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白露  作者: Wrighte
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9/9

私、最近気になってる事が有るの。

直截言うのは恥ずかしいと言うか何と言うか、如何にも言い様が無くて、結局未だ貴方には言えてないんだけど、でも確実に思ってる。

まぁ、こうして残しちゃってる時点で恥ずかしいも何も無いかもだけど、多分考えたら駄目なんだと思う。

如何なんだろう。

これを言っちゃう事が如何な意味になるのか、貴方は気付いてくれるのかな、それとも全然気付いてくれないのかな。

何方かと言えば、気付かない方が安心するんだけど。

ねぇ、天使さん、帰るのが段々早くなって来てない?

貴方には貴方の事情が有る、って言うのも分かるんだけど、それか私の気の所為なのかもしれなくて、でもそう感じられて仕方が無くて困っちゃうのが、狡い人。

天使さんだけど。

それはそれとして、気の所為だったら気の所為で、この時間をもっと楽しく思ってる、って事だから、良い事なんだけどね。

でも、不図した時に如何しても寂しくなっちゃう。

なのに、貴方が言ったから、その寂しさも今は埋められない。

『復た』って、本当酷い言葉だと思う。

その場の別れを宣言する科白なのに、絶対に次会った時の事を考えさせられるもの。

なのに、貴方は次の事を一切話してくれないから、ずっと待ってる内に気持ちだけが膨らんで行く。

だから、少しでも、って、細やかな復讐の為に、私も本を持ってて貰ったし。

それに確かにあの時貴方は、『小説を書く』、って言っていたから、今日も、貴方が帰って仕舞った後の空白の中で、この思いを認めてるの。

勿論、これが全く『小説』としての体を為していない事は、誰に言われずとも充分知ってるの、でも、何かもう、嫌になっちゃった。

少しだけでも書いてみよう、って思って、何か考えようとしたら、もう駄目。

全く思い付かないし、何処か疎ましくなって行くから。

身を窶す前の私か、それか想像の中の私か、何方なのかは分からない、寧ろ両方なのかもしれないけど。

きっと私には書き物の才能が無かったんだと思う。

でも矢っ張り相も変わらず暇は持て余してるし、折角だから代わりに、この想いを。

今更だけどね。

例えば、そう。

貴方が何か事情が有って私の願いを断ってる、って事、私はちゃんと分かってるから、だから貴方が何とかしようとして言ってくれた事、凄く嬉しかった。

私の話を親身に聴いてくれる所とか、後は、お別れを如何にも残念そうにしてくれる所とか、他も色々嬉しい事は一杯なの。

貴方は気付いてないんだろうけどね。

それに、些末な事だから忘れてるかも。

でも私は、覚えてる。

貴方は優しい天使さんだ、って事。

而もそれを衒らかす事も無く生きてる、って事も。

そう考えたら、天使さん、本当私にゾッコンみたいだよね。

それとも仕事柄、皆にそんな感じで振舞ってるのかな。

真逆、特別な子も居るとか。

若しそうなら、一寸だけ、一寸だけ嫉妬しちゃいそう。

貴方がこれを読んだ時か、それかちゃんと勇敢になれた時か、何時か訊いてみたいものだけど、勿論、相手が神様、って答えは無しね。

貴方は随分敬虔みたいだし。

お話を聴くに、神様の事を忠実に慕ってる感じ。

『神の御加護が有らん事を』、って四六時中の口癖なのかな、ずっと言ってるもの。

悲しいけど、神様には勝てる訳無いじゃない。

私の事だけ考えて欲しいのに。

私の頭に貴方しか居ないのと、先の科白が離れないのと同じにしたいのに。

私の記憶に、貴方の口癖が、残り続くみたいに。

恰も、貴方と出会うより前から、聞いていたみたいに。

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