溢れ出る悪意
なんと昨日一日のPV数が900超え⁈もう少しで1000に到達するじゃないですか?ありがとうございます!やる気でますね!それでもネタは進みませんがw
とりあえず本編へ戻りますw
千人隊の騎士さん達と本陣まで無事戻ってきた僕らは父様率いる騎士団に保護された。
「よかった!シルフィ無事だったんだね!もう私をこんなに心配させないでくれ…。」
最初に僕を発見して飛び付いてきたので華麗に回避して落ち着いた後父様に涙ながらに言われた。
「父様?僕だって貴族の端くれです。皆の血税で生かされてきたんですから、こんな時僕も戦わないでどうしますか。」
「確かに我々貴族は有事のときは率先して準備をし、戦う義務がある。それは認めよう。だが君はまだ子供なんだよ、シルフィ?その義務を負うにしてもそれはまだ君が大きくなってからだ。それに君は女の子じゃないか…。」
父様は僕に諭すかのように肩に両手を置き僕の顔をじっと見る。僕と言ってしまっていたため一人称を変えながらそれに答える。
「義務に男女なんて関係ありませんよ。私はこの日のためとは言いませんが力は付けてきました。父様も見たでしょう?あの大魔法を。あれは私が使いました。あれのおかげで魔獣達は大打撃を受けて私達の軍勢の士気は上がりました。なら、来て良かったじゃないですか?」
「確かにあれは凄い魔法だった。そのおかげでこの戦争を有利に進めているのは確かに君のおかげだよ。」
父様はそう言って僕の頭を撫でて褒めてくれる。残念ながら僕はコートのフードを被ったままだし親にヨシヨシされて嬉しがる歳でもないが…。
実際僕だけでおよそ三千もの魔獣を倒し更に三千近い魔獣に手傷を負わせている。倒したほとんどがゴブリンやコボルトではあるがそれだけの数減らすことが出来れば兵の損耗はかなり軽減出来る。
その上敵が減り味方に強大な力を持った者がいれば士気は上がりそれだけ戦争を有利に進められた。
戦争はまだ続いているが現在の死者だけでも五千を超えている。だがこれは当初予想された死者よりも少ないのだ。
五千人も死んでいるんだから少ないとは本当なら言えないがそれでも予想では更に千人以上も多い人数が犠牲になると思われていた。それを減らせているんだからシルフィのやったことは褒められこそすれ非難されることはないだろう。
「それでも君に何かあれば私はあの人に何て伝えれば良いのか…。親が子を心配するのはいけないことかい?」
「確かに何も言わないで飛び出したのは悪いとは思っていますが、そうしなければあの魔法による奇襲もそして私自身が彼らのピンチに駆けつけてオークジェネラルを討伐することはありませんでした。ですから悪いとは思っていますがそれについて謝る気はありません。」
心配してくれる父様の気持ちもわかる。大事な人が単身、単身でなくても少ない人数で敵に突撃して行ったなどと聞けば今すぐにでも追いかけて止めたいと思っただろう。
それが出来ずにずっと待たされて行けるようになれば足の遅い軍勢連れてゆっくり進むだけ。何かあったらどうしよう。と気が気でなかったはずだ。
だが、それをしたおかげで今がある。助けた騎士団の人達も僕が居なかったとしてもきっとオークジェネラルから逃げ出すことは出来ただろう。だが、今よりも更に犠牲は出ていたはずだ。
それに僕が突貫した中で蹴散らしたゴブリンやコボルトの数も百を超えているはずだ。それだけのことやってのけられたのは父様の近くに居なかったからだ。だから悪かったとは思っても謝る気はない。
実際、実害は父様の心労と騎士団の一部が父様によって治療班送りにされたことくらいだ。まぁ、戦闘もしてないのに負傷兵だしたのは害ではあるがやったのは僕じゃないし…。
「はぁ⁈オークジェネラルと戦ったのかい⁈大丈夫か⁈どこか怪我とかは⁈汚されたりしてないだろうね⁈」
父様は僕がオークジェネラルと戦ったことを聞いて発狂している。だが見ての通り怪我もしていなしい汚されてもいない。怪我は一発殴られただけだしそれ以外で身体的接触もなかった。
それに汚されるも何も戦争中に情事にふける魔獣が何処に居るというのか…。あれは実際僕を本気で殺りにきていたしもし負けていてもそのまま殺されていただろう。
「特に治せないような怪我もしていませんし汚されてもいませんよ。心配し過ぎです。彼らも立派に戦ってくれましたし、問題ありませんよ。」
「そうか…。治せる程度の怪我はしたんだね…。だが、無事ならそれでいい。シルフィの無事は確認できた。後はもう大人に任せて休んでいなさい。」
父様はそう言って僕を抱きしめる。いい年して娘に抱擁するのはやめてほしい。男に抱かれる趣味はない。
勿論父様はセクハラでそんなことをしているわけじゃないことはわかっているため抵抗はしない。着ている鎧で少し痛くはあるが…。
残念ながら僕の言い回しで怪我をしたことは悟ったらしいがそれでもやはり安心が勝っているんだろう。優しく抱きしめてくれる。まぁ、ここは戦場なので悠長に抱きしめられ続けるつもりもない。
すぐに腕の中から脱出すると父様の軍勢と入れ替わりで後方へと後退を始める。
「では父様あとはお任せします。無事勝って戻って来て下さいね?」
「あぁ、可愛い娘のために必ず勝利を勝ち取ってこよう!」
父様はそう言って軍勢を率いて前線へと進んで行った。
その日の日が暮れる頃には四万にも上る軍勢の九割近い魔獣の討伐に成功する。
その日は特に死体の処理も出来ずに軍を戻し、日の出と共に死体の処理を行う予定となっていた。
だが次の日…皆が見た物はそのほとんどがその場から忽然と消えてしまった死体の数々と…。
「ど、どうして…なんなんだよこれは⁈」
僕らは目の前にある光景を見てただ呆然としていた。
目の前で次々と押し寄せてくる魔獣達。その数は先鋒隊の比ではない。数以外にもその装備も刃物である剣や槍、棍棒。そのほとんどが鉄製か青銅製。
身に付ける防具もハードレザー以上の代物。それも所々を鉄や青銅で補強したちゃんとした防具だ。
あくまでも先鋒隊が使っていた装備と比較すれば良質ではあるが騎士達の使う鎧や武器と比べればまだ低品質な物である。
それでもそれだけの武具を揃えて整列している敵の練度と物資の量。これでは国が攻めてきたとすら思えてしまう。
魔獣達もそのほとんどはゴブリンやコボルトだが半数以上がその進化個体であるホブゴブリンやハイコボルト。中には役職持ちのホブゴブリンやハイコボルトの更に上であるライカンすら見られる。
「スタンピードで出現する数なんて多くて五万も居ないって…。それにやっとあいつらを倒したばかりなのに…。」
スタンピード魔獣軍、総勢約十万。王国最大のダンジョンとその付近にある広大な森から突如出現した大部隊。僕らは今その軍勢と向き合っていた。
誤字報告、感想お待ちしております!




