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1-28.「アシュレイ姉の魔法(2)」

「みんなで本を片付けてくれるかしら、簡易な結界を張りますから」

「分かりました」



 姉が、壁際のメイド達に散らかった部屋を片付けるように指示する。

 姉自身は、四方に何かの道具を置いて戻ってくる。


「あれは、簡単に結界が作れる魔道具よ。

 四方に設置して起動させれば、元々入ってる私の魔力と周囲の魔力で硬い壁を作るの。これで部屋は壊れないわね」



 「部屋で魔法を使う為に与えられたのよ」とアシュレイ姉は、俺の心の中で考えていた疑問に答えてくれる。


 姉は俺を床に座らせて、結界の壁に向かって魔法を発動する。


 手のひらの上に、数種類の色の光が現れてそれを壁に放り込むと、数種類の光は互いの色を食い合うようにして燃える。

 あのいくつかの色の光は炎だったようで、若干熱風がこちらにも伝わってくる。



「今のが私の魔法の1つの炎魔法よ。色々な色があって綺麗でしょう? 魔法は魔術と違って『何故なのか』理由が分からなくても使えるのよ」


「魔術だと、色の炎を出すにはその炎が出る理由が分かっていないといけないの。青い炎を出すには、白色、黒色、ピンク色でも何故か分かっていないと使えない。

 でも魔法なら、分からない理屈でも使えるのよ。

 だから私でも、魔術で炎を出そうとしても、ここまで綺麗なピンク色は出せないわ。綺麗だし便利な魔法よね」



 長い説明をしてくれて姉は、水の魔術で焦がしていた床ごと水をかける。

 そして早速、結界を解除して、燃えた時の匂いや煙を風魔術で操って、窓の外に逃がす。



「結界の中で魔法を使う時は出来るだけ一回一回解除しないと、倒れるかも知れないから気をつけるのよ」

「はい」



 風魔術で風を起こして空気を入れ替えながら、姉用の道具の説明をされる。使う予定はあるかも知れないけどさ。





「次は極彩色抜刀術を見せるけど、一応発動しておきましょう」



 風魔術による空気の循環を終えると、数種類の剣を持ってきて再度結界を発動させる。

 結界の発動が完了すると、全ての剣を並べて見せてくれた。



「剣にもたくさんの種類があるの。

 片手で持てるものから両手、小手先で使える短刀。

 私の身長よりも長い剣に、反りがある剣が数種類。剣舞で使う、刀身が丸くなっている剣。

 変わり物だと、簡易に魔術を使える宝石の結晶が付いていて、刀身が魔法を斬る素材の剣。

 抜刀術に最適なのは、片手で持てて反りがある剣なの」

「はい」

「私の白刃の剣も真っ直ぐだから合わないのだけど。『サーベル』とかセルバータ王国の『刀』が最適なの」



 そう言うとアシュレイ姉は見せてくれた『サーベル』と『刀』と剣を下げるベルトを持って立ち上がり、自分でそのベルトを付ける。


 ちなみに、アシュレイ姉の見せてくれた『白羽の剣』は、鞘も刀身も少し赤みがかかっていて、血の色とはまた違う綺麗な色だった。



 少し離れた位置まで離れて、まずはサーベルをベルトに下げる。

 左に下げられたサーベルの柄を右手で持ち腰を落とす。左手で鞘に手を置き右足を出す。


 そして鞘からサーベルを引き出し、斬る。


 鞘から右上に斬り上げられて、剣を返して左下に下される。

 そのまま剣の鞘に収められる。

 凄く速い一撃で、空を切ったはずなのに何かを確かに斬ったみたいな感覚を感じる。



「これが極彩色抜刀術の一。鞘から剣を引き抜いた時の速さで斬る。という技。

 まだ種類はあるけれど、私は抜刀術の練習なんてしていないの。ただ魔法を発動しただけ。

 だけれど、ここまで凄い抜刀術を振るえる。と言うのが私の3番目の魔法よ」



 説明を終えて、下に置いた刀を見る。少し悩んでから刀を下げてもう一度抜刀術を見せてくれる。



「やっぱり、刀の方が抜刀術に向いているわね。私が改造したサーベルよりも抜刀術を扱いやすいわ」



 確かに刀の方がそれっぽかった。

 そして高価な物だからなのか、どうなのか、装飾が金属じゃないのも特徴的だった。

 他の剣とは違う格好良さがあるので、俺もまた手に入れよう。ついでに姉の極彩色抜刀術も真似よう。

 格好良かったし。

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