Ep.6 今ダウナーお姉さんのことクズって言ったか?
トントン
スッ(『クズ主人公』タグをそっと指さす)
『む? 陰陽師の刺客か……なるほど、1人で充分、と。舐められたものだな』
「おいおい、むしろ私が来るなんてめちゃくちゃ怖がられてるだろう? そう、このダウナーお姉さんが来るということは、お前の運命は決ま『なんなのだ貴様!?』
陣地を背後から襲おうとしていた妖魔。その外見は非常に特徴的だった。
鋼のような筋肉に覆われた、巨大な人型。
その頭部には鋭利なツノが2本生えており、髪も長い。0.01ダウナーお姉さんってところだ。
知能もあるらしいし、やはり何者かの差金か。
『ええい、気が散る男だ……「ダウナーお姉さんね」黙れぇぃっ!!』
鬼みたいな表情でこちらを見つめる妖魔。鬼か。
私はにこにこしながら妖魔の顔を見つめている。こいつこんな身体デカい癖して結構イケメンなの面白いな?
「その顔をギタギタにしてあげよう」
『ふん、貴様なんぞに我が祓えると?』
「そりゃもちろん」
生まれてこの方負け無し、常勝無敗のダウナーお姉さんといえば私のことよ。
「遊んであげよう。〝昇華〟」
『舐めるなァ!!』
鬼の拳が私の元へと振り下ろされる。
コンマ1秒すら経たずに私のめちゃくちゃすっごい美しい顔が殴られたが、そこに傷ひとつない。多分。感覚的にはない、はず……あったら〝浄化〟でも使おう。
「顔のマッサージってやつ? シワになるとか言われてるからさ、そんなに受けたくないんだよね」
『なっ……!』
「〝反射〟」
『ぁガッ!?』
ぐしゃり、という音と共に、スーパーボールみたいに吹き飛んでいく鬼の妖魔。
私は動いていない。単にさっきの衝撃が10倍くらいになって〝反射〟されただけだ。
「最近はフルダイブゲームとかがあってさぁ、結構そこで満足してたんだよ。でもやっぱり……」
『ぐぁ……ッ!?』
「弱いものいじめって、楽しいよね」
『ぎっ!? き、貴様ァ……絶対に許さぬぞ!!』
鬼のツノをばきり、と踏み砕く。
〝昇華〟で私の身体能力は上がっているので、こういった硬い敵だろうと簡単に破壊できる。
まぁ直接殺害できる手段もいっぱいあるから、舐めプと言われたら反論はできない。
「頂点まで行って来い!!!」
『ぐはっ……!!』
妖魔の身体を蹴り上げ、その巨体を空へと打ち上げる。
「〝修正〟」
『な、何を……』
妖魔の身体が〝修正〟され、みるみるうちに蹴られる前まで再生していく。
自分で言うのもなんだが、いくらなんでも舐めプがすぎるのではないか?
まぁいいか!
「〝天終〟」
私が掲げた右手の上に、真っ赤な剣が生成される。
その刀身は非常に鋭利で、まるで斬り殺した敵の血に染められたかのような真紅に光り輝いている。
私はカッコつけて右手の指を鳴らす。
同時に剣を制御し、その切先を空中に打ち上がっている妖魔に向けた。
剣は下へと急速落下し、そのまま鬼を巻き込んで地に堕ちる。
「あははははっ!! いいね、そこそこ頑丈だぁ……とりあえずこの百鬼夜行が終わるまでは持ってくれよぉ……? 最近サンドバッグ不足なんだ、私のモノになってくれたら嬉しいな?」
『か、はっ……』
「ほら、なんか喋れよ。なぁ!?」
ぐしゃ、ぐしゃ、と鬼の顔面に何度も何度も何度も何度も何度も蹴りを入れる。
20回毎に〝修正〟で回復し、反撃しようとする気配があれば頭を斬り落とす。
妖魔というのは人間なんかよりよほど頑丈だ。魔人も似たような性質を持っているが、頭を斬り落とされようと生き残ることができる。
その本質は呪力生命。魔力生命ともいう。
本体がエネルギーなのだ。人間とはまったく違う組織で構成されている。心臓のような臓器があったりと、人と近しい部分もあるが……そこを崩されようと致命的ではない。
「〝淵———『舐めるな小童ァッ!!』
叫びと共に、鬼の妖魔から衝撃波が放たれる。
なるほど、ただ蹴られるだけの雑魚ではない、と。
「いいねいいね、私は反抗的なヤツも好きだよ。分からせがいがあるからね」
『とんだ破綻者が居たものだ。お前ほど壊れた者は見た事がないぞ』
「お、その言い方……やっぱり今発生したワケじゃないんだね? となると黒幕がいるって事だ」
『そのくせ頭も回るか、やはり貴様は危険だ。本気で葬らせてもらう』
「変身? やらせるとでも?」
『貴様は好奇心に負ける、そういう賭けだ』
正解^^
もっと強くなるんなら大歓迎だゼ☆
『主よ、我に力を……【接続:秘匿世界】【深層迂回】【根源転送】———ゆくぞ、《神鬼誕造》』
目の前の鬼の身体が、まるで世界そのものが軋むように膨張していく。
鋼の筋肉がさらに隆起し、ツノは2本から4本へ。
身長は2倍近くに達し、その眼光はまるで業火のように赤く燃えている。
空気が変わったことがはっきりと分かる。
さっきまでとは比較にならない圧力。
辺り一帯の木々がその重さに押し潰されるように傾いでいく。
これは……倍率で言えばかなりのものだ。
『さぁ、死ね』
その一撃で、大地が割れた。
鬼の右腕が振り抜かれた軌跡に沿って、地面に深い亀裂が奔る。
衝撃波が山肌を削り、土煙が空まで巻き上がる。
土煙が舞い、私の身体に拳の衝撃が与えられた。
あまりにも巨大な一撃だが、それだけでは終わらない。
二度目、今度は両腕だ。交差するように叩きつけられた一撃が、周囲半径数百メートルを抉り取る。
木が、根ごと吹き飛んでいく。
三度目、四度目、五度目……
連撃が嵐のように叩き込まれ続ける。1発ごとに地形が変わっていく。さっきまで私たちが立っていた場所はもう原形を留めていない。
それが……およそ30秒ほど続いた。
『はぁっ、はぁっ……ククク、これが根源の力……! ふはははは! 素晴らしい……素晴らしいぞぉ!』
「あぁ、凄い! 素晴らしいね!」
『はははは、は……!?』
土煙の中から、ぱちぱちと拍手をしながら私が現れる。これ1回やってみたかったんだよね。
「でも、自分が調子に乗ってる時に笑うのは良くないね。慢心ってのはいとも簡単に足元を掬ってくるからね」
『貴様が言うのか……!?』
「ま、しかしもうお別れだ」
『なに?』
どうやら百鬼夜行の方は鎮めたらしい。ユウくん大活躍だってよ。
となればもう遊んでいる暇はない。なぜなら怒られてしまうので。
「楽しかったよ」
『ま、待て……やめろ……』
「〝⬛︎⬛︎〟」
『ぁ———』
今更だけど、この小説『ダウナーお姉さん』を掲げてるわりに全然ダウナーじゃないな……まぁ元から偽物だし、いっか!
あ、☆☆☆☆☆してくれると作者が非常に喜びます。普段やらないって方も、ぜひ
簡単にできるので




