73 エピローグ
昨日の夜はテツさん、凄ごかったわ。
私も久しぶりなので、凄いことしちゃった。
だけど、朝起きて朝ご飯を食べて、今までの事を思い出していたら、いくつか腑に落ちないことがあるのが分かったの。
そう、私の記憶は何故一時的に消えたのか?そして、記憶が消えた後、神様に頼んだ願いが”日本に帰る事”だったのは何故か?
そして、今までテツさんが離れてしまうのが怖くて、聞けなかったテツさんの能力の謎。
私は聞けるところまで聞くことにしたわ。
だって、今ならテツさん、完全に私にべた惚れなんだもん。話してくれるわよ。
◇
私はテツさんに紅茶を出し、テーブルについてもらった。
「テツさん、お話があります。」
「どうしたんだ?真美子、あらたまって。」
「あれから、冷静になって考えたら、いくつかテツさんの聞きたいことが出来たの。」
「そ、そうだよな。わかった、何でも聞いてくれ。」
あ、やっぱり何か後ろめたいことがあるのね。
「私の記憶は何故一時的に消えたの?」
「それは、真美子の安全のため俺が一部記憶を封印した。」
え?私の安全のため?
「私の安全の為って何?」
「俺が神から追われているのは知っているよな。」
「知ってるけど?」
「その俺の記憶があると、恐らく真美子に危害が及ぶ。良くて、神から真美子は記憶改変とか記憶消去とか受けるだろう。」
「そ、そうなの?」
え、テツさんてそんなに神から目を付けられているんだ。
「そうなると思う。そして、同時に俺の居場所も神にばれるから、俺は消されるだろう。」
それは絶対嫌よ。
「でも、私が黙っていれば大丈夫じゃ無かったの?」
「神は、あの白い空間では、人の表層意識が読めるんだ。どこまで読めるかは分からないが。」
そ、そうだったわ。あの時、神様は私の表層意識を読んでいたものね。記憶が在ったらもしもって事があったかも。
「わかったわ。記憶が一時的に消えたのは、テツさんが私のことを思ってだったのね。」
「そうだよ。」
「それじゃ、次に、私の記憶が消えた後、神様に頼んだ願いが”日本に帰る事”だったのは何故?どうやったの?」
「そ、それは、今後も俺は神に狙われ続けるだろう。その危ない道に真美子を引き込まないようにと催眠術で暗示をかけた。」
私の為ね。それに記憶操作とかじゃなくて催眠術だったのね。だからすぐ解けたんだわ。
確かに、テツさんの進む道は厳しいかも知れないわ。でも、私を置いて行っちゃ嫌よ。それじゃ私を捨てるのと同じじゃない。
「テツさん。今度はそんなことしないで、私はテツさんと離れたら生きていく理由が無いのよ。今回、記憶を消されたときも、毎日無味気なくて、寂しい毎日だったのよ。」
「そ、そうか、ごめん。実は俺も真美子が側にいなくて、寂しい毎日だったんだ。もう、真美子から俺の記憶を消すなんてごめんだよ。」
あら、そこまで言ってくれるのならもう、記憶消すとか言わないわね。
「だから、お酒を飲んだくれていたの?」
「そ、そうだよ。」
でも、もう記憶けされるの嫌だから
「テツさん、私の記憶って、また消すとか改変できるの?」
「いや、もう同じことは無理だ。消去は2回目は効かないか、もしくは効きにくい術式なんだ。それに、記憶の改変は記憶の破壊につながるから俺には怖くて出来ない。」
そうなんだ。次は出来ないんだ。それじゃ、あとは催眠術かな?
「催眠術の方はどうなの?」
「あれは、実は出来たのが不思議なくらいだ。それに精神強化のステータスを強化しておけば、催眠類の術は掛からないよ。」
「そうなんだ。」
「そうだよ、だって真美子は細かい基礎能力値はレベル上げしてないだろ。」
確かに、戦闘に特化してレベル上げしていただけだものね。魔王を倒すための急なレベルアップだったから。
「分かったわ。今度その精神強化の仕方を教えてね。」
「わかった。」
あとは、テツさんの能力の謎ね。
「テツさん、神様から消されるほどのテツさんの不思議な能力って、どうやって手に入れたの?」
「それは・・・」
とテツさんは、黙ってしまった。
「テツさん、私もう後戻りできないわ教えて。それに”次元空間転移”を手に入れたから、テツさんが逃げても追いかけて見せるわよ。」
「え?”次元空間転移”も貰ったのか?」
「ええ、”不老”、”次元空間転移”、”広範囲生物探知”を貰ったのよ。」
「そうか。わかった。」
「実は・・・・・・」
とテツさんは、私に”RVP”の事を話してくれたの。
テツさん自身も”RVP”については、理解できていない部分もあるみたい。
でも、これでようやくテツさんは私に全てを打ち明けてくれたのよ。
そして私は改めて、テツさんと共に生きる覚悟を決めたの。
そうね、あともう一つ聞いちゃおうかな。
「ねえテツさん、マイラさんと私、どっちが一番好き?」
「突然、何言ってるんだよ。真美子。」
「だって、これだけ一緒にいたんだもん。気になるじゃないの。」
そうよ、もう私が一番って言わせたいわ。
「わかった答えるよ。」
「で、どっちなの?」
「今は真美子が一番だ。」
えっと、今はって?今後は?
「それって、後だと順番が変わっちゃうの?」
「いや、今後も真美子が一番だよ。」
「ほんとに?」
「ほんとさ。マイラの世界に行かないで、真美子とどこかで定住も考えている。」
そこまで、私を思ってくれているの。でも、
「そ、それ本気?」
テツさんは私の手を握って言ったわ。
「本気だ。子供も作ろう。」
私はテツさんの真剣な眼差しを見て、確信できたの。本気だって。
私は頷いて言ったわ。
「はい。」
いままでありがとうございました。




