16/21
信じる心
「聞こえるか?右手をこの大木の幹に当てて、魔法を念じるんだ」
ロレスはそう、少年に叫んだ。どうやら、少年に魔法を自分の力で使わせようとしているようだ。
「おいおい、暴走して偶然出せたのに、もう自分の意思で使うようになるわけねぇぜ?」
カマニは最初から諦めている感じの口調だ。イライラしてるからというのもあるだろう。
ルシアはただロレスを信じるだけ…という感じで、手を胸の前で組んで必死に祈ってた。
「俺も手伝うんだ。お互い信じ合えば道は開ける…父さんが教えてくれたように」
ロレスの父、ランスはよくロレスに、信じることの大切さを説いていた。
「お兄さん、手を置いたよ!はじめてみる」
よし!わかった!!…父さん…力を貸してくれっ…!」
呟くと、ロレスも右手を大木におき、魔法に集中した。ロレスが念じると、からだからモヤのようなものが出始めた。そしてしばらくすると、いきなり森に乾いた音が響いた。その音と同時に、目の前の大木が粉末状に砕け散った…!




