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1-26.「生まれたばかりの妹(2)」

 いつもの通り食卓に父はいなく、母と兄姉と一緒に朝食を食べ終わる。

 今日も美味しかった。



「ジークはこの後の予定は知っているか?」

「はい」

「楽しみですわよね、私の初めての妹ですもの。ステイシアさまもお綺麗ですし、今から楽しみですわ」


 紅茶の時間。妹と会うのが楽しみなのか、みんないつもより言葉少なめだ。

 そして、母の「美味しかったわ」で朝食が締められる。

 食卓の部屋の扉が開かれ、兄たちから順に部屋を出る。どこに向かうのか、兄たちの後ろについて行く。





「ジークも、今日は剣や魔法の予定はないでしょう?」



 兄たちに続いて城の廊下を歩いている途中、アシュレイ姉が喋りかけできたので頷いて返す。



「ジークも暇でしょう? なら、私の魔法を見に来るのはどうかしら。ジークは剣も魔法も凄く優秀だと聞いたから少し楽しみなのよ」

「はい。分かりました」



 姉と、姉の魔法を見る約束をする。

 姉にはずっと前から誘われていたので、早速姉の誘いを受ける事にする。姉も天才のようなので、その魔法が見れるようで楽しみだ。


 俺たちが話しているうちに、兄たちは急いでいるのか、どんどんと先に進む。

 食卓からも俺の部屋からも離れた部屋の前で兄たちは止まり、扉の前の使用人に対応させる。



「入れ」



 中から聞こえる父の声の通りに、俺たちは部屋に入る。

 中では父とラフなドレス姿の女性がおり、俺たちを待っていた。

 そして部屋の奥には大きなベットがあり、そこで小さな赤ちゃんが眠っている。ここからでは顔は見えない。



「おはようございます陛下、ステイシアさま」

「やっと来たか」

「おはようございます、私のことはお母さまでと呼んでください。そして皆さんもセシリアさんもおはよう」



 モナーク兄の言葉に父とステイシアさまが答える。

 中にいた女性ことステイシア様は、モナーク兄とも母であるセシリアとも挨拶を交わして俺たちにも挨拶。

 部屋に入った俺たちが、ベットの上の赤ちゃんの事が気になっている事に気付いた父が早速ベットの近くに俺たちを招く。



「女の子だ。名前はリズ。「リズ・リート」だ。私たちと同じ青い眼と、ステイシアに似た金色の髪。お前たちの妹だ。可愛いだろう?」

「はい」



 モナーク兄が反射で答えるが、他の皆はセシリア母とステイシア母までも静かに赤ちゃんを見ている。

 転生して初めて、俺を癒してくれた赤ちゃんの俺の妹の容姿は、俺たちと同じ色の眼に、少しだけ濃い金髪の髪。

 父とステイシア母が美形で、俺も兄姉も顔が良いのを考えると、妹であるこの子も将来綺麗に育ちそうだ。


 泣き出さずにスヤスヤ寝ていた妹のリズだが、急に様子が変わって泣き出したので、俺たちは部屋から出る。

 外には数人のメイドが待機していて、俺たちと入れ違いに部屋に入る。

 父は一度セシリア母を見て、



「モナークは私と共に来い、今日の事を説明する」



 モナーク兄を連れて歩いて行った。

 今日の予定と言ったら夕食後の『旅団剣舞』の話だろう。

 セシリア母もハルト兄もそれぞれ部屋に戻るようで、俺とアシュレイ姉と俺たちの使用人だけが残る。


 が、朝早いからなのか俺の3人の同い年専属使用人達は、確かスペンサー家のローザだけしかいない。この子は優秀だな。

 青い眼に銀色の髪。銀色は白色っぽさがない銀色で、朝早いからそう思うのか、将来澄まし顔になっていそうだ。



「では、私の部屋に行きましょうか」

「はい」



 アシュレイ姉と一緒に、姉の部屋に向かう。

 生まれたばかりの妹も可愛かったことだし、姉の使う魔法も楽しみだな。

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