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ダウナーお姉さん(偽)魔術師は現代世界で帰還した勇者を差し置いて無双する  作者: ゆきゆき
Interlude I:Lost Memory No.10987

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8/10

Ep.8 終臨歴4年、1月9日。最後の砦にて。

◇???


 それは、異なる世界すら見渡す眼を持つ大悪魔が見た光景。



 巨獣がひしめく異様な世界は発展を遂げ、機械と魔法の力ですべてを支配した。

 だがしかし……それを滅ぼしたのもまた機械だった。



『ハンター、聞こえるか? また機械兵が破壊された、もう残機が少ない。それに奴が処刑した人数も一千万を超えた。次の作戦を……』

「聞こえてるよ。分かってる、だが……もうあたし達には無理だ。奴はそもそも戦える存在じゃねぇ」


 ドローンから送信された戦場の動画には、無数のマネキンのような存在が映っていた。

 それらは圧倒的な速度で機械兵たちを翻弄し、破壊している。



「もう……諦めるしかねぇ」

『お前らしくないな? お前は最後まで諦めないと思っていたが』

「諦めなかった結果がこれだ。わざわざあたしが反抗しなきゃこうはならなかったかもしれねぇ」


 奴らの目的はあたしだしな、とハンターと呼ばれた者……顔に6つの傷を刻んだ白髪と青目の女が付け加える。



「そりゃあたしだって長生きしたい……いや、むしろ永遠に生きたい。けどそのために他の奴らが死ぬんだったら……あたしが死ぬべきだろ?」

『お前が死ねば悲しむ者は大勢いる』

「大勢? もう残ってる人類は1万人を切ってるっていうのにか?」

『……』


 だがしかし、自らを犠牲にして終わりというのは少々いただけない。

 自分が死ぬくらいなら相手も巻き込んで自爆する———それがハンターと呼ばれた彼女の考え方である。



 彼女は机の上に置いてあったナイフを掴み、通信している相手に向けて口を開いた。



「最後に本気で戦ってやる。それで負けたら……仕方ねぇ」

『……お前が死ねば、私は悲しい』

「しゃーねーだろ人類滅んじゃうんだから。それに……」

『それに?』

「あたしがやれなかったとしても、誰かが奴をどうにかしてくれる」

『それはどういう……』

「じゃあな、来世で会おう」


 通話相手が何かを口に出す前に、彼女は通信を終了した。


 そしてそのままの足取りで拠点の地下へと向かった。



「うーん、まだ動くかな……お、大丈夫そう」


 そうして彼女は、地下に眠っていた一機のアンドロイドを起動した。



『ハロー、マスター。ご命令を』

「……このデータをすべて保存しろ。メモリーに全部だ。それと、なるべくこれまでの記憶も維持しろ」

『了解いたしました』


 彼女はそのアンドロイドと手を合わせ、自らの持つデータをすべて送信した。



『保存が完了いたしました。次のタスクはなんでしょうか?』

「そうだな……あたしのために死ね、って言ったら怒るか?」

『いいえ。私はマスターに従います』

「……ありがとう」


 ハンターはその場で立ち上がり、部屋の隅にあった機械を起動する。



「うまく動くかは分からない。理論だけだし、まだ実験もできていない。有機物は耐えられないけど、無機物なら耐えられるかも知れない」


 そうして彼女が、その機械から遠隔で魔法陣を起動する。

 彼女と、その仲間たちで考案し、制作した世界間移動の魔法陣。



「その記憶を保持するんだ。そしてこの魔法陣で移動した先でそれを伝えてくれ。上手くいけば、その世界で最も頼りになる奴の元に行けるはずだ」

『しかし、この方法では成功率が……』

「あたしのために死んでくれ。成功する可能性は低い。お前はほとんどのメモリーとデータを失い、機能の中枢すら消え去るかもしれない。だがやってくれ。あたしのために」

『了解しました』


 そう言われたアンドロイドが、自ら魔法陣の上へと足を運ぶ。


 魔法陣が光を帯び始めた。



『マスター』

「なに?」

『私はマスターのこと、好きでした』

「……そっか」


 2人とも、目は逸さなかった。



『行ってきます』

「行ってらっしゃい」


 そして、その機械人形は姿を消した。

 残ったのは焼け焦げた魔法陣だけ。



「さて、うまくやってくれよ?」


 ハンターは小さく呟いた。

 それからゆっくりと踵を返し、地上へと続く階段を登り始める。


 上からは機械が軋む音が聞こえてくる。どうやらすぐそこまで来ているらしい。



「さて……」


 彼女はナイフを握り直す。



『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』


 砦の扉が開かれ、そこから無数の敵が現れた。



「さぁ……お前ら全員ぶっ殺してやるよ!! あっははははぁ!!」


 ナイフを黒い光が覆い、彼女の身体は超高速で軌道を描く。


 マネキンのような敵たちは、一瞬でその半数が砕かれ———残りの半分の首が飛んだ。



「ははははは! おいおい、これで終わりかぁ!? あぁ!?」


『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』


 次元の壁を破壊して増援が現れた。

 先程は100体程度だったマネキン型の自律機械が、今度は200体ほど。



「〝カオスナイフ〟ッ!!」

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』


 黒い稲妻が周囲の全てを覆い尽くし、またもやすべての敵が消し飛んだ。



「脆い、脆すぎるぞゴミ共が!!」


『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』


 だが、増援はまだ増えていく。

 次元の扉はさらに広がり、次は数千体の敵が彼女の頭上へ降り注いだ。


 遠くから魔力の砲撃を放つ者もいる。



「上等だよ、あぁ!? 全員掛かってきやがれ!」

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎』



 そして、彼女は無謀な戦いへと飛び込んだ。



 もう一方では———









◇???


「親方! 空から美少女ロボが!」

「おいおい、そんなことあるわけ……うわ、マジ? ユキちゃん最近変なの拾いすぎじゃない?」

「サキちゃん、この子解析しようよ。ほぼ全壊してるけど……きっと私たちならいける。そう、ダウナーお姉さん2人の力があれば、ね」

「アタシってダウナーお姉さん枠なの? サクラとか狂夜とかじゃない? そういうのってさ」


次回:Chapter 2開始


よかったら☆☆☆☆☆してってね!

マジで喜ぶので

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