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11話 ことの次第によっては戦争になるわ!


シンとアルはヒメノ国を出て途中にて盗賊に遭遇し撃退した。そして、現在盗賊の残党がいないか物音がした馬車に警戒しながら近づいていた。

ガタ。

ガタガタ。

と馬車内から聞こえてくる。

「何かが暴れている?」

「揉めているのでしょうか?」

2人は小声で会話している。

「私が布を捲りますね」

「お願いね!」

「はい」

シンは剣を抜き構えた。

「行きます!」

アルはそう言って馬車の布をめくった。中にいたのはシンと同じぐらいの男の子と女の子の2人だった。見た目はエルフで金髪、金色の目、そして男の子の方は目付きが悪く髪型はツーブロックで襟足が短い、女の子は三つ編みで糸目だ。2人は口を塞がれ手と足を縛られていた。

「むぐぅ!!」

「ペコ」

2人はシンとアルに気づき男の子は暴れ、女の子はゆっくりと会釈するだけだった。

「誘拐されたのか?!」

「すぐに助けます!」

そう言ってシンとアルは馬車に乗り2人の拘束をといた。

「ありがとよ」

「ありがとうございまーす」

男の子が強気に言い、女の子はおっとりとした感じで言った。

「怪我はないかい?」

「ああ、大丈夫だ。それよりお前らは誰だ?」

シンに向かって男の子が聞く。

「僕らは旅人かな?」

「なんで疑問形なんだよ」

「いや、国に帰る前に寄り道をね」

「そうかよ」

「で、君達は?」

「俺はハイエルフのガイだ」

男の子、ガイがそう言った。

「私は〜ハイエルフのライで〜す。」

女の子、ライが言った。

「僕はシンだよ」

「私はアルと申します」

「よろしくな」

「よろしくでーす」

「で、なんで2人は捕まっていたの?」

「ああ、俺はヒメノ国とエルフの国ドラシエル国の国境沿いにある街でギャンブルをして有り金全部取られてよ、宿もねぇから路地裏で寝てたんだがいつの間にか売られそうになったって訳だ」

「なんて言えばいいのか」

ガイが言った事にシンは微妙な表情になって言った。

「誘拐した盗賊も悪いですがギャンブルで有り金をかけたあなたも悪いですね」

「うるせぇよ、いいだろ別に」

アルの言葉にガイがそう言った。

「ライはなんで捕まったの?」

「私は〜ガイが〜城から飛び出したから探していたんです〜、それで捕まったガイを助けようとして〜転んで捕まっちゃったんです」

「なるほど、お二人は知り合いなのですか?それに城とは」

「ああ、俺らは双子で一応ドラシエル国の王子と王女だからな」

「え!なんで王子が家出を!」

「それに王子と王女が行方不明は大事ですよ!」

「俺は冒険をしてぇんだよ!」

「私は〜ガイが心配で〜」

「だから俺に構うなって言ってるだろ!」

「実際に捕まってた〜」

「確かに」

「ガイ、ライさんに感謝しなさい」

「チッ」

ガイはアルにそう言われ不機嫌そうに舌打ちをしてそっぽを向いた。

「それでこれからガイとライはどうするの?」

「俺はこの馬車で冒険するぜ」

ガイは乗っている馬車を示す。

「ダメよ〜」

「そうですよ、一度国にもどられては?」

「イヤだね!俺は魔物や魔獣とたたかいてぇんだ!」

ガイの言葉にアルとライは何言ってんだコイツと思った。だがシンは頷きながら言った。

「うんうん、分かる」

「だろ!」

「シン様!」

「だってめっちゃ共感できるもん!」

「シン様!本来ならすぐに帰るべきなのですよ!」

「イヤだね!せっかくここまで来たんだダンジョンには絶対いくからね!」

シンはそう言って断固としての構えだった。

「はぁ、分かりましたよ」

「この馬車には食料もあるみたいだし、僕らはこれで失礼しようか」

シンは馬車内を見渡してそう言った。

「そうですね、それではお二人共お元気で」

2人はそう言って馬車を降りようとしたがガイに呼び止められた。

「ちょっと待て!」

「どうしたの?」

「この近くにダンジョンがあるのか?」

「うん、ここから一日程に紅のダンジョンがあるんだよ」

「それはいいな、だったら俺も行くぜ!」

「私達が言えた事ではありませんが二人で大丈夫なのですか?」

「お前ら2人に着いていくぜ」

「え?!なんで?!」

「なぜです!?」

「ガイ〜ご迷惑ですよ〜」

ガイの言葉にシン、アル、ライがガイに向かって言った。

「いいだろ、それにお前ら剣を持っているし前衛だろ?」

「そうだけど」

「俺は弓使いだ!後衛なら任せな」

「え〜」

「会ってまだまもないです、信用できません」

「細かい事気にすんな!」

「ダメですよ〜」

「ほらライもこう言ってるし!」

「そうですよ、ライさんにこれ以上迷惑をかけては」

「私は〜ダンジョンの外で待っていますから3人で楽しんできてくださいね〜」

その言葉にシンとアルはズッコケた。

「止めなよ!」

「そうですよ!城に連れて帰らないと!」

「ガイはこういう時言うこときかないんです」

シンとアルの言葉にライがそう答えた。

「絶対!お前らについて行くからな!」

「わ、わかったよ」

「仕方ありませんね」

こうして仕方なく、しばらくガイと行動することになったシン達であった。

..

.

【同時刻・シュトラス国王城】

城の庭にてシンの婚約者であるリアがハクをブラッシングしていた。

「ハク、前よりも大分大きくなったわね、お陰で城の中ではブラッシングできないわ」

「クゥーン」

「落ち込まないでちょうだい、したいからしているのよ」

「ウォン!」

ハクは大きく尻尾を振っていた。

「シンにもうすぐ会えるのね」

「ウォン!」

リアは青空を見ながら言った。城からアリスが本を抱えて出てきてリアとハクのそばに来た。

「あらアリスおはよう」

「リアお姉様おはよう」

「ウォン!」

「ハクもおはよう」

アリスはそう言ってハクのそばに座りハクを撫でた。

「クゥーン」

「ハクはいつももふもふで気持ちいい」

「ウォン!」

ハクはアリスに褒められ尻尾を振った。しばらくリアとアリスはハクにもたれかかって座ってのんびりした時間を過ごしていた。

バンッ!!!

と大きな音を立て城の扉から出てきたのはルシアだった。ルシアはいつもの服装と違い、動きやすそうな服を着て弓を携えていた。リアとアリスはルシアの様相に気になり近づきルシアに聞いた。

「ルシア様どうされたのですか?」

「お母様どこかにいくの?」

リアとアリスに聞かれルシアは歩みを止めて2人に向かって言った。

「シンちゃんとアルちゃんを迎えに行ってくるわ!」

キメ顔でルシアに言われリアとアリスはキョトンとした。2人が固まっているとまた城から誰かが出てきた。

「ルシア!」

「ウィル、少しでかけてくるわ」

城から出てきたのはウィルだった。

「昨日ダメだって言っただろ!」

「納得できないわ!それにドラシエルに連絡したら、今立て込んでいるみたいなのよ!」

「なんだって?!一体何があったというのだ」

「ガイちゃんが家出したんだって」

「な!」

「全く王族なのに自由よねー」

「君が言うな!」

「なんでよ!」

「君は一応ドラシエル国の王女だろうに、それに君もドラシエル国王城から家出しただろう」

「そんな細かいことは気にしないで!」

「いや、全然細かくないよ」

ウィルとルシアは言い合いを始めた。その光景をリア、アリス、ハクが見ていた。

「ルシア様は元ドラシエル国の王女だったのですね」

「知らなかった」

「ウォン」

リア達がそう言っている間に人がどんどんと集まって来た。

「どうしたんだい?」

「城の騎士が父上を探していたが、何かあったのか?」

「何事だ」

レイツ、ヴァン、ナタリアが集まってきた。

「母様何事ですか?」

「レイツちゃんお母さん少しでかけてくるわ!」

「母上弓を携えてどこに、もしや戦争ですか?!」

「ことの次第によっては戦争になるわ!」

「母上お供します」

「私も参りましょう」

「では行きましょう」

「コラコラ!」

ルシア、ヴァン、ナタリアが一緒に行こうとし、ウィルが止めた。

「まだ止める気なのウィル!」

「ああ、ダメだ!」

「なぜ止めるのよ!シンちゃん達のこと心配じゃないの!」

「心配だが、剣の修行をしていたんだ大丈夫だよ、ヤミから手紙でも大丈夫って書いてあったし、シン達の成長には必要なことだよ」

ウィルにそう言われルシアは考えた。

「...分かったわよ!剣しか頭がないヤミが言うなら少しは安心できるわ、でもウィル何か隠しているわよね?」

「な、なんでかな?」

ルシアに問われウィルは戸惑いを隠せなかった。

「 シンちゃんに何かあった時の為に何かあるんじゃない?」

ルシアにそう言われウィルはほんの一瞬ハクを見た。ルシアはその視線を見逃さなかった。

「ハクちゃんに何かあるのね!」

「い、いや」

「ハクちゃん〜おいで〜」

「ウォン!」

ルシアはハクを手招きして呼ぶ。

「よいしょっと、ハクちゃん!シンちゃんの元へ行くのよ!」

「ウォン!」

ルシアを乗せたハクは城壁へ向かおうとしてウィルに声をかけられた。

「ハクー!シンにリアの護衛を任されたんだろー!」

「ウォン!」

ハクはウィルに言われ引き返した。

「ハクちゃん!リアちゃんの護衛は大丈夫よ!シンちゃんが危険な目にあっているかもしれないのよ!」

「ウォン!」

ハクはまたもや城壁に向かって歩き出した。

「ハク!リアとアリスを置いていくのかい?」

「クゥーン」

ハクはまたもや引き返した。

「ハクちゃんはシンちゃんに会いたくないのかしら?」

「クゥーン」

ハクは城壁へと歩き出したが今度はウィルではなく別のものが呼ぶ。

「ハクー、唐揚げですよー」

「ウォン!」

ハクは大皿に盛り付けられた唐揚げを貪り食って行く。

「セリー!良くやった!」

「セリー!卑怯よ!」

セリーの行動に賞賛するウィルと批判するルシア、だがウィルとルシアはセリーの服装に気づいた。セリーは白色のローブで杖を携えていた。

「セリー!まさか!」

「ウィル兄さん出かけてきますね」

そう言ってセリーはハクに乗っているルシアの後ろに乗った。

「ではハク、シン様を迎えに行きますよ」

「そうね、ハクちゃんお願いね!」

「ウォン!!」

「ちょっとま....」

ウィルが止めに入る前に一瞬にしてハクは城壁を出てシンの元へとむかうのであった。

ルシアとセリーが出て行った後の会話

「あの二人!」

「お父様、お母様なしで謁見などどうするのですか?」

「ルシアめ!考え無しに!」

「父上、王妃がいないと各国の来賓方に悪く思われてしまいます。」

「まずいぞ明日面会があるんだぞ!」

「お父様!病む負えません、影武者に幻影魔法をかけて乗り越えましょう!」

「それしかないか!だが影武者は誰が」

「ナタリアにしてもらいましょう!」

「レイツ義兄様!」

「よし、ナタリア頼むぞ!」

「わ、分かりました」

後の面会や謁見式では王妃が騎士のようだったと語られた。

別視点リア、アリス

「私達も行けば良かったわね」

「出遅れました、兄様に会いたかった」

別視点メイド達

「メイド長抜きでやっていくのですか?!」

「まずいわね!」

「唐揚げおいしいいですぅー」

「一人で食べないでよ!」

「ずるいわよ!」

ハクが残した唐揚げはメイド達が美味しくいただきました。

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