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元王子クロイツとその弟子達の軌跡-史上初のSSランクを従える男-  作者: 焼納豆


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やっぱり彼女が欲しい(1)

 闇の奴隷商の情報を集めながらも冒険者稼業をしているクロイツとリサ。


 残念な事に奴隷商側のある程度重要人物であったはずの騎士ミュラがその姿を消した事から、闇の奴隷商の動きは一切なくなったようで全く掴む事が出来ていなかった。


 そのせいでクロイツとリサが出来る事と言えば、専ら奴隷商に赴いて赤い紋章のある者達を片っ端から買いまくると言う程度しかできなかったのだ。


 実際に奴隷商に行けば相当な数の奴隷がおり、その中には、どの店にも最低数人は赤い紋章を持つ人物がいるのだ。


 国として奴隷が認められている以上、強制性を表している赤の奴隷紋がある者であっても正式に奴隷商に登録されてしまえば奴隷としての扱いをせざるを得ない。


 事前に闇の奴隷商関連から強奪した資金や自分達で稼いだ資金も加えて救い出しているので、今は例のダンジョンの階層を人知れず拡張して、まるで大きな村と言っても過言ではない程の人々が笑顔で生活する事が出来ている。


 既に男性も数多く救出しており、想定通りにいくつかの家族が出来上がっていたりするが、事件は一切起きていない。


 痛みを知っている人物は、決して人を傷つけてはいけないと言う事を深く学ぶからだろうか……


 クロイツやリサも定期的にその村を訪問するのだが、家族(夫婦)が一つできた事をきっかけにその流れは加速しており……クロイツとしては何やら羨ましい気持ちに襲われて、心の中で血の涙を流していたりする。


「クロイツ様、リサ様、ようこそお越しくださいました」


 今日も今日とて事前にリクエストを受けていた物資を購入して村に来たのだが、何時も初めに迎えに来てくれる女性……の横に、たくましい男が笑顔で寄り添っている。


「実はクロイツ様、私、この度ハロガンと結婚する事になりまして……」


「クロイツ様、リサ様お二人のおかげで、僕も幸せな家庭を持つ事が出来ます。ほんとうにありがとうございます!」


「わぁ~、おめでとうございます。幸せそうで羨ましいです!ねっ?師匠」


「ん?あぁ、良い事だな。幸せになってくれ」


 と言葉では平静を装っているが、心では……こう思っている。


『なんで俺には彼女が出来ねーんだよ!ここまで尽くしているんだ。強制するわけじゃねーけどよ、一人位、俺の事を蕩ける様な目で見てくれても良いじゃねーかよ?くっそ~、なぜなんだ!!』


 冒険者稼業が落ち着いている為に再び“彼女欲しい病”が炸裂している。


 実はこの村にいる人々はクロイツとリサに本当に感謝しており、一部の女性はクロイツの希望通りにクロイツに対してそう言った想いが出ているのも事実。


 しかし横にいるリサこそがクロイツに相応しいと思い、リサからもクロイツが大好きな雰囲気があからさまに駄々洩れである為に表に出さないだけなのだ。


 異能を持つクロイツもこう言った気配を察知するのは全くと言って良い程無能で、ひょっとしたらリサの異能とも言える“師匠大好き病”によって情報が遮断されているのかもしれない。


 こうして心に大きなダメージを負って地上に戻るクロイツと、目の前で起きた幸せな出来事にニコニコと上機嫌のリサだ。


 二人は日々活動しているが、“師匠大好き病”のリサは“彼女欲しい病”のクロイツを見て、何故か心がモヤモヤしている時がある。


 リサの能力が上昇したのか、常に周囲の気配を無意識化でも察知できてしまっているからか、クロイツの視線が奇麗な女性に向かいがちな事を把握できてしまっている。


 現実的にリサの強化に力をあまり割かなくても良くなったクロイツは、確かに今までと比べると視線が泳ぎがちになっている事は否めない。


「師匠……そんなに見ていると、不審者だと思われますよ!!」


 今日も奇麗な女性の……とあるふくらみを凝視していたクロイツに対し、肘鉄を食らわせながら文句を言うリサ。


「う……そ、そうだな」


 もう理解できると思うが、この肘鉄……リサとしてはモヤモヤした気持ちもあって少々強めに打ち込んでおり、高ランカーの冒険者が食らった場合でもそのまま鎖骨は骨折した上で吹き飛ばされているはずで、クロイツだから、テヘッ……と言う程度で済まされているのだ。


 少々気まずい雰囲気を誤魔化すかのように、取り敢えず今日は町の中で昼食をとるべく誘うクロイツ。


「リサ、あそこで昼食はどうだ?」


「良いですね。早速行きましょう、師匠!」


 突然笑顔になるので、可愛いものだと思いつつも後を追うクロイツ。


店に入ると昼には少し遅い時間帯だからか、席にはある程度の空きがある。


「いらっしゃい。新顔さんかな?」


 かなり成長したと言っても、クロイツもリサも未だ少年・少女の域を出ていないので、店員からは軽い感じで話しかけられるのが日常だ。


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