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これが僕の異世界転生⁈ 改訂中!  作者: ヒロちゃむ
僕の異世界奮闘 幼年期 準備期間です!
9/67

 サブタイトルに深い意味書くタイプじゃありませんが…このタイトルも面白いの書くのも難しいもんですね。_(:3 」∠)_

 店主さんに別れを告げて僕達はまた街の散策へと戻った。時々、魔道具のような物を売っている出店を冷やかしたり、美味しそうな匂いをさせる出店で料理を頼んでみたりと楽しい時間を過ごせた。


 たまに店舗に寄ったり、武器屋や防具屋なんかも少し見てみたが少年心をかなり刺激された。カッコイイし少し触ってみたかったが、セシルさん達にブロックされて断念した。


 しかし…私服や傭兵風騎士さん達はいたる所に居る。店舗に入っても傭兵にしては装備や身なりの良い人が数人店にいるし、一般人に見えない平民服着た人達が付かず離れずで交代しながら周りをウロチョロしていた。


 そのせいか僕は油断…いや、ただ気が抜けていたんだと思う。咄嗟のことに反応できなかったんだ。



「暴れ馬だ‼︎」


 屋台で何の肉かわからないが美味しそうな匂いをさせた串焼きを買うため並んでいる時だった。何気に身体強化を癖で発動させていたためよく聞こえたし、よく見えた。


 誰もが反応できず商人が使う大型の馬が暴れ出し、人の静止を振り切りて走り出したのだ。向かってきたのは丁度こちらの方向、僕達は屋台に並ぶため若干馬車通りの近くに出てきてしまっていた。


 物を吹き飛ばし、僕らの方へと走り出した馬は錯乱しており何より危険を察した私服騎士が斬りつけたにも関わらずそれを無視して止まらなかった。


 よく見える僕はその場から咄嗟に離れようとするが、見えているからこそ僕はそれが出来なかった。


 ユミルが咄嗟に動けなかった。馬が向かってくる恐怖からか身体が竦み僕を抱きしめたまま固まってしまっていたのだ。護衛としては失格だが、1人の少女としては当然の反応だった。


 しかしその場においてはそれは僕の枷でしかなかない。無理矢理抜け出すことはできても今の強化度合いではユミル担いで離脱できる程の出力を出していなかった。だから迷ったのだ、逃げるか、助けるか…。

 

 動けないユミルが馬に撥ねられる可能性がある。だからと言ってユミルを逃す時間があるのか既にギリギリのライン。一瞬の逡巡の間にも馬が迫って来る。


(最悪、馬の進行上から逸れれば大怪我はしない…よね?)


 ユミルを屋台側に押してその力で離脱することにした。怪我なら治せるし轢かれるよりはマシだと思ったからだ。


 しかし、僕がユミルを動かすより早くユミルが行動しだした。いや、ユミルが誰かに引っ張られ馬の進行上付近から遠ざけられ始めたのだ。おそらく気付いたセシルさん辺りが引っ張ってくれたんだろう。抱きしめてた僕を離したのはいただけないが…。


 呆気取られた僕ではあるが自由になった身になったことで素早くその場から飛び退こうとする。しかし、ここに来てやっとユミルが反応したのだ。


 離した僕を助けようと、また進路上に舞い戻ってしまったのだ。泣きそうな顔のユミルが必死に手を伸ばして来る。


 だが。この時点で退避はもう間に合わない、ユミルに気を掛け過ぎてほぼその場から僕は動けていなかった。馬はすぐこそまで来ていた。


 思考停止しながらも僕は咄嗟に出せる最大出力の身体強化でユミルを蹴り飛ばした。衝撃でユミルが吹き飛ぶが構ってられない。そのまま馬の方向に両手をクロスさせて防御体制を取る。


 次の瞬間には僕は空中へと打ち上げられていた。錐揉み回転したのか視界がグルグル回り、ガードした腕は視界の中、あらぬ方向を向いていたのが見えた。


 衝撃と痛みのショックで意識が暗転していき。受け身も取れず数mの高さから地面へと激突し、それを見届けると僕の意識は完全に途切れた。





 悲鳴と怒号の飛び交う声で僕は徐々に意識を回復していった。僕はそれが少し不思議に思いながら…直前の記憶を思い出し飛び起きた。


「がっ⁈」


(……あれ?僕生きてる?助かった?)


(なんかおでこが妙にヒリヒリするが身体はなんとも…痛ったぁ⁈)


 と身体を動かそうとすると右腕に激痛を感じた。咄嗟に右腕を見てみると衣服にこそ傷は無いが白かったはずのシャツの色は真っ赤に染まっていた。おそらく、僕の血だろう。状況的に防御に使った腕が折れるなり砕けるなりして裂けて血が出たんだろう。


 がそんな考察はどうでもよく、僕は痛みでゴロゴロのたうち回る。


(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!)


 下が地面なのも気にせずのたうち回りながらすぐに痛いのをなんとかしたくて回復魔法をかけて始める。


「ファーストエイド!ヒール!リカバー!ライトヒール!」


 魔法の収束率など気にせずただ魔力だけ無理矢理大量に込めて回復魔法を連発する。砂と血液で汚れるが、そんなことを気にするより頭の中は痛みのことで一杯だった。


「ヒール!ヒーール!うぅ、痛い〜‼︎」


 何度も回復魔法をかけ続けていると痛みがやっと引いていく。痛くて吐きそうだったが、それはなけなしのプライドでなんとか凌いだ。とりあえず立ち上がりながら周りの状況を観察する。


 無残にも武器を身体中から生やし息絶えた馬。

 巻き込まれでもしたのか僕の近くで伸びてる女性。

 私服騎士達に取り押さえられてるお兄さん。

 へたり込んで動かないユミル。

 野次馬の数々…。

 そして、お兄さんに短剣振り上げてるセシルさん。


(ちょっ⁈)


 何故取り押さえられてるのかとかその人が誰なのかとかわからなくも無いけど訳も聞かないでそれはないでしょう⁈


 転落事件の時はセシルさんを庇ったけど今度はこのお兄さんを庇うはめになるのか…。そして注意するのは前に庇った人とは…。


 僕は歩き出す。状況的にお兄さんの馬が暴れたんだろうけど、事情も聞かないで有罪では可哀想だ。確信的にやったのなら許さないけどね。


 もし無罪の一般人がした不慮の事故だったとしても僕は怪我したし、何もせず釈放にはならないだろうけどね。




復活した僕がセシルさんを静止して話を聞いてみたがやはり暴れた馬はこのお兄さんの馬だった。突然暴れ出し手が付けられなくなったとのことだが何があったのかねぇ…。


 本来は大型で大人しい種であるらしく、何年も前から使っていたがこんなことは初めてのことだったんだとお兄さんは語っていた。


 僕自身には別に嘘を言っているようには見えなかったが事情を共に聞いていた騎士さん達は険しい顔でお兄さんを睨むだけであまり信じて居なさそうだった。


 ちなみに鑑定を使ったら何かわかるかと思ってお兄さんを鑑定してみたのだが…


「人」


 としか出なかった…。他の騎士さん達にも使ったが


「人」

「人」

「人」

「死体」


 最後のは馬に使ったのだが…つ、使えねぇ…。店主やセシルさん達はもっと情報を抜き取れそうなことを言ってたんだけど…。使い続ければそのうちもっと観られるようになるかな?


 個人的には最初僕を見た時


「き、君!怪我は大丈夫かい?ごめん!さっきの馬は僕の馬なんだ!痛いところは?そんなに血が!治療費等ちゃんと僕が払うからちゃんと治療院に行って治療して貰わないと!」


 と怪我の様子を心配し、状態を聞いて安堵してくれたことだし悪い人ではないと思うんだけど、他の人は僕の怪我の原因を作り出したのなら極刑物だと言って聞かなかった。


 お兄さんは僕が立場の高い人の子供だと察したのか地面に頭を擦り付けて謝罪していた。正直そんな事されても一般人意識のある僕は引くだけなんだが…。


 周りには野次馬のも多いし少し場所を移したい。お兄さんとセシルさん達を一時説得して歩き出す。


 ついでにユミルは呆然とこちらを見ていたので呼びかけると僕を押し倒して泣きじゃくった。散々な日だ…。ちくしょう…。


 でもユミルは相変わらずプニプニしたところ多いなぁ…。いい匂いするし…。と現実逃避しながら移動する。


 この最悪な出会い方をしたお兄さんこと商人のショーニンさんは将来、僕の良き取引相手になるのだが僕はそれを知る由もなかった。


ユミルが僕の従者となってからおよそ半年、最近ユミルの様子が少しずつおかしくなってきている。心ここに有らずな時間があったり、簡単なことでミスを連発したりと…少し心配になった僕は探りを入れてみることにした。


「とゆー訳でユミルをこっそり観察ちゅーなのです!」


 と追跡中に時々見つかってしまうメイドさんや騎士さん達にそんなことを言いながらユミルの行動をトレースするため尾行したり近くにいる時は行動をバレない範囲で注視したりしていた。たぶんばれてないよね?


 最初は近衛としての訓練のため、訓練場にて短剣で素振りや型の練習、そして実際に模擬戦をしている。騎士達の掛け声に合わせて刃を潰してある模擬戦用の短剣を重そうに降っている9歳児、なかなか大変そうである。


 その後、僕と合流して付き従いながらセシルさん監修の下メイドとしての作法の訓練兼実践。

 最近僕は父様の書斎から持ってきた魔導書や興味本位で冒険譚を読んでいることが多く、ユミルはその横で文字と計算を勉強している。ちなみに魔法の訓練には僕も付き合っている。 

 ユミルは頭は悪い訳ではないが習うことが多く目を回しながら必死に机と向き合っている。


 まぁ、ユミルが落ち着けるように僕はある程度動かない時間を作っている。でないと勉強時間が睡眠時間を削ってしまうらしい…。それは可哀想だからね。


 その後は僕が寝るまで付き従い僕の就寝後、僕の部屋の隣の部屋で休み、僕より速く起きる。起きたら僕の着替え等手伝い、また近衛のための訓練…。と繰り返しているらしい。


 正直、ほとんど彼女が休んでいる時間が睡眠時間位しかないのだ…。セシルさんはもう慣れてしまっているのか苦に感じていないようだが、子供には辛すぎるようなスケジュールだった。


 それに、セシルさんや他の人達はあまりユミルを褒めないし甘やかさない。最近の不調は疲労と不満とストレスが原因のようだ…。


「とゆー訳でユミルを甘やかすのです!ユミル、お休みないし辛そうです!」


 流石にこれではユミルが可哀想である。子供どころか大人でも辛いようなスケジュールのためこのままでは不調でいつか倒れてしまいかねない…。


「そうですか…では、ユミルのことはお任せします。私にはあの子を立派な侍女にする使命と責任があります。そして母親として失格な私にあの子を甘やかす資格はないのです。」


 セシルさんに相談したところこんなコメントを返された…。セシルさんはセシルさんの考えがあるんだろうが身近な人に甘えられる逃げ道でもなければユミルがダメになってしまいかねない…。 


 他の厳しく指導している人達には悪いが僕はユミルを甘やかそうと思う。これまで、こんなスケジュールをこなしていて音を上げることの無かった彼女であるが気づいてあげられなかった主である僕も不甲斐ないばかりである。



 その日からというもの、僕はユミルに寄り添う形で動くようになった。

 ユミルが訓練場で型や素振りをしていればそれを近くで小さく応援してみたり、少し一緒に剣を振ってみたりした。周りの人達に全力で止められたが…。

 

 訓練の休憩中にはタオルや水を持っていってユミルを労ったり、少し稽古の愚痴を聞いたりと出来る限り彼女のストレス軽減を図った。年齢近いの僕しか居ないしね…。


「ユミル!お疲れ様!はい、これタオルとお水!」


「シ、シルフィ様ありがとうございます!でも、わざわざシルフィ様に届けていただかなくても自分で取りに行きますから…お手を煩わせる訳には…」


「僕…やってあげたいって思うからやってるだけで迷惑だとか思ってないよ?それともダメ…かな?」


「い、いえ!大変嬉しいです!ありがとうございます!」


 少しは気が楽になるといいんだけど…。


 勉強にしても僕も一緒になって勉強した。わからないところを教えあったりしたが正直、ほとんど僕がユミルに教えているだけだった。


 まぁそれはそれで誰かにして貰うばかりで他の人に何かしてあげることがほぼ無かったため僕にとってはとても新鮮な時間だった。


 僕につき従う時間帯も、率先してユミルとお話ししてみたりとユミルと時間を過ごすことが多くなった。ユミルの方も今まで抱え込んでいた物を少しずつではあるが僕に話してくれるようになり、2人でいる時は僕がユミルを慰めるための時間へと変わっていった。


 部屋ではユミルの頭を膝に乗せて所謂膝枕をして頭を撫でてあげるのが習慣になって来つつある。ユミルの髪は割とサラサラで撫でていて気持ちよかったし慰めるにも丁度いいしで役得である。


 ユミルの方も抵抗もせず大人しく撫でられてくれるので満更でもないんだろう。セシルさんは僕達がイチャつき始めると何処かへと消えてしまうが終わる頃には戻ってくる。その気遣いを僕だけじゃなくユミルにも回していればこの人達の親子関係はもっと良好だっただろうに…。


 最近ではむしろ2人きりになるとユミルの方から僕に甘えてくるので大変可愛く思う。甘えられる相手が出来たからかミスやぼーっとすることがなくなっていった。


 僕は今世も前世も兄弟等いないので本当に妹が出来た気分で彼女を存分に甘やかした。最近では添い寝もしている。されてはいない、ユミルが先に僕を抱き枕にして寝てしまうのだ。


 セシルさんは最初渋い顔をしていたが、僕は本当に愛らしいと思った。僕が楽しんでいるのを知ってからはセシルさんは仕方なそうに苦笑いで僕らを見守る様になった。


 僕は別にロリコンと言う訳ではなかったのだがユミルのことを見ていると子供好きな人達の気持ちがわかる気がしてきていた。


 ユミルとは最近、僕の言うことに従順になりつつある。別に悪い訳では無いがなんか依存されつつあるのかもしれない。そこだけはなんとかしないと不味いかもしれないのだが…どうしたもんかなぁ…




sideユミル


 訓練と勉強の日々にストレスが溜まる毎日を送っていく中唯一の癒しがシルフィ様でした。


 訓練中、私達の真似をして剣や槍を振ろうと訓練場に突撃してきたシルフィ様。訓練風景を飽きもせずに眺めておられ、休憩時間になるとタオルと水を持って駆け寄ってくるのだ。とても愛らしい。


 最初こそ自分の好きな本に夢中になっていたようですが、今では私の勉強に興味を持ったのか一緒になって学ぶようになりました。


 シルフィ様は私よりも5歳も歳が下なのに私ばかり勉強を教えて貰っている気がしますが…この歳で魔法も使い熟すんですから、こんな方をきっと世間では天才と呼ぶんでしょう。


 他の時間でもシルフィ様は私を気にかけてくれるのかよく話しかけてくれるようになりました。もしかしたら私の訓練疲れに気付いたのかもしれません。そのためなのかな?たまに私の後ろをコソコソ付いてきていたのは…。


 シルフィ様とのお喋りの時間は私にとってかけがえのない時間です、正直気を使わせているのか申し訳ない気持ちもありますが辞めることは出来ません。


 お部屋に戻ると私にとっては1番幸せな時間があります。シルフィ様がなんと膝枕をしてくれるのです!前に1度私がやったことがありますが気に入っているのかそれ以降私を


「ユミル〜こっちおいで〜」


 とニコニコしながら呼ぶんです。膝枕をしながら頭を撫でてくれるんです!天国ですよ天国!小さなシルフィ様の身体には硬いところなどなく枕にしている脚なんて細いのにプニプニ!癖になってしまいそうです、と言うかもうなってます!


 夜には私をベットに呼んで一緒に眠るようにもなりました。ベットに誘われれば断ってはいけませんよ、とセシル様に言われています。(お屋敷ではそう呼ぶように言われています。)


 本当はこんなことはダメなことなんです。でも知ったしまえばもう止まりません!プニプニふわふわで良い匂いするんです!辞められない止まらない!こうして抱きしめながら眠ると快眠で朝には元気いっぱいなんです!


 わかります?眠る時、そして起きた時私の胸の中に小さな女神様が居るんですよ?無邪気な寝顔で私の腕に収まってスヤスヤ寝ているシルフィ様のお顔を見ていると今日も頑張ろうって気になれるんです。


 明日は何をお話ししようかな?シルフィ様はどんな話しをすれば喜んでくださるでしょうか?


 シルフィ様は街に出たことが無いと聞いていましたし、街での暮らしのことなんてしたら楽しんでくださるかもしれませんね?


 さて、明日も頑張るためにもう眠らなくては…今日もシルフィ様を抱きしめて…おやすみなさい!


 あぁ、シルフィ様は何をすれば私を好きでいてくれるのかなぁ…。


 





 


 

 

 出会い方最悪の商人さん登場!まぁ、商人出した時点でどう使われるのか予想できますよね…。定番…。

 

 人の登場のさせ方わからなくてこんな出会い方に…この先に出て来る人はもう少し劇的な出会い方をさせたいもんです…。


 人に出会う度に何かしら痛い目あわないといけないのかねぇ…←作者の想像力と物語の進め方が悪いだけw

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