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かみさまのミス

「あうぁ」


 うーん、おはようございます。

 気持ちのいい朝ですね。

 青空が広がって清々しい気分にさせてくれます。

 こんな日は朝から散歩をするのもいいのではないでしょうか。


 ......うん、そろそろ現実逃避は辞めよう。


 わたしは心のどこかで昨日の出来事は夢なんかじゃないかと思っていた。

 なんか、いきなり森の中で物心ついて、虫とか両生類と戦ったりなんて普通、赤ん坊はしないからね。

 朝、起きたら夢の出来事なんか忘れて楽しい赤ちゃんライフを送っていると思っていたんだけど、そんなことはなかったよ。

 まあ、それはいい。

 わたしはここで生きていくしかないんだから、ある程度は覚悟していた。

 わたしの目の前にはもっと意味の分からない光景が広がっているのだ。


 わたしの周りをくるくると回りながら踊っている深緑の生物。

 人型でありながらその醜悪な外見と弱い力、そして強い繁殖力で知られる魔物。

 ゴブリンがわたしを中心にして、謎の踊りをしている。


 なにこれ。

 なんでこんなことになっているんだ?


 ーーメールを受信しましたーー


 わっ、メールが来た。

 かみさま?



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 タイトル:ちょっとした手違い

 差出人:かみさま


 おはようございまちゅ。

 寝起きで混乱している赤ちゃんも可愛いでちゅねー。

 そんな赤ちゃんにちょっと謝らなければいけないことがありまちゅ。

 先日あげた〈安眠クーファン〉なのですが、製造ミスで、ちょっとした欠陥があることが判明しちゃいまちたー。

 効果事態は発動しているのですが、ちょっと〈安眠クーファン〉からかみさまパワーが漏れちゃっているようでちゅー。それ故、この辺りが一種のパワースポットみたいな感じになっていて、かみさまパワーに惹かれたゴブリンたちが集まってきてしまったようでちゅ。〈安眠クーファン〉の隠ぺい効果事態は発動しているので、赤ちゃんが見つかったり、襲われたりすることはないのですが、このままだと身動きが取れないかと思いまちゅ。

 そこで、お詫びにプレゼントを上げまちゅね。

 頑張って切り抜けてくだちゃい。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ーー〈電電太鼓〉を手に入れました--


 うおぉおお、かみさまぁああ!!

 なにやってんのぉおお。

 いや、かみさまのおかげで死んでいないし、安眠できたけど、このっ、このっ。

 怒るに怒れない。

 はぁ、いったん落ち着こう。

 かもさまも、ここにいる限りは安全だって言っているし。

 落ち着いて、ミルクを飲もう。

 ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。

 ふぃー、うめー。

 〈無限哺乳瓶〉のミルクもおいしいな。

 味は普通って書いてあったけど、十分すぎるくらいに美味しい。


 さてと、どうしようか。

 ここにいる限りは安全だ。

 だったらずっとここにいればいい。

 安全だし、ミルクもある。

 生きていくことはできる。

 できるんだけど、そんなことは絶対にしない。

 こんな小さな空間の中で生きていく?

 冗談じゃない。

 生きるために生まれてきたわけじゃないんだ。

 それにわたしはお家に帰りたい。

 だから、なんとしてもここは突破する必要がある。

 そのためにも今わたしにできる事をしよう。


 〈電電太鼓〉

 レアリティ:ミソロジー

 効果:電雷、不滅

 解説:赤ちゃんのためにかみさまが用意した太鼓。太鼓に衝撃を与えれば与えるほど強い電撃を放つことが出来る。ただし、徐々に勝手に放電される。MPを消費してある程度の電撃の操作も可能。



 うん、これは使える。

 この状況を突破するためにかみさまがくれただけあって、非常に強力な武器だ。

 今の所、頭突きしかできないわたしの取っては数少ない戦闘手段になる。

 形状は、棒状の持ち手が付いた小さな太鼓の両側に紐があって、その先に玉が付いている。

 持ち手を回せばいいのかな。


 でんでんでん。


 おお、鳴った。

 ちょっと楽しい。


 えーと、それで先っぽから電撃が放たれると。


 ぱちっ。


 よわっ。

 え、これだけ?

 いや、ちょっとしか鳴らさなかったからだ。

 もっと何度も鳴らせば電撃が溜まっていくはず。


 でんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでん。


 これくらいならどうかな?


 バリバリ。


 さっきよりも明らかに強い。

 雷が目に見えたし、音も大きい。

 よし、ここにいるうちは安全だし、どれくらい使えるか、確かめてみよう。


 そしてわたしは可能な限り〈電電太鼓〉について調べた。

 分かったことは以下の事だ。

 ・太鼓を鳴らせば鳴らすほど雷が溜まり、強い電撃を放つことが出来る。

 ・距離は電撃の強さに比例すると思われる。

 ・ただし、時間と共に溜まった雷は消えて行くので、溜められる雷に限界はある。

 ・MPを使って電撃の操作は可能だが、現状ではほとんど直線に進むだけ。


 あと、調べてる途中に称号に『電撃使い』とスキルに『電撃操作』が手に入った。

 称号はいまいちよくわからないんだよなぁ。

 なんか、『創造神の加護』っていう称号もあるけど、にか影響があるのかはさっぱりだし。

『電撃操作』については今の所レベル1だけど、レベルが上がっていけば、〈電電太鼓〉の電撃を自由自在に操作できるようになるかもしれない。


 さて、こんな所か。

 〈電電太鼓〉を調べていた時に減ったMPも回復したし、HPも全快。

 やれることはやった。

 カブトムシ、カエルと来て、いきなりゴブリン三体と難易度は跳ね上がっているけど、わたしならやれる。

 いざいかんっ!!







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