『…なんとなく感じる嫌な予感が… “ 次の犠牲者?? ”、』
背後から迅が歩み寄る。
迅「……大丈夫?」
梓「うん。でも、“時間”があまりない気がする。」
迅「信じよう。君の見たものを。」
梓はうっすら笑って頷く。
風に髪が揺れ、波の音だけが響いた。
――平泉たかしの死は、ただの序章に過ぎなかった。
真実に近づくほど、国家の影が深くなる。
――都内・渋谷
JBSテレビ報道局・特別番組制作部。
朝の編集室には、カップ麺の匂いと、モニターの青白い光。
そこに、ひとりの新入りアシスタントが現れた。
金髪のショートウィッグ
淡いカーキのシャツをラフに着こなし、リュックを背負った少女。
胸元の名札には、こう書かれている。
加藤 あずき(アシスタント)だが、その正体を知るのは、迅と香坂、
そして桧山だけだった。
――梓の潜入開始
ディレクター「新人? 聞いてねぇけど……まぁいいか。編集素材運べる?」
梓(=あずき)「はいっ、すぐやります!」梓は笑顔で答えながら、
スタッフ一人ひとりの顔を一瞬見つめる。
その目の奥で、彼女の“感覚”が働いていた。
呼吸のリズム、目の動き、手の震え、声の間合い。
それらが織りなす“心のノイズ”が、彼女には見えていた。
梓(心の声)
『……この人達、嘘をついてる。
『平泉の死』をニュースを偽造している。
事故処理で片付けるつもりだ、、、”。』
――誰かの指示を受けている・・・
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。




