表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/91

ディザスター帝国

 ディザスター帝国。


 かつてこの世界において、世界一の規模を誇った大国である。

 現在の大国であるアルブール王国も、元々はここディザスター帝国の領地の一画であったのだから、当時のその規模が圧倒的であったのは言うまでもない。


 しかし、1000年前の戦いで大悪魔アスタロトにより壊滅に追い込まれたディザスター帝国は、現在は王都周辺のみを残し当時の10分の1程度の規模にまで縮小している。


 それでも、ディザスター帝国は現在もアルブール王国と並ぶ大国の1つであり、仲違いにより生まれたアルブール王国とは互いに牽制し合う間柄のまま現在に至っているのであった。



 ―――ディザスター城の最上階。

 広々とした王室の中心にある、豪華絢爛な王座に腰をかけた1人の大男が、見た目に似合わず大きく溜め息を吐いた。

 そう、この大男こそ現ディザスター帝国帝王ゴルドール・ディザスターその人である。


「……大悪魔アスタロトが再びこの地に現れただと?」

「はい、王国へ出している隠密部隊より報告がありました。どうやら、現在魔法学校に通う青年の使い魔をやっているとの事です。」

「なに?かつてこの地を滅ぼしたあの災害が使い魔だと?それもただの学生のか?……一体これは何の冗談だ。」


 ゴルドールは頭を抱えた。

 先祖代々語り継がれてきた、この世の災害そのものである大悪魔アスタロトが、運悪く自分の代で再びこの地に舞い降りたというだけでも大問題であるのに、それが何故か今アルブール王国の1人の青年の使い魔をやっているというのだ。


 本当に、これは一体何の冗談だ?


 これまでディザスター帝国は、この大悪魔に対抗するためだけに力を蓄えてきたと言っても過言ではない。

 大悪魔の行使する圧倒的な魔術を再び前にした時、ここディザスター帝国、いやこの地に存在する人も魔族も全てが滅ぼされ尽くす未来が待っているのだ。


 それだけ危険な存在が、今は1人の青年の使い魔だと!?

 ふざけているのか!?


 こんなもの、予期して準備する方が無理な事態である。

 そして、この話が全て真実である場合、最悪な事に1つだけ確かなことがある。

 それは、かつてこの地を滅ぼした大悪魔が、今はアルブール王国側についていると言うことだ。


 アルブール王国とは、1000年前の決別以来、今日まで対立や抗争を続けてきた敵国なのだ。

 その敵国に、大悪魔がついているというのは非常に不味い事態である。


 ……いや、不味いどころの騒ぎではない、王国はその気になれば世界を征服する事だって出来る力を手に入れたという事だ。


 ただでさえ、王国にはサミュエル率いる強力な魔術師団が障壁となっているのに、そこに伝説の大悪魔が加わるなどもはや打つ手無しだ。


「陛下、この件どうなさいますか?」

「……まずは確認するしかあるまい。シュナイダー、お前に任せられるか?」

「御意。御身のままに。」


 覚悟を決めたゴルドールがそう告げると、背後の影がゆらりと動きこの場から消え去っていった。


 そう、このシュナイダーこそが帝国一の魔術師であり、そして帝国隠密部隊の長を勤める帝国最強の存在なのだ。

 その実力は、魔術師サミュエルにも匹敵する。


 このシュナイダーであれば、上手く相手の実力を確認する事が可能であろう。



 ……大悪魔アスタロトよ。

 まずはお前が伝承通りの存在なのか否か、そこから試させて貰おう。


 そして、もう1つゴルドールは配下に命令を下した。


 万が一に備え、これまでディザスター帝国が準備してきたアスタロトに対抗するための禁忌の大魔術。


 目には目を、歯には歯を。

 悪魔には悪魔を。


 100人の魔術師による集団大魔術。

 第10位階魔術 上級悪魔召還(アークデモンズサモン)の発動準備を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ