↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自己肯定感の低い女子を褒め続けたら人気者になったので距離を置くことにした  作者: シゲ ノゴローZZ
雨宮視点

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/110

第99話 美人局(雨宮判定)

 鳩山君、お願いだからこれ以上その女を増長させないで。ホス狂いが刃傷沙汰起こすのって、ホストが深いところまで足を踏み入れた結果だと思うんだ。一部の例外を除いて、初っ端から暴走する女はいないはず。いるならいるで、尚更手を引いてほしいところなんだけど。


「そうだね。そう言えば今日は雰囲気が違うね? なんか髪がフワフワしてるような気がするよ」

「あっ、わかるー? 例の美容院の予約が取れてさー」


 ……コギャルの『可愛さと美しさ兼ね備えてる?』って質問に対してイエスと答えたことも腹立たしいけど、髪の変化に気付いたことはもっと腹立たしい。クラスメイトが私達三人だけなら気付くかもしれないけど、三十人以上はいるでしょ? 一匹一匹の変化なんて、普通気付かないでしょ? 実際私は全然気づかなかったし。 え? もしかして日頃からその女のことを見てたの? 認知してたの? モブの一人って扱いじゃなかったの? 話が違うんだけど?


「見ただけで手触りが良いってわかるよ」


 ……何を言ってるのかな? 自分が何を言ってるか分かってる? ただの褒め言葉のつもりなんだろうけどさ、鳩山君にそれを言われた女がどう出るかぐらい、ちょっと考えたら分かるでしょ?


「そー思う? じゃあ、答え合わせしてみ」


 そう! こうなるんだよ! 普通の男子に触られるのは嫌でも、鳩山君になら触らせてもいい……むしろ触らせたいって、思っちゃうんだよ。大体コギャルなんて承認欲求の塊だよ? 勉強とかスポーツで目立つことができないから、メイクだの整形だので目立とうとしてる哀れな生き物なんだよ。男遊びだって、自分の存在意義を証明するための行動なんだよ。女ってのは男を作ることで、自分に価値があると思い込みたいんだよ。私はそうでもないけど。


「ほれほれほれ」


 何この女? 髪を手に取って鳩山君の顔の前で動かしてんだけど、ちょっと気持ち悪くない? どんだけ必死なの?

 鳩山君、ダメだよ? 当たり屋みたいな感じで『髪は女の命だよ? それに触ったんだから、責任取らなきゃね』とかほざくんだよ、どうせ。髪触られたところでマイナスないじゃん。当たり屋ならリスク背負いなよ。ジギリもかけられないくせに、人の男取ろうとしないでほしい。


「ハハハ、やめてくれよ。良い匂いが漂ってくるから」


 鳩山君……! 触らないで受け流すってのは偉いけど、良い匂いがどうとか余計なことを言わないで! あからさまなお世辞でも増長するってことが、どうして分からないの!? そいつは京女の皮肉を褒め言葉だと受け取るタイプの女だって! ぶぶ漬けのおかわりを要求するタイプだって! 逆に京女と仲良くなるタイプだって!


「良い匂いならいーじゃん。ほら、早く触りなって」


 しつこいなぁ! 同意してるように見せかけて、後でしらを切るつもりなのが透けて見えてるよ! 細かい会話内容を忘れた頃に『勝手に髪触ったんだから、責任取って付き合ってよ』とかアヤつける気でしょ! 鳩山君みたいな優しい人をカタにハメようだなんて、良心の呵責がないの? 言っとくけどね、戦争だって最低限のルールがあるんだよ? 私からのカエシをくらう覚悟があるんだよね? 豆泥棒が死罪なんだから、棒泥棒も死罪でいいでしょ。本当のジギリってのを見せつけて……。


「そこまで言うなら……」


 ちょっと!? 鳩山君!? ダメだって! バカなの!? そんなんじゃこの先、危ないヤツにハメられるよ? 懇親会で記念写真撮られたせいで、反社と縁を切れなくなった人なんてごまんといるんだよ? 世間知らずは何も知らずに幹部っぽいポジションに座って写真撮られちゃうんだよ?


「おはよう、鳩山君」

「あっ、おはよう」


 さすがに割って入ることにした。鳩山君、これで貸し一だからね?


「おいっす、雨宮さん」


 盗人猛々しいとはこのことかな? 泣き入れるわけでもなければ、ラッパを吹くわけでもない。豪胆……というより、私を舐めてるんだろうね。まあ、気持ちは分からないでもないよ。このコギャルは自分の方が可愛いと思ってるみたいだし、実際それは正解だと思う。でもね? 鳩山君は変わり者だから! 何故か私のことしか興味ないから! いい加減悟ってくれないかな!


「……おはよう。ゴメン……そこ私の席……」

「あっ! わりー、わりー。じゃあねっ」


 ……余裕ぶってるなぁ。ことの重大さを分かってないだけなんだろうけど、哀れみより怒りがきちゃうね。毒親に追い詰められて事件を起こした子どもがいたら哀れみを覚えるけど、自分が被害者になったら怒りを覚える。これもきっと同じことなんだろうねぇ。ふぅ……深呼吸、深呼吸。この一件はまだ終わってないんだから、冷静にならないと。


「今日は遅かったね、雨宮さ……」

「楽しそうだったね、ポッポちゃん」


 絶対逃さないよ? ここらで軽くヤキ入れないと、同じことの繰り返しだもん。私のメンツなんてどうでもいいけど、このままじゃ悪い人に空気を入れられてムショ送りなんて展開もあるからね。特に鳩山君の場合は、美人局にかかる可能性も高い。いや、厳密に言うなら、美人局のスケが本気になっちゃう可能性が高い。なんにしたって、私がここで矯正してあげないとね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。