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なんだよ、これ
僕の心に良心が
「なんだよ、これ」
呆然とした僕の口からこぼれ落ちたのは、それだけだった。
あたりには血の匂いが立ち込めていた。
獣ではなく、人間の血。
森の中の少し開けた場所。
そこに、5人程の人間が、重症を負い倒れていた。
どの奴も冒険者らしい格好だが、無惨に腹や足、肩や腕など、獣の爪や牙で裂かれた跡から血が流れ出していた。
こんな瀕死の重症、僕のポーションじゃ、なんの役にも立たない。
かすかに虫の息をしている者に恐る恐る近付いた。
出血多量で、おそらく目も見えていないのだろう。
ぼんやりと僕の方を見ている。
「死神か、、、」
かすかに、掠れた声で、そう聞こえた。
他の者も、間もなく息絶えるだろう。
そう誰もが諦めて死を待つ空間。
きっと、もうすぐ魔物が戻り、群れで食事の時間になるのだろう。
僕も、ここにいれば巻き込まれる。
早く立ち去らなきゃ。
そう思うのに、体は動かなかった。
僕はフードを下ろして、微笑みかけた。
「ちがうよ、天使だよ」
そう答えると、男は一瞬だけ目に生気を宿して、微笑んだ。
「じゃあ、天国行けるな」
僕は微笑み返して、ポーションを作り始めた。
僕の邪眼が疼くぜ!




