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2人には客間を使ってもらうことにして金貨を20枚ほど渡しといた。
村なり街なりに行けば衣類は整うだろう。
あのお祖母様の椅子で微かな残留魔力を温もりとして味わいながら本を読んでいたら後ろから話しかけられた。
話しかけてきたのは、銀色の髪を後ろに束めた少女だった。
…………誰?
そう問うたら、少女はイムルですよ、と目を潤わせながら答えた。
イムル?!、死んだんじゃなかったのか……。
あっ、スライムは核を壊されない限り死なないんだっけ。てへっ。
まあ、勇者の魔力を得たようで何より、というか勇者の性別が今更ながら分からなくなってきた。後で2人に訊こう。
イムルとお風呂で洗いっこするんだもん。イムルにお酌して貰うもん。




