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地底の未来  作者: Spumante Rock


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第3話 封じられた声 ― 絶望の真実 ―

いつも読んでいただきありがとうございます。

編集室の蛍光灯が、無音の中で低く唸っていた。

杉本迅は、硬くなった喉をゆっくりと動かした。

向かいの席には香坂、そして――あの女記者、桧山あかりがいた。

前回の報道事件以来、画面越しでしか見なかった顔。

かつて自分を追い詰めたその女が、今は沈んだ表情で頭を下げている。

「……本当に、申し訳ありませんでした。」

その声は、想像していたよりも弱く、小さく震えていた。

「あなたを糾弾する報道――あれは私の意志ではありません。

 私は、命令に従っただけです。ですが……それは言い訳にもならない。」


迅は、言葉を失ったまま、ただ俯いた。


沈黙が数秒続いたのち、香坂が静かに言葉を挟んだ。

「桧山さんは、君にどうしても聞いてほしい過去があるんだ。」


桧山は、一度深く息を吐いた。


「……“ 国仲 あや ”というアナウンサー、ご存じですか?」

「もちろんです……。2、3年前まではよくテレビで見ました。」

「そう……。彼女は、私の妹です。」 その瞬間、空気が止まった。


蛍光灯の音すら、遠のいた・・・


「――亡くなりました、、自殺です。」


迅は思わず息を呑んだ。


香坂も、静かに目を伏せた。

桧山は、震える指で封筒を取り出した。

薄茶色の紙は、何度も折りたたまれ、角が擦り切れている。

「これは……妹が遺した手紙です。父が私に渡してくれました。

 “世の中に真実を伝えてほしい”と、、、。」

「そんな報道出てないよな・・・」香坂は静かに問いかける

「そう、隠蔽されました、、富士山テレビは一切報道せず

 その後、しばらくして父も疾走しています。」

彼女は震える手で、遺書の封を開いた。


そして、ゆっくりと読み上げ始めた。


『これから真実を伝えます。

お父さん、今までありがとう。そしてごめんなさい。

私はアナウンサーになり、楽しい日々を送っていると思っていたでしょう。

でも、本当は違いました。

上司に“接待”があるから来てほしいと言われ、ホテルオークラのスイートに連れて行かれました。

相手は政治家・平泉たかし。その秘書・高山洋子。

そして、上司の大金ひさし。

食事のあと、私は薬を盛られ、眠らされ、写真を撮られました。

目を覚ますと、私は裸でベッドの上にいました。

“お前が黙っていれば誰も傷つかない”――そう言われました。

1000万円の口止め料を受け取りました。

……でも、それで私は壊れました。

アナウンサーである自分が、娼婦のように扱われました、、、

その後も何度も呼び出され、屈辱に耐え続けていました。

そんなある日、平泉が言いました。

“お前に飽きたら、次は誰がおすすめだ?”

この業界の腐敗に、私は絶望しました。

どうかこの手紙を、信用できる記者に託してください。

そして、私の死を無駄にしないでください。

こんな話し書きたくなかった、、でも、

誰かが声を上げないと、世間は変わらない・・・

ごめんなさい、、、お父さん、今まで大切に育ててくれてありがとう。

大好きだよ、、さようなら。』


――読み終えた瞬間、


編集室の空気が完全に止まった。


香坂は両手を握りしめ、深く目を閉じた。

迅の頬には、涙が伝っていた。


桧山は、手紙を胸に押し当て、かすれた声で言った。

「……これが、あの子の最期の言葉です。」しばらくの沈黙。


やがて香坂が、重い声で言った。

「……あの事件を“介護ドキュメンタリー”として再構成したい。

 表向きは、弱者を救うための報道、だが本当の狙いは 


――政治とメディアの癒着を暴くことだ。」桧山がうなずく。


「私たちが暴くのは、富士山テレビの闇だけじゃない。

 国民自由党、政治家・平泉たかし。

 そして、彼らに魂を売った報道そのものです。」香坂は静かに迅を見る。

「君の声が必要なんだ “世間に叩かれた側の声” が、真実を語る。

 それが、一番響く。」


迅は拳を握ったまま、俯いて考えていた、、


頭の奥で、国仲あやの言葉が何度もこだまする。

『信用できる記者に託してください。

 そして、私の死を無駄にしないでください。――。』


外では、風が強くなっていた。

ビルの窓を叩く音が、どこか遠くの警告のように響いていた・・・


――翌日の鎌倉


夕方の鎌倉の街は、昼の喧騒が少しずつ落ち着きを見せ

小町通りの石畳を踏む靴音は自分のモノともわからない程度に響いた、、

杉本迅は、コンビニの袋を片手にぶら下げ歩いていた。

ポケットには少しばかりの余裕と、どこか張り詰めた心が同居している


――その時だった。街角の公園の前で、ひとり佇む影が目に入った。

街灯に照らされ、黒髪が光を反射する。「……梓ちゃん?」迅が声をかけると、

少女は顔を上げ、少し微笑んだ。「迅くん。」

「なんだ、待ってたの??それにしても、、

 いいタイミングだね。今日は給料日なんだ。一緒に甘いものでも食べようか。」

「うん。ありがとう。」嬉しそうにほほ笑む、、、

「梓ちゃんは感いいよね… 給料日に」

「えっ……まさか。偶然だよ。」

梓は小さく笑った、


その笑みの奥に、ほんのわずかな“影”を迅は見逃した。

カフェの中は、穏やかなピアノが流れていた。


抹茶のティラミスの甘い香りと、温かな灯りが

久しぶりに、心が緩む時間だった。

「梓ちゃんは、こういうお店好きそうだよね。」

「うん……静かな空間で、人と一緒にいる時間は好き。

 ・・・でも、人が多すぎても疲れちゃう。」

「どうして?」

「……疲れるのに理由がいる?」梓は微笑みながらティラミスを食べた。


その指先が、かすかに震えていた。


店を出て歩き出した夜道で、梓がふと尋ねた。

「迅くん……今から、誰かに会うの?」

「え? どうして?」

「なんとなく……。」


迅は少し迷って、正直に言った。「会うよ。香坂さんと。」

「……え? もう報道の件は終わったんじゃないの?」

「うん、そうなんだけどね。」


迅は歩みを止め、少し考えてからカフェの前のベンチに腰を下ろした。

「実は、――新しい報道企画を手伝うことになったんだ。

 香坂さんと、もうひとり桧山さんって人から頼まれてね」梓の表情が変わった。


「桧山さんって……あの記者?」

「そうなんだ、、、いろいろ事情を聞いて謝罪を受けたんだ、

 彼女には妹がいてね、、、富士山テレビのアナウンサーだったんだけど……

 自殺してた・・・」


 「理由は――政治家との接待強要事件」

「……。」


「それを、暴こうとしてる。

 “介護ドキュメンタリー”の名目でね。」・・・沈黙。


街灯の下で、梓の瞳が揺れていた。

「……私も、一緒に行く。」

「だめだよ。危険かもしれない。」

「危険って、自覚あるんだ、、、」

「分からないけど、でも、きっと、誰かが監視してる・・・」

 「今日だって、何度か視線を感じた。」


「……。」


梓は唇を噛み、やがて小さく頷いた。

「今からって、どこで何時に待ち合わせ??」

「・・・って、、連れてかないよ」

「行きません!!場所と時間は?」

「御成通りのカフェに19時だけど、」小さな声で答えた、、、


梓は立ち上がって

「じゃあ……送って!私の家まで。御成通りまで、15分で行けるから。」


「ああっ・・・もちろん。」迅も立ち上がった。


鎌倉の夜風が、海の方から流れてくる。

灯りが並ぶ通りを、二人は並んで歩いた。

「ありがとう、迅くん。」

「いいって。もう暗かったし、そんなに遠回りにもなってないよ、、、」

梓は小さく笑って、ふと真顔になった。


「ねえ……香坂さん“だけ”に会うの?」

「…えっと、あと一人。桧山さんも一緒。さっき言ったよね?」

「……そうね、、言ってた、、、頼まれたって。」

その言葉の意味を、迅は深く考えなかった。


彼はただ、彼女が少し拗ねていると思っただけだった。

「じゃあ、またね。ご馳走さま。」


玄関の灯りの前で梓が振り返り、静かに手を振った。

扉が閉まると、夜風だけが残った。(……なんか、機嫌を損ねたかな、、。)

迅は頭を掻きながら、御成通りへ向かって歩き出した。


その頃、梓の部屋の中では――

机の上に置かれたガラスのコップが、かすかに揺れていた。少女は窓の外の暗闇を見つめながら、手のひらをぎゅっと握りしめる。彼女の意識が、淡い光を帯びる。

・・・香坂さんと桧山さんと会話、冒頭の30分くらいの会話は理解できたけど、、、

核心が見えない、、、


やっぱり仲間に入れてもらわないと何もできないわ。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。

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