24 もう、どうでもよくなってきた。
ある日、一人部屋の寮に帰ると、メイド服をきた幼女がいました。
彼女は、彼の部屋に住み着いている腹ペコ幽霊と、仲良く遊んでいました。
……ワオ、なんというアブノーマリティ。
しかもこの彼がロリコンというのだから、さらにアブノーマルな雰囲気を醸し出している。
文章にするとそうでもないのに、なぜか実際に見てみるととてもアブナイ匂いがする。
「……あの、どちら様?」
思考回路がついに焼ききれた俺は、とりあえず誰なのかということを聞くことにした。
「……うぃるが、ひろってきた」
「拾ってきた?俺が?」
コクコクと頷く二人。
はてして俺は、こんなにかわいい幼女を誘拐するほどのド変態なロリコンだっただろうか?
まぁたしかに、以前マフユちゃんを軟禁しようとか思ったことはあった。
ナツメ先生のパジャマ姿に興奮することもあった。
ケイト……には、あまりときめかなかったような気がする。
あいつは何て言うか、女って気がしない。
閑話休題。
さて、ユウカは俺が彼女を拐ってきたとか言ったけど、俺にはその記憶は全くない。
つまり、俺が寝ている間に、自然とロリコン本能が働いて、この幼女を捕まえてきたとしか考えられない」
「……うぃる、くちにでてる」
「おっと、危ない危ない」
「……もう、そのはつげんじたいが、アブナイ」
まさかそれをユウカに指摘されるとは思わなかった!
閑話休題。
「却説、俺は本当に君のことを何も知らないんだけど、君何か知ってる?」
と、ご本人に聞く俺。
自分でわからなければ、当人に聞けばいい。
「私は、あなたに拾われた、あのときのダガー・ナイフです」
「……え?何?鶴の恩返しならぬ、ダガー・ナイフの恩返し?」
「……うぃる、せんすが、かいめつてき」
肩を震わせながら、ユウカはそう突っ込みを入れた。
しかし、当人であるはずのダガー・ナイフさん(擬人化)は、何の話をしているのか全くわかっていないようだった。
そりゃそうだ。
俺だってよくわからない。
こんな意味不明な状況、こっちの世界来て以来だよ。
「それで、なんであの武器が擬人化なんてしちゃったの?」
当然の疑問。
武器が擬人化するだなんて、意味のないことだよ。
いや、使い方によっては、まあ役に立つかもしれないけど、俺はあの剣を売りさばくつもりでいたからな……。
こんなかわいい幼女になってしまって、さらにご奉仕してくれるっていうんだから、もう捨てられなくなったな。
「もともと、こっちの姿が本命ですから」
「あ、そうなんだ。擬人化じゃなくて、あれは武器化だったんだね」
納得した風に聞き返すと、彼女は笑顔ではい!と答えた。
……いやいやいやいや。
いくらどう考えても、突飛しすぎでしょうこれは!
いくらなんでも、魔法がある世界だからって、有機物が無機物になっちゃったらおかしいでしょ!?
イェンス・ベルセリウスさん泣いちゃうよ!?
「まぁ、それはそんなに大した問題じゃないしいっか」
何でも目で見たものは受け止める。
それが理尊主義だ!
「え!?」
しかし、となると問題が残るな。
さすがに彼女を俺と同じ部屋で寝泊まりさせるわけにはいくまい。
かといって、追い出すのはロリコンではない。
どちらかと言えば、軟禁したい。
……よし、書斎の本を全部売ろうか。
あの本は全部アーカイヴスの中に入ってるし、別にいいだろう。あとは、家具は具現化の魔法で作るとして──。
あ、これ思ったより簡単に片付いたな。
「それじゃあ、書斎にある本は今から全部売り払うから、これからはそこが君の部屋ってことで」
「ちょっと待ってくださいご主人様!」
「なんだなんだ?クレームか?」
「違います!本を全部売るって、正気ですか!?魔術師にとって魔導書はそんな軽いものなんですか!?」
「俺はそんなコレクターみたいな精神はないよ。それに、内容は全部暗記してるから」
「な、なんだってぇ!?」
それを素でいってる人初めて見た。
とにもかくにも、夜まで時間ないし、そろそろ売却始めた方がいいかな。
「それじゃ、書斎の本を全部亜空間に保存してくるよ」
「亜空間!?あなたはいったい何者なんですか!?」
驚きを隠せないのか、彼女は俺に向かってそう叫んだ。
しかし、俺はこう思っていた。
「それ、お前が言うなよ?」




