狐の招待状。
『狐の招待状』
解き放たれて直ぐ、少年は招かれる「やあ、今朝ぶりだね」と。
何が今朝なものか。実質一ヶ月ほどは貴様と会っていない、
『秋嘉君へ
ご機嫌麗如何かな?まあ、印象的な君のことだから平気だとは踏んでいたんだけどね…。それにしても。よくも潜入してくれたねえ、御蔭で色々と錯綜したよ。吊るされてた一般人には保護の名目の元、監視を付けねば為らないし。あ、別に送り返したから危害とかは加えてないよ?
それで、犯人不明らしいが該当するのは君だけなんだよね。
議場も落ち着いたし、そろそろ淋しくなる頃だろう。彼なんて捨て置かれた子犬みたいで笑えるよ。逆に周りが迷惑がっているくらいだ、はやく飼い主が引き取ってくれると嬉しいんだけれど。まあ、挨拶はこの程度で終わりにして、―。
本題だけど、さ。
大図書館街に一度も来たことが無いんだって?丁度、避暑地で有休過ごしているから。是非、君も呼ぼうかと思って。案内は配達員がしてくれるから 親愛なる誰か、より』
宛名以外まともに則っていない招待状に呆れた。同時に中二、三行の怪文書を見て青筋が浮いた少年に配達員は覚えず後退していた。「それで、してくれるの?案内。」と青の瞳が僕を捕らえる、可笑しいな、話では彼の方が年下なのに。如何して僕は怖気付いているんだ、配達員は化かされている気分で頷いた。
心なし青褪めている配達員を拾って少年は目的地へと歩を進める。目指すは“大図書館街だ!”年相応にはしゃぐ少年の耳には配達員の悲鳴は届かなかった。
やっと一旦、配達員の悲鳴が止まる。そして、時同じくひょいひょいと移動していた黒い影の動きも止まる。時間は深夜。嬉々とはしゃぐ少年でも腹筋の限り耳障りに叫ぶ配達員は煩かった。「何で叫んでるの?」不思議そうに半眼で尋ねるが、カタカタと蒼く震えるだけだった。一応、外見だけなら少年より二つくらい上の気がするが。現状を見ていると背格好だけが先に伸びたのかも知れない。
「大図書館街まで、あと数キロ。君、配達員の癖に(今のところ)全く役に立たないけど如何するつもり?」既に目的地手前だ。
配達員は我武者羅に叫んだ。「そもそも君が屋根の上を駆けずり回るからだろぉー!!」
章を前後どちらにしようか迷走中。




