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元王子クロイツとその弟子達の軌跡-史上初のSSランクを従える男-  作者: 焼納豆


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リサとリージョ(4)

 脇道に逸れた理由はわかるが、いちいちそのような事をせず共良いのにと言う思いから一瞬動きが止まるリージョに、クロイツから指摘が入る。


「おい、何をしているんだ?早く来い!」


「は、はい」


 追手を巻こうとしている事はわかるのだが、別段街道から逸れずに対処は可能なのに……と思いつつもリージョは指示に従ってクロイツの後についていく。


「おっ、流石はAランカーだな。軽くついてくるか」


 その直後、突然視界が変わったのだ。


 これにはリージョも何が起こったのかわからずに反射的に警戒態勢をとってしまう。


「おいおい、何も問題ねーよ。まっ、即座にその体制になれるなら相当場数を踏んでいる事はわかるな」


 あっさりと転移を使ったクロイツは、こともなげにこう言い放ちながらもダンジョンに入って行く。


「おい、早く来ねーと面倒くせーぞ!」


 リージョの視界には、岩の割れ目の中にいるのはクロイツと共にいる存在……とてつもない強さであると嫌でもわかる魔獣のポチが見えているのだが、どう見てもクロイツに襲い掛かる素振りが一切ないので大人しく割れ目から侵入する。


 再び視界が一気に変わるが、流石に二度目なので少々驚くが表情や態度に出すことはない。


「見てみろ。ここともう一階層上には赤の紋章をつけられた人々が楽しく暮らしている。どう見ても、俺よりも幸せそうだろう?」


「えっと……はい」


 どう答えればわからないような質問をされて困惑するが、確かに崖下に広がっている広大な町のような場所では、人々が幸せそうに暮らしているのがわかる。


「リサの手紙に赤の紋章の人々をとある場所に移動させて暮らしてもらっている事は教えたと書いてあったが、実際に口で説明するよりも見てもらった方が良いと思ってな。俺達が正規に購入してここで幸せに暮らしてもらっているんだ」


「……素晴らしいです。確かに今できる事と言えば、既に赤に落ちた人々の救済。それを、これほど容易く……いや、苦労はあったのでしょうが、これほどの規模で。流石です。ところで、私達が入ってきたあの入り口の監視は当然気が付かれていると思いますが、彼等の対処はどのように?」


「特に何もねーよ。あいつら程度の実力だと、1階層の入り口直後が関の山だ」


「……1階層。やはりここはダンジョンですか。この環境を見るに、この階層は安全のようですが、これも当然クロイツ様の力で対策済みなのでしょうね?」


「んぁ?当然だろ?この階層と一つ上の階層に全員が住んでいるからな。その二つに危険な魔獣は存在しねーよ。狐っぽいのはいるが、危険はない」


 この話をクロイツの背後で聞いているポチは、狐ではなく狼だと強く主張したいところだが、話の腰を折らないように黙っている。


 リージョはクロイツの力の片鱗、転移について理解している事、あり得ない強さの白銀の狼を従えている事から、これ以上何かを聞く事はなかった。


「で、お前が力を欲する理由は?」


 適当な岩に座りながら話す二人。


「……結局あの連中(闇の奴隷商)を潰す事ではあるのですが、私の両親を連れ去った者を見つけ出して始末したいのです」


 赤の奴隷になっている以上、そう長く生きる事は出来ないというのがこの世界の常識であり、生きている二人を探すとはリージョは口にしないし、クロイツもリージョの実力があれば二人の痕跡程度は掴んでいるだろうと判断しているので、あえて聞かない。


「復讐……か。で、その後はどうするんだ?」


 復讐については否定しないクロイツだが、その後に無気力になる可能性が大きいので、お節介とは知りつつも問いかける。


「そうですね。そこまでは考える余裕がなくがむしゃらに強くなりましたから……ですが、もし復讐が終われば、もし可能であれば、この町の為に働かせていただけますか?自給自足には見えますが、それでもこの町だけでは補えないものもあるでしょう。きっとクロイツ様が外で入手して配られているのでしょう?そのお手伝いもできますよ?」


 リージョが生産的な事を口にできた事、リサが信頼できると言っている事、さらには当面の目的は自分達と変わらない事から、弟子入りを認める事にした。


「わかった。良いぞ、今日からお前は二人目の俺の弟子だ」


「あ、ありがとうございます!では、何をすれば良いでしょうか?師匠!!」


「し、師匠?そうだな。そうなるな。もう既にリージョは相当な強さになっている。そこから上積みするには少々別の方法、いや、リージョがやる事は普段通りで良いが、俺がちょこっと力を貸す。うーん、説明が難しいな。まっ、普段通りに行動してくれ」


 自らが持つ異能の育成について説明するのをやめているクロイツだが、実は最近かなり自堕落な生活をしてしまっており、秘匿の為に説明を省いたのではなく説明すら面倒になっていただけだ。


「わかりました。では、差し当たりこのダンジョンの入り口付近の監視要員を始末してきましょうか?」


「いやいや、突然物騒だな。あんな連中は放っておけば良いと思うが……う~ん、まぁ、どうしてもと言うのであれば見張りを無効化するのは良いが、始末はダメだ。その程度、リージョの力があれば可能だろう?それも修行だ。あっ、それと自力で上層階に行こうとするなよ?俺でも少し疲れるからな。ポチ!」


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