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ウォンツマンZERO  作者: ビヨンド裕P
愛知県編① 龍の目醒め
19/20

第17話 帽子の男

三香が元男性だと知りショックを受け、ホテルから失踪する裕二。一方その頃、愛知県名古屋市の小さなライブハウスから、新たな事件が起きようとしていた。

愛知県名古屋市『名古屋地下ライブハウス』PM19:23


「うおおー!!」


「超絶かわいい聖奈!!」


「あずあずーロリかわすぎ!」


小さいライブハウス内に、男たちの野太い声援が、響き渡る。


「もっこり股関がコンプな女の子」


「オカマじゃないのにー疑いの目ー」


ウオウオー


「モリマン!モリマン!わたしのマンマンーデカ・モリ・マン〇!!」


「胸の高鳴り股関の疼きもう止まらないよ」


「あなたが大好きモリマンガール」


少し薄暗いステージで、アイドルの格好をした2人の少女が、なんとも言えない気分になる歌を熱唱していた。少女たちの下品と過激が混ざりあう、アグレッシブなダンスに乗せられ、ハウス内の盛り上がりは最高潮に達していた。


「みんな今日は、ありがとうー」


赤いカチューシャをつけた、黒髪ロングの少女が、ファンの前で叫んだ。


「せいなー」


「愛してるー」


ファンたちの声援を受けて、客席から聖奈と呼ばれる少女が、ニコニコしながらステージの上から、客席のファンに向けて笑顔で手を振る。


「今日は、満足したビラメ?」


聖奈よりも小柄な少女が、手に持ったマイクを客席に向けて声を張る。


「満足したビラメー!!」


「ビラビラマン○!」


野太い声が、やまびこのように返ってきた。中には放送ギリギリのワードも混じっていたが、なんとなくスルーされていた。


「あずあずも、超満足したよんりんバイク!」


「ブルン、ブルン!」


あずあずの意味不明な語尾に反応して、よく訓練されたファン達が、バイクの効果音を一斉に叫ぶ。


「次は、東京だよーみんな来てね!」


「約束だからねりま区は埼玉」


2人のアイドルがそれぞれ叫び、手を振って舞台裏に引っ込んで行く。ハウス内には、ライブ終了のアナウンスが流れ、続々とファンたちが帰る準備を始めた。


「お疲れ、2人とも。あずきちゃん、今日もいたね…例の危ない追っかけ君」


「あれは、れっきとしたストーカーなのでスフィンクス取り締まり希望だわさ」


マネージャーは舞台裏からそっと、客席の左奥に佇む、地味な見た目の黒いメガネをかけた青年に目をやる。あずあずも、マネージャーの視線を追っかけ、客席に目を向ける。


「次は東京か…どうやって、資金を捻出して行こうか…」


中○ドラゴ◯ズの帽子をかぶった、黒いメガネの青年がボソッと呟やき、顔を上げた。そしてカバンを持ち上げ出口の方向に足を向けた。


マネージャーやあずあずとは別に、もう1人、奥の方に立ったまま、中◯帽子をかぶる青年がとぼとぼと歩きながら、ライブハウスを出て行く様子をそっと見つめる、怪しげな男がいた。


「目標、ライブハウスを出ます。オペレーションドラゴンを実行します」


怪しげな男は誰かと電話しながら、懐にそっと手を入れ、ウォンツドライバーを取り出した。そしてゆっくりと、○日帽子の青年を後を追いかけ始めた。


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