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ようこそ、大沢ハルミのカオスな日常へ !  作者: あじせ
家が手狭になりすぎた!!
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第31話 — 夢だったらよかったのに…

【夜の目撃】二人の子供を連れた乱れた女性!?――黒沢の完全な誤解が大混乱を招く!


「待てよ…彼女に子供がいるのか?」→結婚、出産、豪邸――彼の頭の中は即座に確認された――


深夜、帰宅途中。


眠気と戦いながら、黒沢の目に飛び込んできたのは――


ひどく乱れた様子の大沢晴美だった。


黒沢の頭の中の論理は完全に崩壊した。


――彼がたどり着いた答え。


結婚していて、子供がいて、二児の母。


(※全て間違い)


さらに悪いことに、最悪だったのは清水樹だった。


「ええ、彼女は結婚しています。」


「私には子供がいます。」


――あからさまな嘘。

隣町は静まり返っていた。

深夜――街灯ですら眠そうにしている時間。


黒沢は、役所での雑務を終えて家に帰る途中だった。


眠気で重くなった目をこすった、その時。


ふと、視界の端に何かが映る。


通りの左側。

三つの影が、ゆっくりと歩いていた。


小柄で、髪がボサボサの女性。

腕の中には、ぐっすり眠る小さな女の子。


その隣には、細くて背の高い少年。

まるで離したら消えてしまうかのように、彼女の手をぎゅっと握っている。


黒沢はゆっくりブレーキを踏んだ。


「……大沢さん?」


あのカオスな存在を見間違えるはずがない。


コートはよれていて、髪は乱れ、目の下にはくっきりとしたクマ。

しかも深夜に子どもを抱えて歩いている。


思わず車から降りかける。


「何を……こんな時間に……」


だが、彼女は気づかない。

見もしない。


ただ、通り過ぎていった。


まるで――

感情の終末戦争を生き延びた人間のような目で。


黒沢はその場で立ち尽くす。


そして、脳がゆっくりと状況を整理し始める。


昨日。


大沢は無断欠勤。

連絡なし。

完全に失踪状態。


(……あの子たちのせいか?)


もう一度、よく見る。


少女は安心しきった顔で眠っている。

そこが世界で一番安全な場所だと言わんばかりに。


少年は――

ついさっきまで泣いていたような顔で、彼女に張り付いている。


黒沢はハンドルに額をつけた。


「……つまり……子ども、いるのか……?」


沈黙。


4秒。


深呼吸。


5秒。


思考。


「妹は年下……」

「この子たちは妹の子じゃない……」


そして。


パッと目を見開く。


「……子ども、二人いるな」


ドラマチックな沈黙。


三回瞬きをする。


脳内イメージ:

26歳のハルミ。

13歳の少年。

9歳の少女。


――計算が合わない。


宇宙が叫ぶ。

(黒沢、頼むから考えろ)


だが、感情が勝った。


彼はスマホを取り出す。


そして――


最悪の相手に電話をかけた。


ITSUKI SHIMIZU/イケメン働き者の隣人

— 黒沢の天敵No.1


「もしもし、黒沢か。久しぶりだな」


「清水……一つ聞きたい」


「いいよ。学生時代のライバルの頼みならね」


黒沢は息を吸う。


「大沢……子ども、いるのか?」


沈黙。


そして。


清水はニヤリと笑った。


「へえ……つまりさ」


「結婚してて、子どもが二人いて、大きい家に住んでるか知りたいってこと?」


黒沢、沈黙。


「……」


清水、最悪の笑顔。


「うん」


「……」


「いるよ」


「……」


「結婚してる」


「……」


「子ども二人」


「……」


「しかも豪邸」


黒沢は通話を切った。


一言も言わずに。


その後、清水は三分間笑い続けた。

全部嘘だと分かっていながら。


――ただ、面白いから。


ハルミの家 — 朝5時


ハルミは眠るメイを抱えて家に入った。

タケルがその後ろを静かについてくる。


二人とも限界だった。

空腹。疲労。精神崩壊寸前。


その時――


グゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


メイの腹が鳴る。


ハルミの腹も鳴る。


タケルも参戦。


三重奏。


ハルミは腹を押さえた。


「タケルくん……」


「ん?」


「この家に……料理人が必要だわ……」


「うん」


「でも私じゃない」


タケルが小さく笑う。


「俺、作るよ」


「最高。じゃあもう出ていかないで」


「えっ」


「決定ね」


タケル、赤面。


ハルミは24時間スーパーへダッシュ。

買い物内容:


・カップ麺

・おにぎり

・冷凍カレー

・パン

・アイス


――統一性ゼロ。


5時17分。


三人は畳の上でカレーを食べていた。


メイはハルミの膝で寝ながらパンをもぐもぐ。


タケルは時々、彼女を確認する。

ちゃんとそこにいるか。


ハルミはそれに気づいて――


小さく笑った。


その後。


三人で風呂に入り。


一つの布団にぎゅうぎゅうに詰まって眠った。


ハルミ真ん中。


タケルは彼女の袖を握ったまま寝る。


――もう消えないように。


翌朝 — カオス再開


タケルが先に目を覚ます。


時計を見る。


「……3時間」


ため息。


「大沢さん、起きてください」


バシッ。


枕直撃。


「いったぁ!?何!?」


(お、大沢さん……!?)


(落ち着けハルミ、自然に振る舞え)


「仕事ありますよ。昨日休んでます」


「は???」


ハルミ、即覚醒。


「無断欠勤!?連絡してない!?逮捕!?終わったァァァ!!!」


スマホが震える。


ブルルルルル


28件の母からの着信。


さらに。


近所グループチャット:


「病院のドアを蹴破り、患者に怒鳴って逃走した女性」


ハルミ絶叫。


「お母さぁぁぁぁん!!!盛りすぎ!!!」


メイ起床びっくり


タケル(慣れた)


「準備してください、大沢さん。続報出ますよ」


「やめてぇぇぇ!!!」


職場 — 再会


ハルミ、全力遅刻。


濡れた髪。

開いたバッグ。

間違ったコート。

深いクマ。


そして――


黒沢、待機。


腕組み。

無表情。


内心:

(子ども二人……既婚……終わった……)


でも言えない。


だから言ったのは。


「……遅刻だ」


ハルミ、(死んだ)


「おはようございます……説明できます……」


「あとで聞く」


冷たい声。


「仕事が溜まっている。誰かが消えたせいでな」


ハルミ凍る。


「すみませんすみませんすみません!!!」


黒沢は目を逸らす。


見たら終わる。


溶ける。


「……今日は書類をちゃんと整理しろ」


「……あと、コーヒーマシンは爆発させるな」


ハルミ、赤面。


黒沢、背を向ける。


(既婚……子ども二人……俺は何を……)


ため息。


そして――


なぜか壁に頭を打ちつける。


ゴン。


同僚が通りかかる。


「黒沢さん、また恋してる」


「してない!!!」


ゴン。



楽しんでいただけたら嬉しいです!

もしよければ、ポイントを入れていただけると、とても励みになります

また次回もよろしくお願いします!

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