表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神力の少年兵  作者: 夢野楽人
第二章 動乱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/71

モノローグ クララ2

 午後からは質疑応答式の授業となり、女性達の質問に私が答える。

 ちゃんと受け答えができるか、やや不安ではあった。そして授業が始まる。


 トップバッターは、東雲大尉だった。


「男についてお聞きしたいのだが、アラシ司令は『野獣・強姦魔』など、男性を否定する言葉ばかりを口にされる。確かにやってきた傭兵団はクズだったが、世の男達はろくでなしばかりなのだろうか?」


「それは一部の男達で、真っ当で立派な方もいます。皆さんと同じく、私も事務所の所長に命を救われています。これは男女関係なく、人としての在り方の問題で、善人もいれば悪人も世の中にいます。たぶん、『悪い男に気をつけろ!』と言ってるのだと思います」


「なるほど、納得した。やはり司令はお優しい」

「うんうん。ここまで我らを思ってくださる方は、他にはいない」


 彼女達は嬉しそうにしていた。どうやら掴みは良かったようだ。



 ――ただ、問題はここからだった。


「それでは次の方」

「はい、はーい!」


 少女達が大きな声で手を上げ、矢継ぎ早に質問してくる。


「キスって、どんな味ですか?」

「え……」


「男の人を勃○させるには、どうすればいいですか?」

「ええ――⁈」


「S○Xをしたことはありますか? 最初は痛いって、本当ですか?」

「あわわわわわわ!」


 まさかの質問にびっくりして、私は完全に取り乱してしまう。


 性教育なんて聞いてない! 


 恥ずかしい質問に答えられず、私は完全に固まってしまい、見かねた東雲大尉が声をかけてくれた。


「すまない、クララ先生。もう少し話しておくべきだった。我らはアラシ司令に恩を返したいと思ってるが、司令は何もお望みにならない。だからせめてお子を授かり、偉業を後世に伝えて、いつまでも称えたいのだ」


「それで、子作りの話になるわけですね……」


 東雲大尉が肯くと、獅堂大尉がクスクスと笑いながら言う。


「とまあ志乃はそう言ってるけど、みんなアラシのことが好きで、子供が欲しいのよ。これって女の本能よね。ホムンクルスでも子供は産めるようだし、だから私達は親衛隊を組織して、大家族計画(・・・・・)を進めてるの。アラシが成長するのを待ってる」


「司令がセッ……できるまで後4、5年はかかる。その間に準備を進めたいので、性に関する知識が必要なんです。だから、クララ先生にお聞きしたかった」


「……そうでしたか」


「雄と媾って子供を産むニャアアア!」

「この手で自分の子を抱きたい!」


 獣人と少女達がはしゃぎ出す。性に強い関心を持ってるのだろう。

 子孫を求めるのは、生き物として自然な本能だ。女にしか子供は産めないし。


 ただそうした経験が全くないため、私は姓について教えられないのだ。

 それでも断ってしまうのは悪いので、別な提案をした。


「皆さん、ごめんなさい。私は男性とお付き合いしたことがなく、経験もありませんので、人から聞いた話で良ければお話しします」


「それで構いません、よろしくお願いします!」


 全員が一斉に頭を下げてきたので、もはや教えるしかなかった。

 知り合ったきっかけとか、どう付き合って結婚したかなど、知り合いの話を私は語る。

 また妊娠・出産・育児に関しても、知ってるかぎりの事を話した。


 又聞きなので実に曖昧だ。それでも彼女らはメモを取りながら、真面目に聞いてくる。

 質問は聞いているだけで恥ずかしくなるような内容で、答える私も口にする度に顔が熱くなる。

 それでも、しどろもどろになりながらも言葉を紡いだ。

 

 もしこれが、

「先生、今日の下着の色は? へっへへへ」

 などと女教師をからかう男子生徒だったら無視できたが、みんな真剣なので、私もそれに応えるしかなかった。


 メンタル・ライフがどんどん削られていく。そして痛いとこも突いてくる。


「美人なのに先生に経験がないのは、やはり大災害の影響でしょうか?」


「え、ええ。生活するだけで手一杯なので、だ、男性とお付き合いしてる余裕はありませんね……」


「なるほど、仕方ないですね」


 私は思わず嘘を言ってしまった。絶対に言えない。

 本当は好きな人がいて、どうしても諦めきれずにいるからだ。

 所長には奥さんがいるので、完全にアウト。

 かといって強引に迫ることもできず、心はズキズキと痛む。


「そろそろ授業も終わりの時間ですね」

「また明日もよろしくお願いします」


「…………はい」


 長い苦悶の時間がようやく終わり、どっと疲れが押し寄せていた。

 私は、めった打ちにされたピッチャーの気分だった。もうライフはマイナス。

 これがしばらく続くのかと思うと、気が滅入る。



「大丈夫か?」


「ええ……何も……問題ありません」 


 食堂で落ち込んでた私を見て、アラシ司令は気遣ってくれたが、何も言えなかった。


 男の人に、「子供の作り方、教えてまーす♡」などと言えるわけがない!


 それでも気を奮い立たせ、空元気を出して頑張ることにしたのだが……


「処女先生! 体位を教えて下さい! できれば実践で‼」


「いやああああああああああっ!」

この作品がお気に召しましたら、ご感想などお寄せいただけましたら幸いです。

今後の執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ