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仮想現実~プレイヤーとして呼ばれた少女は仮初の世界で無双する。  作者: 冷崎
第一章 鮮烈な少女

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第10話 休息は大事!

冷菓はどう応えようか考える。

(え、これどうしよう。私違う世界から来ましたなんて言っても信じてくれないだろうし、かといってそこら辺の辺境から来ましたとか言って細かく詰められるのとか嫌だな。)


冷菓は腕を組み、必死に応えようとする。


「まあまあ、別にいいじゃない。この大量の荷物、見たことない服装、何かと事情があるんでしょ。」


冷菓は目を丸くする。

ガインは納得したようにため息を付く。


「はあ、まあそれもそうだな。すまんな、嫌な質問をして。」


「いえ、全く問題ありません!」

(助かった〜!エミリーさん優しいな。)


さっきまで「どうやって誤魔化そう」と必死に考えていた冷菓だったが、エミリーの言葉を聞いて、少しだけ肩の力が抜けた。


「それで、レイカはこれからどうするんだ?」


「あ、そうだ!すいません!あの、プリスムって街何処か知りませんか?」


冷菓は少し慌てた様子で質問する。

端末が任務を発生させてからほぼ2日経っている。任務の期限が1週間であるならば急がねばならない。


ガインとエミリーは冷菓と顔を合わせ、キョトンと見つめる。


「プリスムなら私たちが冒険者活動をしてる町の名前よ。」


「何なら助けてくれたお礼に連れてってやろうか?」


冷菓の目の色が変わった。


「本当ですか!!助かります!」

(やったあ!これで任務達成だ!)


冷菓は思わずガッツポーズを取る。その様子を見てエミリーはクスッと笑った。


「そんなに嬉しいの?」


「はい!ものすっごく!」

(一人で森を抜けるには心もとなかったもん。)


冷菓は心のなかで強く頷く。


「そんなにプリスムに行きたいのか?」


「あ、はい!少し急いでて、」


「急いでるのはわかったが、今日はもう遅い。日が暮れそうだ。」


ガインは空を見上げる。空は赤く染まり森全体をオレンジ色に染めていた。


「本当だ。」

(ちぇ、残念)


異世界に来てから、あまりにも色々なことが起きすぎて、時間の感覚が完全になくなっていた。


「夜のデスフォレストは危険よ。暗くなってから移動するのはおすすめしないわ。今日はここで休んで、明日の朝に出発しましょう」


エミリーが言う。冷菓の表情は少し曇るが、


「わかりました。」


と返事を返す。任務の制限時間にはまだ余裕がある。

それでも、一刻も早くこの危険な森から出たいという気持ちは変わらなかった。


「夜には怖〜いおばけが出るって噂なのよ!」


エミリーは冗談交じりの言葉で場を和ませる。


「冗談はやめてください!」


冷菓は笑顔で軽く注意する。

するとガインたちの後ろのほうから声が聞こえた。

姿を見ようとガインとエミリーの隙間を覗く。

そこにはミナの肩を借りながら歩くレインの姿があった。


「治療は一通り終わったわ、ただ怪我がひどすぎて血を流しすぎたみたい。少し安静にしてないと。」


「皆ごめんね。」


レインは申し訳なさそうに謝る。レインはガインと身長はほぼ同じだが、筋肉マッチョほどではない。


「じゃあとりあえず今日はここで一晩越しましょ。」


「「「「賛成!!」」」」


「じゃあミナとレイカは薪を拾ってきてくれない?」


「はーい」「わかりました。」


冷菓とミナは森の浅瀬へ行き、薪を拾う。冷菓がミナに質問をする。


「そういえば、ミナさん達はなんでこの森に?」


「私たちはギルドから依頼を受けてやってきたのよ。」


「ギルド!」

(漫画で読んだぞ!あの荒くれ者がたくさんいる場所!)


「フォレストウルフの討伐依頼を受けたんだけど、まさか上位種までいるとは思わなかったわ。」


ミナは薪を拾いながら苦笑する。


「そういえばあなた街についたらどうするの?」


冷菓は足を止める。


「どうするって……」

(そういえば、街に着いた後のことなんて何も考えてなかった……)


冷菓は腕を組み、考え込む。


「とりあえず一緒に冒険者ギルドへ行きましょう。あなたの格好目立つし。」


「わかりました。」


冷菓とミナは薪を拾い終え皆の所へ戻った。


「拾ってきたよ〜!」


「おう!サンキュー!」


「残念なことに、俺らは収穫が少なかった。肉はフォレストウルフの肉があるんだが、このままだと直焼きになっちまう。」


冷菓はそれを聞きカバンから食料を取り出す。


「あの、これを使えないでしょうか?」


冷菓はトマトの缶詰を取り出し、皆に見せる。

だが缶詰なんてものこの世界にあるわけもなく、困惑する。


「何?これ?」


エミリーが質問する。


「この中にトマトスープが入ってるんで、スープを作ればと、、」


冷菓は少しオドオドした様子で答える。


「と、トマト、スープ?」


「これどうやって開けんだ?見た目はただの金属だが。」


ガインは缶詰を手に取り、裏返したり、横から見たりしている。

冷菓はカバンの中から缶切りを取り出し、開けて見せる。


「こうやって開けるんですよ。」


「おー!!」


カシュッ


缶詰を開けると中から赤くてみずみずしいトマトソースが見えた。


「本当に入ってたわね。」


ミナは驚いた表情で覗き込む。


「これを使えば少なくともスープぐらいは作れると思います。」


「わかった、ありがたくいただくぞ!」


ガインは缶詰を4,5個受け取り、持参していた小鍋で肉を焼き、トマトソースを入れた。


「おお、なんかいい匂いがしてきたぞ!」


「本当ね!」


それから数十分後料理が完成し、一人1杯スープを受け取り、食べた。


「「「「「いただきまーす。」」」」」


その後、冷菓達はテントを張り各々眠りについた。

ガインとレインは夜中交代で見張りをするようだ。

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