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元王子クロイツとその弟子達の軌跡-史上初のSSランクを従える男-  作者: 焼納豆


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リサとミーシャと騎士達(2)

 普通の人では王城からの召喚命令、更にその内容が査問と聞いては腰が引けそうなものなのだが、幼い時に地獄を見てきたリサにとってみればこの程度は何もないのと同じ。


 最悪は今の自分の力でどうとでも逃げおおせると知っているので、余裕の表情で王城に向かっている。


 当然一人で向かっている訳ではなく、気配を消した状態でロロもその後ろをついて来ている事はリサにはわかっている。


 リサの中には恐怖心は一切なく、逆に何かとてつもない事態が起こり身の危険があれば、指輪の力でクロイツに会えるかもしれないと言う期待すらあった。


 こうして王城に到着すると、とある個室に案内される。


「こちらでお待ちください」


 話が通っているのか、案内してくれたメイドは丁寧な対応をすると部屋から出て行く。


 リサは油断なくいつも以上に気配察知を発動させており、こちらに向かっている騎士三人と、三人よりも少々強めの女性が一人近づいている事を把握する。


……ガチャ……


 予想通りに部屋に入って来る四人。


「お前が“白套のリサ”か?」


「そうですね。それで、この強引な呼び出しは何の茶番ですか?」


 この部屋に来る前までに察知した気配では既に殺気を感知しているので、端から好戦的なリサ。


 その視線は、四人の中では最も強いAランカーのミーシャに向けられている。


「貴方は他の三人とはどう見ても違いますね。どちらかと言うと私寄り、冒険者の匂いがします。騎士と冒険者……全員が必死で殺気を抑えている所が不思議ですね。まぁ、その程度の技術では抑えきれていませんけれど」


 抑えているつもりの殺気を悟られ、眉を顰める。


「流石ね、“白套のリサ”。良いわ、私は貴方と同じAランカー冒険者のミーシャ。同格の冒険者の名前位は聞いたことがあるでしょう?話と言うのは他でもないわ。今回、あなたがギルドに納品した鳥型の魔獣、本当はこの三人が仕留めた物なのよ。それをあたかも自分が仕留めたかのようにギルドに持ち込む。これって冒険者として、いいえ、Aランカーとして恥ずべき行為じゃないかしら?」


 ミーシャは騎士に貸しを作るため、そして“白套のリサ”の評判を落としてランクを降格させるために、ありもしない事をリサに告げる。


「そう来ましたか。普通に考えれば貴方を含めた四人でもあの魔獣に手も足も出ない事位、わかりませんかね?どうせ、そこの三人の方々も、命からがら逃げだしてきたのでしょう?みっともないですね」


 こんな人が騎士だから、既に情報を得ている過去のクロイツへの扱いがなされるのだと怒りがわくリサだ。


 一触即発になっている王城の一室では、三人の騎士とミーシャを睨みつけて一歩も引かない“白套のリサ”がいる。

 

 騎士達三人は、何故か自分よりもかなり幼く椅子に座っている状態のリサが出す圧力によって剣に手を伸ばす事すらできず、ミーシャは想像以上の圧力がかかっている事に眉を顰める。


「流石ね。Aランカー最強と言われているのは伊達ではないって事かしら?」


 レイピアの柄に手を乗せながら、敢えて挑発するような態度で言い放つミーシャ。


 正直、目の前の少女を舐めていたと言う後悔はあるのだが、今更引くに引けないのだ。


 この辺りがAランカーとしてのプライドだ。


「何をしている!」


 そこに乱入してきたのは、この騎士達の守護対象である第二王子でクロイツの弟であり、実質既に国王としての権力を全て握っているドレア・ナスカだ。


 普段常に自分を守るべき位置に誰か一人はいるのだが、三人の騎士が揃って不在になる事はなかったため、その所在を探していた。


 即座に三人の騎士は跪くが、リサは平然と座ったままの姿勢を維持し、ミーシャは一歩下がって柄から手を放し、深く頭を下げる。


「フン。お前ら、何をしているのかと思えば・・・・・・そこにいるのは“白套のリサ”か。とすると、我が兄クロイツ・ナスカの弟子であっているな」


 本来は喜ぶべき師匠の兄との対面だが、既にクロイツがこの目の前のクロイツを兄と言っている男や城内の面々からどう扱われていたのかは知っているリサは、喜ぶどころか余計に機嫌が悪くなる。


 ドレアとしては、最強と言えるSランカーとなったクロイツを取り込むべく動いていたが、その所在が一切知れなくなっていた。


 そこに弟子として有名になっており、更には個人としても次のSランカーに最も近いと言われているリサが目の前にいるので、これは又とないチャンスだと思い次期国王の立場として直接勧誘する事にした。


 既に手に入れているAランカーの一人であるミーシャに続いてAランク最強の“白套のリサ”、更には兄でありSランカーであるクロイツまでナスカ王国の所属になれば、他国とは比較にならない程の地位を手に入れる事ができるようになる。


 当然発言力も増して大陸中を手中に収める事も夢ではなくなると考えており、確かに国家に抱え込む事ができればその程度の力は得る事ができるだろう。


 ドレアは、この場にいる騎士とミーシャは“白套のリサ”を勧誘するか、完全に否定するかの二択でここに呼び寄せたのだろうと思っているので、それを踏まえて交渉を始める。


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