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ⅩⅠ-合成

お待たせしました!



――魔力波を検知……第2ウェーブが始まったようです――


「うそ、どこどこ!」


――入り口から100m北西の地点、複数の魔力がこちらに向かって来ています――


「あ、いた!5体いるな……ってか何あれ?きもい……」


――キマイラと推定されます。左から虎型、牛型、ヒト型、亀型、恐竜型でしょう。5体全てのキマイラが10種以上の生物を合成しているようです――


「全て?真ん中の女の人は普通に見えるけど……」


――通信です。

『ぁたしはグウェン。魔王軍防疫研究所直轄部隊の隊長をやってるわぁ。ぁなた、イェルスの傀儡部隊を一掃したそぅじゃなぃ。面白そぅだから、ぁたしが直々に行ってぁげるわぁ。たのしみに待っててねぇ!』

……とのことです――


――なんと幹部直々にあなたを殺しに来るようですよ。よかったですね――


「え……ヤバいじゃん、どうすんだよこれ!勝てるの?」


――グウェンは元々ゴブリンでしたが魔王軍の研究者たちが改造に改造を繰り返すことで圧倒的強化をなされています――


「え、ってことは真ん中の一番普通そうなのやつが幹部ってこと?」


――外見は一般的な女性の魔族ですが、中身は全く別物。歪な進化や変異、改造を繰り返す異形の怪物です。

彼女がドラゴンだとすれば、あなたはアリの糞以下です――


「無理ゲーじゃん……」


――精々あがいてください――


『こんにちはぁ!ぁたしのこと、見てるんでしょぉ?今からそっちにぃくからねぇへへ』


「ねえ、位置ばれてるんだけど!?」


――あたりまえです。あなたの魔力波は上層部に公表されています――


「僕のプライバシーがないんだけど!?」


――それよりも彼女たちについてですが、実はキマイラは少々厄介な性質を持っています――


「どういこと?」


――ちょうど今、彼女たちが最初のトラップに接近しています。よく見ていてください――



『ここがぁなたのダンジョンねぇ。ふふふ、すぐにそっちに ぃってぁげるわぁ。ほら、ぉ友達もぃっぱぃ、ぃるよぉ?』

『グルルル』『キシャァッ!』


『進みなさぁぃ!』


『グギャアア!』『ブモォウ!』


――毒ガス地雷、作動します――


カチッ ポンッ


『ギャァア!?』


シュルル……ブシュウウウウウ!


『グギャア!?』『ケシャ!?』

『っ!なぁにこれぇ?煙?……ちがぅ。これぇ、毒だわぁ。こんなことされたら、ぉともだちが死んじゃぅじゃなぃ!』


『キシャァ……』『ブモォ……』『グギギィ……』


『たぃへん!ぃま、なぉしてぁげるわぁ!……《旋風刃(スパイラルスラッシュ)》!』


ザシュッ、ザシュシュシュシュッ!


『『『グギャア!?』』』

『これで、だぃじょぅぶだわぁ!』



「あいつ何してんの?仲間斬ってるんだけど!?」


――どこを見ているのですか?注目すべきは斬られた方です――


「え?斬られた方って……嘘だろ?再生してる……?」


――これが彼らの厄介な点です。再生能力においてはスライムに次ぐ能力を持っています。グウェンはそれを利用して毒にあたった部位を全て切り落としたようです――


「そんなめちゃくちゃな……」


――グウェンらが移動を始めました。呆けてないで集中してください――



『ここは迷路ねぇ。毒が効くまでの時間稼ぎといぅゎけねぇ、悪くないわぁ。……あらぁ、おかしぃわぁ?魔力が回復しなぃじゃなぃ』


『まぁ、それはぃぃとしてぇ、出口はどこかしらぁ?』




『グルルゥ……』


『あら?トラ吉、顔色が悪ぃわぁ』


『ガゥゥ……』


パタリ……


『どぅしたのぉ?ぁなたは、デス・スネークの因子を持ってるから毒は効かなぃはずよぉ?』


『グルルゥ、グルルゥ……』


『死にそぅなのぉ?待ってぇ!ぃま、ぁなたに死なれたら困るわぁ!……でも、ここまで毒が回ったら、斬りぉとせなぃわぁ。だから、魔法を使ってぁげるぅ。《キュア・ハート》!』


パァァッ……!




「待って、魔法使えるの!?」


――あたりまえでしょう?使えない魔物の方が珍しいです――


「マジか……」


――しかし、解毒魔法ではこの毒は治せないでしょう――


「へ?なんで?」


――解毒魔法は魔法で作製した毒にしか効果が無いのです――




『ガゥゥ……』


『うそぉ?効ぃてなぃわぁ!……ねぇトラ吉、まだ戦ぇそぅかしらぁ?』


『キュゥーン』


『そぅ。じゃぁ、しょうがないわぁ。さょなら、トラ吉。《因子(アブゾーブ)吸収(・ファクター)》』


グジュウゥゥ……ドロリ

ぐちゃあ


『ぃただきまぁす』


ぐちゅ……

グジュルルル……ジュルッ

ジュルル……



「うえぇ!?今度は仲間を溶かして食ってる!?」


――何か問題でも?あれはキマイラの生態としては普通の行動です――


「仲間を食うのが普通なの!?」


――彼らは特殊なスキルを持ち、瀕死の相手から能力を奪うことが出来ます。ですから、仲間が瀕死になると積極的に吸収しようとするのです――


「きもい習性だな……」



『ふぅ、ごちそうさまぁ!それじゃぁ、ぃきましょぅかぁ!』

『ケシャァ!』『グギャアア!』



――そろそろセントリーガンと地雷のエリアに来ます――


「はやっ!もうかよ……」



『出口、見つけちゃったぁ!』


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