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クラス対抗戦を終えて

 今日の授業は全て終了したため、帰宅の準備をする。


 白熱したクラス対抗戦も無事終了し、アルス達はまたいつもの日常へと戻っていた。

 あの戦いを通して、アルス達のクラスはより1つになった事を実感している。


 学生生活最後のクラス対抗戦を、無事勝利で終えることが出来たのは本当に良かったと思う。


「どうしたアルスよ?ニヤニヤして。」

「え!?あ、その、ちょっと思い出し笑いを。。」

「そうか。」


 そう声をかけてきたアスタロトさんも、こちらを向いて微笑んでいた。

 クラス対抗戦以降、アスタロトさんもクラスの皆に本当の意味で受け入れられており、他の女子生徒から度々話しかけられるようになっていた。


 それに対して、アスタロトさんの方も笑顔で対応しており、アスタロトさん自身もアルス達のクラス皆に心を開いてくれているのだと思う。


 アルスは、それがなんだか嬉しくて堪らなかった。


 最初はいきなり伝説の大悪魔が召喚されてしまい戸惑いしかなかったのだけれど、今はアルスの使い魔がアスタロトさんで本当に良かったと思う。


「アルスくん、今日もお疲れ様。それにしても、アルスくんのあの魔術は出鱈目だったな。」

「私も見てたわ、あんな強くなられたら私が守る隙が……じゃなくて、わ、私ももっと強くならないと!」


 スヴェン王子とクレアが話しかけてきた。

 相変わらずクレアはよく分からない事を言っているけれど。


「凄いのはアスタロトさんですよ。僕の魔術はアスタロトさんとの特訓のおかげなんですから。」

「それでも、アルスくんが圧倒的な魔術を行使できる事には変わりないさ。しかし、魔術をイメージでか……未だにそれだけであそこまで魔術の質が変わるなんて信じられないが、こればかりは論より証拠だな。」

「えぇ、私も試してみてはいるんだけれど、全然ダメね、上手くいかないわ。」


 スヴェン王子やクレアでも出来ない事を、何故アルスが出来たのか正直不思議ではあるけど、こればかりは反復練習をするしかないと思う。

 魔術の行使を根本から見直すわけだから、容易ではないのは確かだから。

 でも二人なら、きっとすぐに修得して、アルスなんかより凄い魔術が使えるようになると思う。



「お師匠!!ここにおられましたか!!どうか私に特訓を!!」

「またお前か、知らん。」


 いきなり影の中から人が現れたかと思うと、物凄い勢いでアスタロトさんに抱きつこうとする人が1人。


 マークの使い魔であり、アサシンオーガのミスズだ。


 ミスズはあれ以降、アスタロトさんをお師匠と呼ぶようになり、時折こうしてアスタロトさんに特訓をつけて貰いに現れるようになっていた。


 だが、いくらあのアサシンオーガであってもアスタロトさんの前では無力だった。

 アスタロトさんは振り向く事なくミスズさんの頭を掴み、抱きつかれるのを片手で阻止していた。


「ふぐっ!や、やはりお師匠、触れる事すらできず!しかしこれもまた特訓!次こそはぁ!!」

「まったく、お前という奴はなんなんだ。」


 呆れたアスタロトさんは、掴んでいた頭を放すと深く溜め息をついた。


 アスタロトさんでも、気苦労するんだな。。


「おいミスズ!こんなとこいやがったのか!目を離すとすぐこれだ!」

「げ、マーク!今私はお師匠に特訓をつけて貰っているのだ!邪魔はするな!」

「邪魔なのはお前だ。」


 呆れたアスタロトさんは、ミスズの首根っこを掴むとマークの方へとポイッと放り投げた。


 マークは、ここにアルスがいる事に気が付くと、飛んで来るミスズを無視してこちらへと歩み寄ってきた。


 飛んで行ったミスズは、そのままグヘッという声を上げながら地面と衝突した。


「おう、アルスじゃないか。」

「あ、こんにちはマークくん!」

「マークでいい。俺とお前はもうダチなんだからな!」

「ダ、ダチ!?」

「そうだ、嫌だとは言わせないからな!」


 そう言うと、マークはガシッとアルスと肩を組んで笑った。

 あの対抗戦以降、マークはこれまでの非礼を詫びると共に、アルスを見つける度こうしてフレンドリーに接してくれるようになっていた。


 正直最初は嫌な人だなと思っていたけれど、こうして接してみると、マークはただ真っ直ぐな性格をしているだけなんだなと伝わってきた。

 誰よりも力を求め、そのためにこれまでずっと努力を積み重ねてきたのがマークなのだ。


 だから、今ではマークとこうしていられるのが、アルスは素直に嬉しかった。


「おい、お前、我のアルスに触りすぎだ。」

「男の友情を育んでんだよ!邪魔しないでくれ!」

「ほう、我に楯突くか?」


 肩を組むマークに何故か絡んだアスタロトさんは、ニヤリと笑いながら全身から魔力を解放しだした。


「ア、アスタロトさん!僕は大丈夫ですからストップストップ!」

「……そうか。」


 暴走しかけるアスタロトさんをアルスは慌てて制止した。

 アスタロトさんは、少しションボリしたような顔をすると、すぐに全身の魔力を解除してくれた。


 最近、アスタロトさんはアルスの事になると、たまにこうして過剰に反応するところがあるのだ。


「我もアルスと……。」

「え、なんですか?」

「なんでもない。」


 そう言うと、アスタロトさんはプイッと横を向いてしまった。


 えっと、なんか怒ってます……?



 なにはともあれ、こうして色々と環境は変化はしてきているけれど、アルス達はまた日常へと戻っていた。

本来最強クラスの使い魔のミスズさん、無事おバカキャラに定着。

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