スーと僕
長編小説になる予感しかない
あるだけの魔力を、スーに注ぎ込む。
もう、こんなに注ぎ込んだら、魔法使えなくなるし、多分、倒れる。
そのくらい、限界まで、注ぎ込んだ。
僕の魔力は、髪と同じ銀色。
スーが、銀色に輝く姿が、なんだか死んでいくように見えて。
ホムンクルスに死があるかどうかなんて知らない。
でも、僕の味方は、このスーしかいないし、スーが居なきゃ僕はきっとこの世界で生きていけない。
そう思うと、余計に焦って、手を休めることが出来なかった。
そうして、スーにありったけの魔力を込めて、ボクは意識を失って倒れた。
「主」
ん?何か聞こえる。
「主、朝です」
あーる〇ー?あるある言っちゃう?
「おはようございます」
うっすら目を開けると、目の前に、視線だけで人を殺せるような悪人面。
一瞬、意識が前世に戻っていた僕は、超絶ビビる。
頭の中身を今世に戻して、ああ、スーか、と落ち着く。
「スーおはよう」
あくびしながら答える。
ああ、今日もギルドの依頼をこなして、、、
朝飯は、昨日買ったパンがあるから、、、
、、、
あれ?
ん?んん?ちょっと待て。
ちょ待てよっ!
〇ムタク?ちげーよ!
スー、しゃべった?
ゆっくりとスーに視線を合わせる。
にこりともしないスーは、僕の寝台横にしゃがみこんで、僕の様子を見ている。
「スー、お前、、、しゃべれるの?」
「はい、私の主。主の力で、話すことが出来るようになりました」
ゆっくり、音声案内のように起伏の無い声で答える。
「マジか、、、」
嬉しいのか、驚いてるのか、何がなんだか良く分からない感情が、僕の中で渦巻く。
「私は嘘はつけません。ホムンクルスは、嘘はつかないように定められています」
「しゃべってる!すごい!スーすごいよ!!」
僕は興奮して、スーに抱きついて、強面のマッチョを、全力でなでなでした。
たすけてー