2話
左の道を歩き始めて少し経った頃ようやく道の先に人がいるのを見つけた。
「ん?あれは人か?三人いるのを見ると冒険者か?冒険者だともしかしたら俺の事を知ってる可能性があるな、、」
キルはそう考えるが実際には長く森で暮らしていた為、昔は最重要危険人物として名前と人相書きの手配書が出回っていたが全く姿を現さない事からそれも徐々に減っていっていた。
今まで森にいた俺を久々に見かけたあの人達が俺をピンポイントで災厄だと気付くものか?
気付かない可能性のがはるかに高いはずだ。
とりあえず声をかけてみるか。
キルは三人に追い付く為に足を速めた。
「なぁちょっと聞きたい事があるんだがいいか?」
見た限り男ニ人の女一人のパーティのようで実力はそれなりありそうだな。
三人はその声に反応し振り返った瞬間武器を構えその内の一人が声を出した。
「誰だ!?お前は何者だ?」
赤い短めの髪をした黒眼の筋肉質な男が答えた。
いきなり武器を構えた三人を見てキルは少し動揺するが訳を話す。
「ちょっと待て、いきなり武器を構えるな。
ただ聞きたい事があったから声かけただけだ」
それを聞き三人は武器をおろしたが警戒はしているようだ。
「俺達はここらで盗賊が出たと聞いて盗賊の討伐依頼を受けてきた冒険者だ!」
これはなんともタイミングの悪い、、
こんな道で聞きたい事があるなんて話かけたら盗賊の一味だと思われるのも仕方ないか。
「俺はただの旅人で近くの村か町を聞きたくて話かけただけなんだが、盗賊の討伐依頼を受けてる人達に声をかけるとは思わなかったけどな」
キルの言葉を聞き三人は顔を見合わせた。
「そうだったか。
すまないなこの近くに盗賊がいるとわかってると怪しんでしまうんでね。
とはいえ君が盗賊の一味じゃないという確証はない。
この先に二十分くらい歩くと小さな町が見えてくるその町の冒険者ギルドで日が暮れ始めたくらいの時に待っててくれないか?
その時にお詫びに一杯奢ろう」
「なるほどな。
盗賊がギルドの中にいられるわけないしな。
俺からしたら町の場所聞けたからそれだけで十分だが、まぁわかった。
ギルドで待ってるさ」
こうしてキルは町に向け歩き出して行った。