表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/91

クラス対抗戦⑧

「出し惜しみ無しだ、さっさとケリをつけて、力の差を分からせてやる!」


 そう言うと、マークは炎の聖霊(イフリート)状態の自身に、さらに身体強化魔術を施した。

 これにより、マークは先程スヴェン王子と戦っていた時以上の身体能力を得た事になる。

 マークはそのまま腰を低く落とし木刀を構えると、一気に大地を強く蹴り上げこちらへ突進をしてきた。

 その速度は、最早人間の出せる速度を優に越えている。

 一瞬でアルスの上空までたどり着くと、手に握った燃え盛る炎の木刀を一気に脳天へと叩きつけてきた。


 だが、アルスにはその神速とも言えるマークの動きでもその目でハッキリと見て取れているため、マークの一撃を難なくかわしてみせた。


「かわしただと!?」

「確かに速いですが、僕には当たりませんよ!」

「ふざけるなっ!!」


 驚いたマークであったが、直ぐ様気を取り直してそのまま剣技を繰り出し次の攻撃を仕掛けてくる。

 だが、その繰り出される攻撃全てがアルスには当たらない。


「何故だ!?何故当たらん!!」


 苛立つマークは、尚も攻撃の手を止めなかった。

 しかし、その全ての攻撃が、1つもアルスに当たる事など無かった。


 アルスは決して運動能力が高いわけではない、というかどちらかと言うと悪い方だ。

 じゃあ何故避けれるかというと、これこそがアスタロトさんとの特訓の成果である"イメージで魔術を使う事"が可能になった事で扱えるようになった魔術のおかげなのだ。


 今アルスが自身に使っている魔術は、第6位階魔術 全てを悟る目(パーフェクトアイ)だ。

 アルスは、この全てを悟る目(パーフェクトアイ)により、"相手の攻撃を予知する事ができる目"を手に入れている。

 そのため、マークが次にどのような攻撃を仕掛けてくるのかが全てを見て取れるようになっているのだ。

 だから、確かにマークの攻撃は凄まじいのだけれど、アルスは次にくる攻撃に合わせて身体を動かせばいいだけなのであった。

 それでも、マークの神速の一刀の前では分かっていてもアルスではかわすことなんて絶対無理だから、アルスもまた自身に身体強化魔術を予めかけておく事で何とか対応できている状態だ。


「貴様ぁ!!どんなインチキを使っている!?」

「インチキって、ただの魔術ですよ!」

「貴様ごときの魔術で!俺の攻撃がぁ!かわせるというのかぁ!!」


 そう言いながら、怒りに任せて次々と繰り出されるマークの攻撃であったが、徐々に精度を欠いてきており、かわす方にも余裕が生まれてきた。

 すると、いよいよマークの魔力も底を尽きてきたようで炎の聖霊(イフリート)の効果が切れだしているのが分かった。


「そろそろ、炎の聖霊(イフリート)の効果が切れてきたみたいですね!」

「黙れぇ!!」


 その事にはマークも当然気が付いているようで、ならば最後の一撃だとばかりに渾身の力を込めて巨大な炎を纏った一刀をアルスに向けて叩きつけてきた。

 それは、今までのどの攻撃よりも強力であるのが一目で分かる程に、強烈な一撃であった。


「まだこれだけの力を出せるだなんて、メチャクチャですね!!」

「これで終わりだぁ!!」

「でも、そうですね。これで終わりです!」


 マークから放たれる巨大な炎を纏った渾身の一撃を、今度はアルスはかわさなかった。

 かわすのではなく、こちらも最後は魔術には魔術をぶつける事にしたからだ。


「第8位階魔術 大爆発(ビッグバースト)!」


 アルスが唱えた大爆発(ビッグバースト)により、目の前まで迫ってきていたマークの辺り一帯が一瞬にして爆発した。

 そしてそのまま、大爆発(ビッグバースト)に巻き込まれたマークは大きく弾き飛ばされ、そのまま焼け焦げとなりその場で倒れ伏せたのであった。


 勝負ありだ。



「嘘でしょ?あのマークがやられたですって!?」


 倒れたマークを見てそう驚いたのは、スヴェン王子と戦っていたマリアナであった。


「そのようだな、ではこちらもそろそろ終わらせるとしようか。」

「なっ!?」


 スヴェン王子はそう答えると、そのままゴーレムの攻撃をかわしながらマリアナの懐まで飛び込むと、魔力を込めた木刀で腹部を攻撃し、そのままマリアナを気絶させた。


 すると、丁度会場に試合終了の合図が鳴り響いた。


 という事はと思い相手陣地の方に目を向けると、先に戦いを終わらせていたクレアとマーレーが旗を奪ってきてくれていたようだ。


「これこそ、有終の美ってやつよね!」

「勝ち。」


 旗を握りこちらにブンブンと振っているクレアと、無表情のマーレーの二人がこちらへと戻ってきていた。


 そうか、ついに僕達が勝ったんだね。


「アルスくん!凄い!凄いよ!!それにさっきの魔術は何?凄すぎるよぉ!!」


 そう言いながら、後ろにいたミーナがアルスの手を握ってブンブンと振り回してきた。


「私も横目で見ていたが、最後のあの魔術が特訓の成果という事かな?」

「あ、はい!アスタロトさん直伝の必殺技です!」

「はははっ、確かに必殺技だ。あんな魔術、サミュエル団長でも恐らく扱えないだろうからね!」


 スヴェン王子もまた、そう笑いながら勝利の喜びを味わっていた。



 負傷したカール達含め、クラス全員が陣地内の一ヶ所へと集まった。

 そして、その中心で相手の旗を握ったスヴェン王子が勢いよく旗を上に掲げて叫んだ!


「我々の勝利だ!!」

「「うぉー!!」」


 こうして、僕達クラス全員で喜びを分かち合った。


 そうか、これが戦いに勝つって事なんだね。


 普段争い事を避けていたアルスだったけど、皆で力を合わせて1つの目標にたどり着く事の素晴らしさを、今更ながら実感する事が出来て本当に良かったと思う。


 そして、このクラスで本当に良かった。


「アルスよ、よくやったな。」


 気が付くと、アルスのすぐ後ろにアスタロトさんがいた。

 そしてそのまま、アルスを後ろから優しく抱き締めてきた。


 ア、アスタロトさん!?


「ちょ!あんた何やってんのよ!」

「我はアルスの使い魔だ。主の頑張りに答えるのが使い魔の役目だろ。」

「ご主人様に抱き付く使い魔なんて聞いた事ないわよ!いいから離れなさいよ!!」


 何故か怒るクレアと、それをおちょくるアスタロトさん。

 そして、アスタロトさんに抱き締められたアルスを恨めしそうに見るクラスの男子達。



 こうして、色々あったけれどアルス達はクラス対抗戦を無事勝利で終える事が出来たのであった。

これにて、ようやくクラス対抗戦も終了です。

次のお話からは、もっと強敵が出てくるのでアスタロトさんにはしっかりと無双して頂こうかなと考えております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ