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幻想い足跡  作者: うさぎ
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偽りの恋人

 エルトン宇宙国の中にある、銀河団で構成された巨大な木の家。門前の古い落華樹にはピンクの花が満開で、春風がそよぐ......落華が風に舞い散る。これはエルトン宇宙国に恒久不变の風景だ。


「ただいま。」ユーナは家のドアを押し開け、全身の力が抜けたようにソファにぐったりと横たわり、足元のハイヒールを乱暴に脱ぎ捨てた。この靴は朝からずっと彼女を苦しめていた。


「おかえり。」本を読んでいたイニンは顔も上げずに答えた。冷たい声のトーンが、もともとさほど温かくない日常に、さらに一筋の寒さを添えた「どうしたの、デートはうまく行かなかったの?」


 声は冷たく響いたが、ユーナはその中に隠された気遣いを聞き取った。そしてソファの反対側に移動し、頭をイニンの膝の上に載せた「そうじゃないよ......心配してくれてありがと~イニン~。」

 ......

 ......

 エルトン宇宙国の、無限の全実在宇宙から構成される四季の法則が、この巨大な宇宙国家に春夏秋冬をシミュレートする。爛漫なる春が終わり、夏が訪れた。


「げっこう......あなた、背が伸びたね。わたしたち、出会ってからもう四年になるよ。」ユーナは慈しむようにげっこうの頭を撫でた。げっこうは目を細め、その優しい撫でられるのを楽しむかのように、ユーナの胸の中でくつろいでいた。


「でも、あなたは伸びていない。」げっこうの言葉は相変わらず簡潔だった「ごめんね......。」


 ユーナは少し理解できない様子だった「ごめん?何を謝ってるの?」


「もうその必要はないわ。」げっこうの優しい目が一瞬にして冷酷な赤色に変わり、瞳に殺意が走った。一道の白い光が稲妻のようにユーナの首へと切りつける。


 ユーナは心底驚き、反射的に手でその白い光を掴んだ。手のひらに痛みが走り、げっこうが血の付いた太刀をユーナに向けているのが見えた。刃には真っ赤な血が滴っていた......ユーナの手のひらは鋭利な太刀に切り裂かれ、血痕が残っている。


 ユーナは信じられないという表情で、太刀の血糊をじっと見つめた「げっこう......あなた......何をしてるの?変な冗談はやめてよ…怒ってるからって刀で斬りつけることないでしょ......。」


「あなたがオリバ宇宙国で懸賞金がいくらか知ってる?『悪魔』であるあなたに近づくために、わたしは長い間準備してきたのよ」げっこうはクロスボウを取り出し、その表情は矢のように冷たかった「これが何を意味するか分かる?わたしはもう......あなたの恋人を演じる必要はなくなったの」


 ドン!


 爆発水晶を装着した、一つの多元宇宙を粉砕するに足る弩の矢がユーナの胸元へと猛烈に放たれ、恐ろしい威力の爆発がユーナの姿を飲み込んだ......煙が散ると、ユーナは爆発のクレーターの底に横たわっていた。


「あらあら…本当にみっともないわね、ユーナ。『悪魔』がこんなに弱くなっちゃったの?」げっこうはクロスボウをしまい、太刀をしっかり握って前へ進んだ。赤い瞳には復讐の炎が燃えていた「この姿も久しぶりに使うわね......。」


 ユーナは無表情でクレーターの底に横たわり、こめかみから流れる血が視界をぼやけさせていた…過去の一幕一幕が次々と彼女の目の前を駆け抜け…そして粉々になる。


「ふ…ははははははは~はははは~はは!!!」涙が止めどなく溢れ、べとべとした血と混じり合って流れ落ちた「全部......嘘だったの?今までずっと......騙されていたの......?」ユーナは立ち上がった。全身傷だらけでも、彼女の気勢を覆い隠すことはできなかった。


 げっこうの表情は変わらず、太刀を手に一歩ずつ近づく「そうよ!わたしは『悪魔』を狩る狩人......げっこうよ!」


 げっこうは右手に刀を持ち、左手で一筋の白い光を放った。ユーナは手を伸ばし、恐れることなくその白い光へ掴みかかった。げっこうの口元がほんのりと上がる......。


 パン…白い光は空中で爆発し、げっこうは極めて速い速度で突進してきた「居合斬!」


 白い光の妨害を受けても、長年の戦闘本能によって、ユーナは軽々とこの斬撃をかわした…どの『悪魔』が生まれつき戦いに慣れていないというのか?結局のところ、虚無宇宙全体から嫌われている『悪魔』なのだから......。


 げっこうはユーナがこの一撃を避けられると最初から予想していたようで、すでに構えていた左手がさらに速い速度でユーナの首を掴み、彼女を地面に叩きつけた「どう?感じは?」

 げっこうの赤い眸には復讐の欲望が満ちていた「今までずっとあなたを殺すために近づいてきたってこと、知らなかったでしょ?偽りの恋愛に弄ばれて......哀れな『悪魔』、見るに堪えないわね。」


「あなたの光......イニンのには......全然及ばないわ。」ユーナが突然笑うと、その姿は砕け散った......。

 ......

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