7話「傲慢の王子」
ーーー人間というのは醜くみっともない。
弱いものがいれば貶し自分よりも下だと分かればすぐに蔑む。
だけどそれこそが人間らしく人間の本質とも言える。
だからこそ...その傲慢の罪を俺がすべて引き受けてやろう。
お前たちのその汚い罪を...
この俺がすべてーーー。
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私は酷く驚愕していた。
目の前の私を襲おうとしていた男が急に飛ばされ私を守ろうとしてくれる背中に代わっていた。
「...あ、なたは?」
目の前の男はどこからどうみてもあの無能王子と蔑まされていたアイルだったが私にはどうにも彼があの無能王子だとは思えなかった。
私を襲おうとしていた男も私と同じ質問をする。
ーーー最強な白馬の王子....
彼はそう告げた。
彼が...?
私を助けてくれる白馬の王子様だったりするのだろうか?
みっともなく弱い私に手を差し伸べてくれるのだろうか?
分からない...
だけどその背中は頼もしいの一言に尽きて...
そして私は何故か胸の振動が酷くうるさかった。
なぜかは分からない...
さっきまで襲われていて怖かったから?
私が逃げるのに疲れていたから?
いや...それもあるだろうけどおそらく違う。
でもまだ正解を見つけるわけにはいかない。
きっとまだ...
私はそう思うことにしながら目の前の戦いを眺めるのだった。
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「誰かと思えば、あの無能王子じゃねーか!たかが無能王子如きが僕と彼女の邪魔をしないでくれるかい?!」
「その無能王子如きとやらの攻撃に反応ができない時点でお前の程度なんて知れているか...」
強いモノと出会したいのに何故こうも雑魚ばかりと相対するのか分からないな...
「お前みたいな無能王子に程度が知れるなんて言葉を吐かれる筋合いはない!!」
「お前ら雑魚は幾分と俺を罵ってきたがそれこそ俺がお前らに罵られる筋合いはないな...なぜお前らみたいな雑魚にこの俺がバカにされる?貶される?」
「雑魚...?この僕が?」
「...?何当たり前の事にクエスチョンを浮かべているんだ?」
「ふざけるな...この僕が...雑魚なわけが...!!」
そう言うとその男はこちらに向かって攻撃を仕掛けてくる
ただその男はとてつもない速度で迫ってきた
「ほう...?」
「どうだ!?これが僕の能力...雷光だ!このスピードに追いつけた奴など1人もいない!」
そう言いながら俺の周りを駆け回る
いい能力だ...
確かに「雷光」というだけの速度がある。
だが...
「...っは!?」
俺は意図も容易くそいつの体に一撃与えていた。
「...ぐはっ...な、んで!?」
「なるほどな...その能力でそこにいる奴を捕まえられたというわけか...ただ俺との相性が悪かったな。ただスピードが速いだけじゃ俺は見逃さない」
「何...言っている!?」
「そのままの意味だ。お前如きのスピードで俺が捉えられないわけないだろう...」
「ふざける...な、お前のような無能に!!!」
めんどくさいな...こいつ。
「ごちゃごちゃうるせーぞ...三流」
そう吐き捨てて俺はソイツの腹に殴りを入れて気絶させ、数秒もしないうちにソイツは転移されて消えていった。
今回の相手は今までの雑魚と比べたら幾分かマシだった。
その能力を極めればもっと強くなれるんだろうな...まぁ変態だが。
俺がそんなことを思っていると
「あ、あの...!」
「うん?」
後ろで佇んでいた少女がこちらに歩み寄ってきた
「た、助けてくれてありがとうございました」
「別に助けたわけじゃない...俺は俺のためにあの変態を倒した。ポイントのためにな」
「それでもです...貴方が来てくれていなかったらどうなっていたかも分かりませんから...」
どうなっていたか...か。
確かにあまり想像はしたくないが人生での深い傷を負わされていたかもしれないな。この試験のルールは殺してはいけないこと...それ故にあぁいう事をしでかす輩もいるということか。
「次からは気をつけるんだな」
「わ、私を倒さないんですか?」
「やる気が湧かん...それに雑魚に興味はない。ポイントは欲しいが雑魚を狩って得たポイントなんか、ないに等しいからな」
「そうですか」
「じゃあな」
俺が別れの言葉を告げて立ち去ろうとすると
「あ?」
急に服の袖を掴まれて困惑する
「なんだ?まだ言いたいことでもあるのか?」
「い、いえ...ただ私は助けられた恩があるんです!だから何かお役になれることがあるなら!」
「お前にお役に立てることなんてない。いいから離してくれないか?」
「でも何かないと私のこのモヤモヤが晴らせない...!」
「知らん。いい加減しつこいと...」
俺が呆れて無理やり離そうとした刹那ーーー。
「ーーー!?」
「え...?」
俺はソイツを抱えて後方にズレた
そして俺たちが居た場所を見てみると数本のナイフが刺さっていた
「これは...?」
ソイツが困惑をしていると
「あれー?今の攻撃を避けれるんだー?じゃあ能力使っとけば良かったなぁ」
「ルイ...アリシア...」
後ろからルイ・アリシアが現れてきた
「また会ったね。無能王子??」
「お前...もしかして殺す気で放ってきたな?」
あのナイフの位置...確実に頭部を目掛けて放った攻撃だった
「いいのか?ルイ・アリシア。この試験は殺しが禁止...もしそのルールを破れば...」
「罰が下る...確かに一般の生徒ならそうかもしれない。だけど私はバシレウス...色欲の王子だ。しかも殺した相手が無能2人となれば罰など下らないさ」
「ほう...?」
なるほど。つまりは本当に実力主義というわけか。
とことんこの世界は腐り切っているな。
抱えている少女を見ると微かに怯えていた。こいつを助ける義理は1ミリもないが、さっきまでの事を振り返ると少し同情をしてしまった。
「おい...お前名前は?」
「え?私は...ニコ・メルヴァ...で、す」
「ニコ...お前がいると正直邪魔だ...だからお前は逃げろ」
「で、でも貴方を1人には」
「1人より2人の方が...ってか?生憎と俺1人で十分だ」
自信満々に言ってみせた。
「わ、かりました...」
そう言うとニコはルイと反対方向に走っていった
「逃がしてくれるとは気前がいいじゃねぇか」
「そうだねー。あくまで私は君に興味があるからねー」
「それは光栄だな」
「さて...先日の君の態度が虚勢じゃなかったって事を証明してもらおうかな!」
そう言うとソイツはこちらに一直線に迫ってきた
「甘いな...」
俺がその単純な攻撃を捌こうとすると
「なに...?」
「ざーんねん」
何故か俺の体は動かずそのままその蹴りをモロに喰らってしまった。
「な、んだ?これは?」
「気になるかい?その現象を」
「能力だろうな...」
「能力...そう私の能力は魅了。相手に無意識に私を魅了させることができる」
魅了...なるほど。
だから無意識的に手を出せなかったというわけか...
「ただ、そんな簡単に能力の開示をしていいのか?」
「大丈夫だよ...私の能力はバレたところで防ぎようがないしね。それに君は無能王子。冥土の土産だよ」
随分と俺の事を舐めているらしい。
「あまり舐めるもんじゃないぞ...?」
「ふーん?」
「能力というものは強い方が効果を上回る」
「急になんの話だい?」
「例えさ...スピードアップする能力とダウンさせる能力...これらが相殺することはない。練度が高い方が上回り能力を発動できる...」
「それがなんだい」
「つまりだ...」
彼はそう言うといきなり姿を消したかと思えば目の前に現れた
「速いねー。だけど私の能力の前じゃ...!」
そう私の能力は魅了をさせる。
要は私に魅了をされて無意識的に攻撃ができない。
だからその攻撃は私には届かない。
例えスピードが速くとも...
例えその攻撃が凄かろうとも...
当たらなきゃ意味がないんだよ...無能王子君...?
「っ...!」
そしてその拳は私の眼前で止まった。
「残念...だけどもそのスピードは褒めるべきものだ」
確かにアレは虚勢じゃなかったかもしれない。
だけど...
「実力は離れすぎている....出直してきな...」
そう言い放ち、彼に手を向けた。
終わりだ。
案外あっけないものだったな...とんだ期待はずれだったかもしれなかった。
だが無能王子...その名前にしては目に見張る実力だった。
私がそう思い、終わらせようとした刹那ーーー。
「おいおい...それは自分に放った言葉か??」
彼がそう言うと何故か私は数メートル先に吹っ飛ばされていた。
「っっっっ!???」
何を...された?
何故動ける?
何故攻撃を受けている?
見えなかった...速すぎて何をされたのかも分からずに私は吹き飛ばされていた。
「い...たい?」
しばらく攻撃をされていなかったからか、痛みを久々に感じていた。
「何を...した…?」
「何を?何もしてないさ…ただ俺とお前とじゃ実力も何もかもが違う」
「なに...?」
「これしきの能力で俺は止まらない...お前に俺は勝てない」
この男は...
この無能王子はなんなんだ?
何故無能王子と蔑まされていた男が私に痛みを???
分からない...
「なんなんだ?君は。君は一体誰なんだい?」
分からない...だからこそ質問をした。
てっきり無言を返されるのかと思った。
たけど彼は...
「俺か...?俺はなぁ...」
彼は一拍を置いて言った
「ーーー傲慢の王子」
ーーールクス・ヒューゲルと...
評価をするんだ...
あ、ついでにブックマー.......(((((((殴




