話しかけるな
ティーダ、、、
伊達、、、
そして冒頭に戻る。
スーに用事を頼むと、たまに問題が起こる。
ほとんどが、スーの顔の怖さによるもの。
ある時は人さらい、ある時は殺人鬼、またある時は強盗。
とにかくいろんな悪人に間違われる。
今回は、人さらいだったが。
スーを人混みと、街の衛兵から引き離してほっとしたのも束の間。
「また何かやらかしたのか」
笑いを含んだ声で話しかけてくる男がいる。
無視して通り過ぎようとすると、腕を掴んでくる。
「離せ」
僕は誰とも関わりたくないんだ。
さっきの騒ぎを見ていただろう男は、それでも離さない。
「アルトはつめてーなー。そんなんだから友達できねーんだぞ」
そう言って僕の頭をガシガシなでる。
友達なんて欲しくない。
「スー、どう思うよ。やっぱり子供には友達が必要だろ?」
スーは冷静に答える。
「友人は、人間が人間らしく生きる上で必要な存在だと思います」
「だよなー!というわけで、俺が友達になってやるから、安心しろ!」
そう言って親指を立てるこのバカ。
ティーダは、バカな街の衛兵の1人だ。
以前の衛兵は、森の魔物討伐でほとんどいなくなって、今は中央から来た奴らが衛兵をしてる。
ティーダも、元々は中央の人間だ。
衛兵としての仕事の期間が終われば帰るだけ。
新しく来た衛兵の隊長だって、そうだ。
みんな、しばらくすれば入れ替わる。
その間、こいつらはいばって楽しく過ごすだけだ。
「なあ、アルト。飯食いに行こうぜ。俺ら友達だろ?」
馴れ馴れしく肩を組んでくるティーダの手を払う。
「いかない」
冷たく言い放つが、このバカには効かない。
「あー、スーがいるからな。じゃあ、仕事が終わったらお前んちに行くから、ご馳走してくれよ。材料費はこんくらいでいいか」
返事を聞かずに、僕の服のポケットに銀貨1枚をねじ込む。
「いらない!家にも来るな!」
返そうとするが、ひらりと逃げて、もう通りの向こう側へ行ってしまった。
僕は、今では冒険者ギルドでのランクBまであがっている。
相当強いはずなのに、ティーダには、なぜか逃げられる。
とにかく逃げ足だけ早いんだ。
衛兵の中では使いっ走りだと言っていたから、普段から走っているんだろう。
渋々、銀貨をしまう。
お金は悪くないし。
そのついでに、買い物も済ませる。
スーでは買えなかった僕の服や肌着、それに夜ご飯の材料。
サンドウィッチマ〇が好きです




