第5話 氷の彫刻②
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? 「いいか?お前は俺の命令に従え、お前みたいな人間を娶っただけ感謝しろ」
? 「は、はい…」
? 「これからは全て俺の指示通りになってもらう、お前の自我も意見も要らない」
? 「…はい」
? 「さて…、まずはどうしようか…、あぁそうだ、まず今から言うこと通りになってもらおう」
? 「なんでしょう…?」
? 「ーーーーーーーーーーーーー」
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リリアンはルアンの元へも一応挨拶に行くために、夫人に案内してもらっていた。
リリアン 「すみません公爵夫人、お忙しいところ…、お疲れでしょう?」
夫人 「なにいってるの、そんな事ないわ、私から申し出たんだから気にしないで」
夫人は年齢で言えば50代半ば辺りだろう。しかしそんな事を微塵も感じさせない見た目の若々しさとピシッとした姿勢を見て、リリアンも自然と背筋を伸ばした。
夫人 「今日はこの後しっかり休んで頂戴ね、これからは私の仕事を少し手伝って頂こうかと思っているの、明日は沢山教えることがあるから楽しみにしてて頂戴」
リリアン 「は、はいっ」
リリアン (私のお母様と違い、優しく寛大なお方だけど芯は凄くしっかりしていらっしゃる…、さすが公爵夫人だな…)
しばらく歩いていると美術品が立ち並ぶエリアに入った。
リリアン 「わぁ…、凄いわ…」
夫人 「全て著名な画家や美術家が創った一級品よ、あっそうそう、これを見て」
夫人が示した方向を見ると、氷のような素材で作られた人の形の彫刻があった。
リリアン 「わあすごい…、本物の氷みたいにキラキラしてる…!あら?この彫刻の人物…」
夫人 「あぁ、これは私がモデルなのよ」
リリアン 「ええっ?!」
確かによく見ると夫人の顔だ。それに背丈もほとんど同じだった。
夫人 「これは夫が作るように頼んだのよ、結婚する前か少し後か…、ちょっと忘れてしまったのだけど」
リリアン 「こんな目立つように…、とても愛されていらっしゃるのですね」
夫人 「ええ、この彫刻の名前はグラスと言うの、まあ私の名前のまんまなんだけどね」
リリアン 「グラスという名前にちなんでこの像を作るだなんて…、神秘的ですね!」
夫人 「あらやだ、なんだか惚気話みたいになっちゃったわね」
夫人は照れくさそうに笑った。
リリアン (結婚当初から愛されていたなんて珍しいな…、でも夫人ほど美しい方がいたら惚れてしまうのも当然ね)
夫人 「ごめんなさいね脱線しちゃって、もうすぐルアンが居そうなところに着くから行きましょう」
その後も軽く談笑しながら進むとテラスに出た。
リリアン 「…?テラスですか?」
夫人 「ええ、テラスの右側に階段があってそこから1階の中庭に出られるのよ、降りましょう」
階段を降り、中庭へ入ると、
リリアン 「あっ…」
ルアンがいた。どうやら稽古の最中のようだ。少し離れたところで剣を使って木で作られた的へと攻撃している。
夫人 「ルアンー」
夫人が呼びかけるとこちらを向いた。夫人の顔を見ると一瞬顔が明るくなりかけたがリリアンを見てふっと目を背けた。
リリアン (そんな明らさまにしなくても…!)
リリアンは内心苛立ちながら夫人と共にルアンの元へ寄る。
夫人 「今日からリリアン嬢がここに移り住むことになったわ、貴方にとっての伴侶で私達にとっての新しい家族よ、そして挨拶にきたの」
リリアン 「…、改めてご挨拶させて下さい、ロズワード家のリリアンと申します、これからどうぞよろしく」
ルアンはフッと息を吐き、
ルアン 「挨拶になんか来なくていい、ご機嫌取りでもしに来たのか?そもそも来なくていいからここで稽古をしていたんだ」
と冷たく告げた。
リリアン (な…、なんでこんなに毛嫌いされるの?!なんっにもしてないんだけど!!)
夫人 「ルアン!なんて事を言うの、いつもいつもそんな事ばかり言って、リリアン嬢は素敵なお嬢さんじゃないの」
ルアン 「俺は無駄に関わられるのが嫌なだけです」
夫人 「まだそんなことをー」
リリアン「公爵夫人、大丈夫です」
言い合いを続ける2人にリリアンは言葉を挟んだ。
リリアン 「…ルアン様すみません、忠告して下さったことを守らず、自分勝手にプライベートに入り込んでしまって」
夫人 「リリアン嬢…」
リリアン 「でも私もルアン様に思う事はあります、何かしたら謝りますが、私としては何もしていないのに無意味に毛嫌いされている、そんな印象をあなたに持っています」
ルアン 「…」
リリアン 「私はこれから本当にあなたに対して何もしません、ですから何にも理由がないのなら明らさまに毛嫌いするのはやめてください、そんな事されたらほとんどの女性は不快になります」
ルアン 「…、」
リリアン 「稽古に励んでいるところ邪魔をして申し訳ありませんでした、公爵夫人、戻りましょう」
リリアンはキッパリとそう告げ、夫人とともに中庭を去った。
夫人 「本当にごめんなさいね、対面の後も注意はしたのだけど、どうにも直らなくて…」
リリアン 「いえ、夫人が謝ることじゃないですよ」
使用人 「公爵夫人!すみません」
廊下を少し進んだ時、使用人の女性が声をかけて来た。
夫人 「どうしたの?」
使用人 「すみません…、とある文書がどこにあるのか分からくて…
夫人 「あら…、そうなのね、ごめんなさいリリアン嬢、ここから自室まで戻れるかしら…?」
リリアン 「はい、来た道を戻るのは分かります、どうぞ行ってあげて下さい」
夫人 「ありがとう、ごめんなさいね」
夫人は使用人と一緒に別の通路へと進んで行った。
リリアンはそのまま来た道を戻り、さっきの美術品の所へと入った。
リリアン 「綺麗な彫刻…」
リリアンは夫人の彫刻のところで立ち止まった。
リリアン 「愛されていたからか…、作って貰えたのは…」
氷といえば溶けてしまうが、敢えて溶けない素材で氷と名乗ったのは、溶けない愛情という意味なのだろうか…
そんな事を考えていると
ルアン 「こんな所で何をしているんですか?」
リリアン 「あ…」
続く…
こんにちは、咲桜菊です!②でこの話については終わろうと思ったのですが…、意外と長くなっちゃいました( ; ; )すみません!次で終わらせます!では次話をお楽しみに⟡.·




