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ようこそ、大沢ハルミのカオスな日常へ !  作者: あじせ
家庭内混乱マニュアル:初心者版!
44/45

第44話 — 段ボール一枚を手に、尊厳を全く失って坂を下っていく。

―グループは無意識のうちに「一時的に動けなくなることへの不安」を感じている―


普通なら、


湖に行くなら―

道沿いを歩く。


それが当然のことだ。


しかし、このグループは違う。


どう考えても不可能なことをしている。


正しい判断を下した人:ゼロ。

彼らを止めようとした人:ゼロ。

緊張:逆に高まっている。


おそらく止まらないだろう。


もし既に止まっているとしたら―

止まることができないからだ。

彼らは到着した、というより、


彼らは立ち止まった。


なぜなら…


そこにあったのは「近道」ではなかったからだ。


どうやら…


そこは、制御不能な自然に侵食されたかのような急斜面だった。


草。


土。


傾いた木々。


そして、誰もが感じていたあの感覚。


「ここは行くべき場所じゃないのか?」


静寂。


風。


私はごくりと唾を飲み込んだ。


タケルは真剣な表情で地面を見つめる。


レンも黙って同じように地面を見つめる。


そして…


そこにあった。


「…これがルートだ。」


終わった。


理由はここで終わる。


「行くぞ!」


ケンタは既にうつ伏せになっていた。


彼は段ボール箱の中にいた。どこから持ってきたのかは不明だ。「何を着てるんだ!?」アイコは即座に反論する。


「これだ。」ソラは発泡スチロールを持ち上げる。


まるで伝説の武器を手にしているかのような表情だ。


「セキュリティゼロだ!」


「そうだ。見てみろ。」


彼は立ち上がる。


「科学だ。」


「これは科学じゃない!」


一方その頃――


タケル。


彼は床の段ボール箱と格闘していた。


「まっすぐ…いろ…」


段ボール:まっすぐにはなれない。


「まっすぐって言っただろ!」


段ボール:曲がる。


「…段ボールのせいで死ぬ人生ってあるのか?」


ユウは彼の後ろで震えている。


「タケルくん…だめ…」


「俺がやる。」


「死ぬぞ!」


「死なない。」


「絶対死ぬぞ!」 「座れ。」


彼は座った。


段ボール箱の中に。


タケルの後ろ。パキッ。


「…壊れる。」


「壊れない。」


「壊れる。」


「壊れない。」


「壊れる…」


パキッ。


「…ああ、壊れる。」


一方、同じ頃…


「レン、作戦は?」ケンタ。


彼は既に飛行準備を整えている。


レンは座っている。


冷静に。


分析している。


「…降りろ。」


「それは作戦じゃない!!」


「それしか選択肢がない。」


――こうして第二ラウンドが始まった。


荷物という名の災難。


「私たちには何もできない!!」アイコは限界に達していた。


「え?木から木へと渡ればいいんだよ。」ケンタは冷静だ。


沈黙。


アイコはゆっくりと振り返る。


「…そんなことできるわけないでしょ!!」


「背負って運べばいいじゃないか!!」「どうやって…」レンが言いかける。


「黙れ!!」ソラが遮る。


彼らはやった。


「…今なんて言った?」


「言ったのは…」


「そんなこと言うな。」


「無理だって言ってるんだ、最悪だ。」


諦めろ。


完全に諦めろ。


「私がやる。」


アイコが目を覚ます。


「全部運ばせるわ。」


――そして。


地獄のような荷造りが始まる。


レン:首と背中にバッグをぶら下げている

ソラ:椅子+サーフボード

タケル:クーラーボックス+バケツ+謎の虫

ユウ:もう限界

その他:水、ライフジャケット、スイカ、網、ありとあらゆるもの


「意味がわからない」タケル


「なるほど」アイコ


「歩けない」ユウ


「歩かなくてもいいよ」メイ


「全然役に立たない!!」結果。



人間タワー完成。


バランス:ゼロ



尊厳:マイナス


「これは絶対まずい」ユウ


「すごい!」ソラ


ヒナが手を挙げる。


「さあ、行くぞ…」


風。


「1…」


ユウは目を閉じる。


「2…」


「3!!」


――発射。


速すぎる。


「うわああああああああああああああ!!!」ソラは興奮しきっている。


「死ぬ!!!」ユウは即座に叫ぶ。


「しっかり掴まって!!」タケル。


「掴まってるよ!!」


「強すぎる!!」


「まさか!!」


ケンタ?


うつ伏せ。


亀の姿勢。


「どこ見てるの!!」


「見なくてもいいよ!!」


レン。座ったまま滑る。


静かに。


素早く。


「…止まらない。」


止まらない。


スーツケースが激しく揺れ始める。


椅子が回転する。


バッグが激しく揺れる。


ブイがまるで意思を持っているかのように動く。


「木だ!!」


「見える!!」


「まただ!!」


「見える!!」


「もう一度!!」


「――」


バン。


「今のは見えなかった!!」


一方、上空では。


静寂。


「大丈夫…?」ヒナ。


「大丈夫よ」アイコは帽子をかぶる。


「行こう。」


「うん!」メイはゴーグルをかける。


彼女たちの作戦。


木。


彼女たちは木に登る。


移動する。


別の木。


まるで古代遺跡のようだ。


すべてが巨大だ。


安定している。


静かだ。


優雅だ。


「ここで掴まって。」


「掴まってる。」


「メイ、気を付けて――」


「落ち着いて!!」


完璧だ。


彼女たちの背後で。


「うわああああああああ!!」


「めっちゃ楽しい!!!」


「落ちちゃうよ!!!」


「もう落ちちゃった!!!」


混沌。


100%ピュア。


そして――


終わり。


しかし。


問題が。


「…壁がある」レン。


「壁!?」タケル。


「壁!?」ユウ。


遅すぎる。


滑る。


飛ぶ。


落ちる。


腹ばい。


砂。


石。


人生の回想。


静寂。


2秒。


3秒。


「…やったのか?」ケンタ。


その瞬間。


「ああああああああああああ!!!」


女子チーム。


バランスの崩れ。


連鎖反応。


すべてが一瞬にして。


ズズズズズズズズズ


「着いたぞ!!!」


パンチ。


みんなの上に落下。



人間サンドイッチ。


静寂。


呼吸。


誰かが咳をした。


そして――


「景色が最高!!!」メイが両腕を広げた。


「湖が綺麗!!!」ヒナ。


「すごい!!!」アイコ。



落下。


「…足の感覚がない。」タケル。


「…死を見た。」ユウ。


「…楽しかった。」ソラ。


レンは目を閉じた。


彼女はそれを受け入れた。


そして湖は――


まるで何もなかったかのように、そこにあった。


静かに。


輝いて。


まるで。


まるでこれが普通であるかのように。


…おそらく。


このグループにとっては。


もうすでに普通なのだ。



楽しんでいただけたら嬉しいです!

もしよければ、ポイントを入れていただけると、とても励みになります

また次回もよろしくお願いします!



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