ROG:3-1/嘘偽りと虚ろな真実
今回からちゃんとR-15らしい話です。
ずいぶんと狸寝入りが上手くなったものだなぁ、と笑う。監視カメラを付けて正解だった。
「僕」はむさ苦しい部屋を出て、適当な部屋に入る。後ろからつけられている事は分かりきっていた。
しばらくして、静かにドアが開けられる。
「……やぁ。こんな時間まで起きてる悪い子はお化けにさらわれるって小さい頃に聞かされなかった?」
「聞いてない。昔からボクは文学作品ばかり読んでたからね。塾で初めて書いた読書感想文はウィリアム・シェイクスピアの『リア王』なぐらいだ」
クロトは「僕」を睨みつける。その視線があまりにも負け犬にそっくりで、優越感を感じた。
「ふーん。だからそんなに根暗なんだねぇ。
……何か用があって来たんでしょ?早く言いなよ」
「隠している事を話せ。それだけだ」
一瞬で間合いを詰められる。物騒な事にナイフまで構えていた。本当に容赦がない、実は澪の夜話を聞いていなかったんじゃないかと疑った。
しかし、いつまでもあの目で見られると興奮して頭がおかしくなりそうだ。実際もう脳の半分近くはやられていた。
「仕方ないねぇ。まぁ、いつかはこういう日が来るとは思ってたけどさぁ」
左手の人指し指を下げる。
__認識系統の操作、100%停止。
きっと驚くだろうなぁ。澪だったら自分の頬をひっぱたくかも。
「な……」
地面につきそうなぐらい長い白い髪に、白ランと純白のスカート。
今の彼女には、きっとそう見えているだろう。
「驚いた?……僕、本当は女の子なんだよねぇ。「寝」るに「無」いって変な当て字もしてたけど、本名は八王子ネムでカタカナ」
知られた以上は、今までのお返しをしなければいけない。ビンタやら何やらされると、なかなかに痛いのだ。
ギリギリまで詰められた距離を見て、首筋に噛みつく事にした。
「あっ……やめっ、ん……」
僕が歯を立てる度に、肩を震わせて痛みに耐えている。……本当に13歳なのか、この子。声がやらしい。
流れた血を舐めると、微かに薬品っぽい味がした。
「なんでっ、こんな、……あっ」
「今までの仕返し。痛い?本当はこれ以上しても済まされないぐらいだけど、喘ぎ声が可愛いから今日はこれぐらいで許してあげる」
「……女でも最低な事には変わりないね。インモラルが過ぎるよ」
「女だと知らずに暴力振るってた子がそんな口叩かないでよねぇ。いっそ塞いじゃおっか?」
反撃される前に、肩で息をする彼女の唇を口で塞いでやる。苦しそうに酸素を求めるクロトの顔は本当に可愛くて、ずっと見ていたいぐらいだった。けれどいつまでもそう言う訳には行かないので、ワイヤーで縛って椅子に座らせてやる。
「……こんな事、して欲しいなんて、一言も言って、ない……」
頭の中を覗いてみると、全く同じ事を考えていた。こういう所だけは素直だから、後一歩で興が冷めてしまう。
「本当みたいだね。いいよ、話してあげる。僕は機関側の異能者だった。そして……」
「__『君を今の身体に改造した悪者』で、君が前に話してくれた『君を助けたヒーロー』だ」




