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まじょのなりかた  作者: だいサンsya
序章
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2/2

第壱話:日常1

食事前にいただいきますを言いますか?それとも何も言わずに食べますか?

ゴーン、ゴーン、ゴーン。

(いつものようにきこえるかな。まだおひさまがでてきっていない、さむいひのあさ。わたしはなにもしないで「れーはいどー」っていうところにいかないとダメみたい。なんでかはわからない。

でもとりあえず、せんせーがまいにちあさにおいのり……っていう、おててをあわせてかみさまににおねがいごとをすることをやるの。けど、そんなことしていみあるのかな?)

タッタッタッ、ドーン!

「るーぜ!」

「きゃっ! もー、とめちゃん。やめてよー」

「えへへ、ごめーん」

「ほーんと、つぎはやめてよ?」

「んー、るぜがげんきなかったらどーしよーかなー」

「もー」

「ふふふ」

困り顔な縷是(るぜ)に対し、とても楽しそうな留女(とめ)。

「おーい、君たち! 急がないと間に合わないですよー」

他愛もない話をしている縷是(るぜ)と留女(とめ)に、少し離れたところから男が声をかける。

「あ、はーい」

「わかりました、いんちょー!」

そう言って走り出す2人。

2人が中へ入り、少しの間ののち礼拝が始まった。

礼拝堂の中では私語をしてはならず、もし喋ったら院長によるお説教(本人曰く貴重なお話)が行われる。ちなみに縷是(るぜ)と留女(とめ)はほぼ毎日怒られていた。

礼拝堂は東から光が入る構造になっており、その窓に向かって顔を両手で覆い、見た夢や今日やることを神に報告して安全を願う。それがこの礼拝堂での礼拝の仕方である。

縷是(るぜ)は両手で顔を覆いながら思った。

(きょうは、いつもみたいにとめにはなしかけられてもむししよ)

すると、隣から小声が聞こえてくる。

「ねーね、るーぜ。はーなそー」

(……)

「ねーえー、るーぜー」

(うるさいなー。けどがまん、がまん。きょうこそはおこられないぞ。ん? まぶし……)

パンッ!

「はい、みんなおしまい。体を清めたらすぐ食堂に来るように。あと、留女(とめ)は残りなさい」

ちょうど窓から光が差し込んだ瞬間、院長は手を叩いて解散の合図をした。

「えー! いんちょー、なんでー?」

「何度言えばわかるんですか? 礼拝中の私語はいけません」

「なんでー、ぶーぶー」

「文句を言わないの」

「えー、るーぜー。たすけてー」

「ふふ、がんばれー」

「えーっ」

不服そうな留女(とめ)と、楽しそうな縷是(るぜ)。

そして少し困り顔の院長を礼拝堂に残し、子どもたちは喋りながら清め場へと向かった。縷是も遅れてそのあとに続いた。

 * * *

体を清めた子どもたちは、全員食堂に集まった。

食事は子どもたちが協力し合い、不平等がないよう1人ずつ分配される。

「みんな、手をあわせて」

「「「「いただきます!」」」」

食べきれない場合は食べられる子が食べても良く、双方の同意があれば自由にして良いルールになっている。子どもたちはなぜこんな規則なのかよく分かっていない。

ちなみに縷是(るぜ)はいつも半分くらいしか食べられず、逆にたくさん食べる留女(とめ)にいつも分けていた。

「わー、るぜ、いつもありがとー!」

「ぜんぜんいいよ。ごめんね、わたしのぶんまでたべてもらって」

「るぜがあやまることじゃないよー! たべきれないのはしかたないことって、いんちょーもいつもいってるじゃん」

「んー、そう? でもいつもありがとう」

「んはは!」

そんな会話をしているうちに、子どもたちは食事を終えていく。

「みんな、手をあわせて」

「「「「ごちそうさまでした!」」」」

「みなさーん、片付けたら講堂に集まってくださいねー」

「「「「はーい!」」」」

食堂全体に響き渡る声で連絡する院長と、食器を下げながら元気よく返事をする子どもたち。

……そして、食堂の中央でひとりうずくまる留女(とめ)であった。

ご覧いただきありがとうございます。

不快だと感じたならば批難しても構いません。

もしお気に召していただけましたら、次回もお読みいただけますと幸いです。

誤字脱字があるならばご指摘お願いします。

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