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元王子クロイツとその弟子達の軌跡-史上初のSSランクを従える男-  作者: 焼納豆


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クロイツのダンジョン攻略(4)

「便利じゃねーか。じゃあよ、俺達が1階層に戻ってきたら、住居の階層に送ってくれるか?」


『うん。任せてよ、クロイツ様!』


 ほぼ一日近くを攻略に使っていたクロイツだが、一瞬で1階層に到着する。


「お~、俺の転移魔法のダンジョン内部版ってところか。って、そうそう。未だ俺はダンジョン内部で転移魔法は行使できねーみてーだ。これは外せるか?」


『ごめんなさい。クロイツ様が管理者として活動すればダンジョンの機能で転移できるけど、本人の魔力を使った転移魔法は受け付けないんだ』


「いや、良い。ポチが俺を動かしてくれるだろ?むしろ、取り敢えずはいねーはずだが、俺以外の転移魔法を使える人間が悪さできねー事になるから、安心だ。じゃあ、行ってくるぜ。直ぐ戻るから、住める階層の整備、頼むぜ?」


 ダンジョンから一歩出て、瞬間で消えて行くクロイツ。


『フフ、僕もクロイツ様の眷属(・・)か。これが眷属になるって感覚……良いね。クロイツ様の力も流れて来るし、これからもクロイツ様の為に頑張るぞ!』


 ポチも一瞬でダンジョン最下層に戻る。


 今回の行為が結果的に名付けをしたと言う事になっているクロイツ。


 クロイツを絶対の主とした眷属になっているのだが、主の力がポチにも流れてくる。


 想像以上の力に驚きと喜びを感じながら、絶対の主となった主人であるクロイツの要望に応えるべく深層の改造に取り掛かったのだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「戻ったぜ!」

「お帰りなさい、師匠!」


 信じてはいたがやはりどこか心配だったリサは、クロイツの気配を感じた瞬間に飛びついて行く。


「どうでしたか、師匠?良い場所見つかりました」


「あぁ、安全もばっちりだぜ!リサには、そこの家主を後で紹介するからな」


 他の五人には分からないが、ダンジョンのボスを紹介すると言う事はこの二人だけ理解できる。


「凄いです!もう、ホント師匠は凄すぎです。で、どうやって移動しますか?」


「それなんだが……馬車もねーしな。取り敢えず、軽い荷台を作って俺とリサが担いで脇道に逸れた場所で視界を塞いだ状態で転移だな」


 能力を秘匿しているので、ここだけは非常に小声で話すクロイツ。


「わかりました。五人ですから楽勝ですね。皆さーん!間もなく移動しますからね~!」


 一晩守ってくれっていたリサに心を開いたのか、五人はリサの言葉を素直に受け取り行動している。


 既に一日経過した頃に移動するとは告げていたので、不足しているのは五人を乗せる荷台だけ。


 クロイツとリサは適当にその辺りの家の床板になっている木を軽々と引っぺがし、即席の荷台を作る。


「じゃあ皆さん、ここに乗ってください。私と師匠が運びますが、少し危ない場所も通ります。私達が安全を保障するのですが……そうですね、例えば高い崖の上とか……例えばですよ!そんな所は見たくないでしょう?ですから、本当に少しの間だけ、上から布団を被せても良いですか?」


 説明の途中で不安そうな表情をした五人を見て、慌てて何とか取り繕うリサ。


 五人としては、気遣ってくれている上に命を助けてくれた恩人の言葉でもあるので、指示通りに簡易的に組まれた荷台の上に乗りこみ、言われたとおりに各自が布団を被って外を見えないようにしている。


「じゃあ、皆さん行きますよ。最初は揺れますが心配しないで下さいね」


 前後をリサとクロイツが持ち、ゆっくりと持ち上げて進みだす。


 その移動中、クロイツが五人全員恐怖によって布団の中で目を瞑っているのを確認し、申し訳ない気持ちになりつつも転移を使ってダンジョン前に到着する。


 そのままダンジョンに入ると、今度はクロイツの力ではなくポチの力で転移した。


「ついたぜ!リサ、下ろしてくれ」


 時間にして一分も経過していないので、クロイツの声を聴いた五人は訝しむのは仕方がない。


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