05-魔法少年の身体検査
ゆーき少年の学力検査が続きます。
「……計算能力というか、暗算能力は5ケタ同士のかけ算が余裕くらいかな?記憶力自体も強化されているようですね」ざっと解かせた問題をついついと見ながら、おかーさんが言います。
「うん、一度覚えると、結構忘れられないようです。気持ち悪いくらい、算数?の問題も答えがでてきます」自分の頭の良さが上がっているのを実感して、びっくりしているゆーき少年です。
「……コツを掴んでいるというよりは、脳みその計算速度が早くなっている?いわゆるCPUのクロック数が上がっているような感覚ですかね?単位時間辺りの計算回数が稼げるので、学習効率が上がっているのと、単純に記憶力の強化と、疑問点の解消やら、問題を解決するための試行が短時間で行なえるから、学力が上がって見えるようですね」ついっと伊達眼鏡を指先で上へ上げながら、おかーさんは言いました。
「うん、学校の宿題もさらりと終わってしまいました。夏休み前には結構、うーんと頭をひねっていたようなきがするんですけど?びっくりです」
「まあ、いまさら、この程度の問題、苦労しないよね。……作画能力とかどうかな?」ひょいと、絵筆を読み出して、タブレットを渡してみるおかーさんです。
「ええと、風景画でいいよね?旅行先の景色だけど、ちょっと描いてみようか……」
「なるほど、過去の記憶も繊細なところまで引き出すことが出来ると、能力の上昇した時点でなくて、記憶に関しては、思い出すところにも補正がかかっているのかな?すなわち、記憶自体は人間できているけれど、その記憶の扉を開けることができなくなっているという推論が、証明できたということかしらね?」さらさらと、指で絵を描いているゆーき少年を見ながら、考えを口にするおかーさんです。
「あーでも、写真のように描くことはできるけど、芸術?という感じにはなりませんね?」ざっと書き上げた風景がを見せながら、ちょっと笑います。
「まあ、絵画はそれなりの感性というか、テクニック?がいりますからね。相手の心に畳み掛けるおいうか、えぐりつけるというか、そのような、いっそ暴力的といってもいいくらいの、衝撃を与える絵というのは、なかなかに難しと思うよ?」語るおかーさん。
「そだよね?えーと、こんな感じかな?」ちょっと教科書にのっているような有名な絵を模写してみるユーキ少年です。
「……そうね、こんな感じかな?この線で、この辺りのデッサンを少し崩してみて、で色遣いをこうすると……そうそう、そっくり。まあ、オリジナルは越えられないというところだけど、それっぽい絵はかけるし、練習すれば、かなり味のある作品が描けるようになるきがするね……あ」優秀な作画アシスタントができたかも?と小さく呟くおかーさんでした。いや、肌色がおおい漫画のアシスタントは年齢的に無理なんじゃないですかね?お父さんに叱られますよ?
結論から言いますと、脳みそのスペックもうなぎ上りでありました。
「経験が足りないから、その使い方がまだまだ稚拙?ようち?問題がある?不安が残る?けど、まあ、それは色々やってみたり、補完していけばいいかな?とりあえず、参考文献を色々読んでおいてね、時間はそれほどかからないだろうし」さくさくと、文献をタブレットに送るおかーさんと、それをざっと斜め読みをして、頭に入れていくゆーき少年です。
「あ、この文章見覚えがあるね」
「有名だからね、帝王三原則」そっちですか?それ参考文献としては間違っています……よね?ひかなかったり、こびなかったり、かえりみなかったり、するのはどうかと思います。
「宮本武蔵と、諸葛亮公明と、あと、もろもろの戦術論は基本としておさえておいて……であくまでも生兵法は大けがのもとという認識を根底におきつつ、キャスバルさまの様に、大胆かつ大胆に行動してくださいね」
「いや、最後マズいんじゃないかな?」さすがに有名どころのキャラは知っているユーキくんです。というより、初期三部作と映画版をマラソン視聴に付き合わされた記憶がよみがえります。
「ゆーき君のパラメタを例えるならば、ちから255、すばやさ255、かしこさ255、などなどかなぁ、あと成長補正もあるみたいだね、この学習能力の高さは並の天才レベルか秀才の高ランクくらいかなぁ」
「おかーさんくらい?」
「ふ、それはまだ届かない」よね、さすがに息子に経験面から抜かれるとかあり得ない……ような気がするけど、まあ。
「それと、方向性が違うので、競えない?と思うよ」と続けます。
「ふーん……、あおかーさん。お腹がすいてきました」
「あ、結構時間が経っていますね、夕食どうしましょう……冷蔵庫の中身で適当につくりましょうかね?」さっくり食材の、脳内検索を行ないます。
「チャーハンですかね?ベーコン、卵、タマネギもろもろの」
「好物です。おかーさんのチャーハン」嬉しそうな笑顔です。
「あー食欲とか、そうゆうのは、若干上がっている程度なのかな?」普段の2倍近くの量を美味しそうに完食したユーキ君にほうじ茶を出しながら、おかーさんは言いました。
「うん、なんだかまだ食べられそうだけど、満足?八分目くらいで止めておこうかな?という感覚ですね」ちょっとぽっこりしたお腹をさすりながら、ほうじ茶を頂くゆーき少年です。
「消化吸収能力とかも上がっているのですかね?効率よく栄養が取れるようになっていて、出力へのエネルギーを補充しているような、そんな感じなのかも知れないです。とにかく、出力に比例して、カロリーが必要にならなくて良かったですね、おもにエンゲル係数的に」
「?」不思議な表情になるユーキ少年です。
「つまりね、いつもの10倍くらいの力をだせるようになったけど、いつもの10倍以上に食べなくてはいけなくならなくてよかったね?という意味だよ」
「あー」
「野菜を語源にした、尻尾のある、異星人の主人公みたく、一食で飲食店の在庫を一掃するくらい食べられてしまうと、お金がいくらあっても足りないのですよ……世知がない話ですが」
「武道大会の優勝賞金が一回の外食で無くなったんでしたっけ?古い話題です」
「……ついてきている10歳児童がここにいる件について、英才教育し過ぎたかな?まあ、ゆーき君の肉体能力としては、あの時代かその少し後くらいの、あの漫画の主人公クラスと思っていればいいのかも知れないですね?
「あーあれくらいかー、確かにそんな感じですね」
「知力とか頭脳関係なら、その話にでてくる伝統的女子体操服(下半身)の名前がついている、某女科学者くらい?か、むしろその前作の焼き米菓子の名前とおんなじ、田舎町のマッドサイエンティストくらいはあるかなぁ」
「微妙にそっちは想像しづらいです、客観的にみてどのくらいできるのでしょうか?」
「ええと感性で破壊光線銃を作成できたと思ったら赤外線放射装置だったレベル?」
「もっとわかりにくいです」
「それは冗談として、ノンフィクションより、フィクションよりのふざけた性能を誇れると思うよ?いや、存在がふざけているというわけでは……あるいみふざけた存在なのかな?」
「ええと、叱られている?」「訳じゃないね……客観的にみてどうこうという表現がし辛いのだよね、頭の良さというのは……まあ少なくとも年相応レベルは越えているかな?いわゆる頭脳は大人とという……いや経験が追いついていないし、みょうに知識にバイアスがかかって偏重しているから、そうとも言い切れないのかなぁ」知識が偏っているのは、おかーさんのせいだと思います。
「うーんなんかもやもやしますね?」
「ところで、食欲は若干の増加があったみたいだけど、睡眠よくとか、ほかの欲求とかはどうなのかな?」人差し指をちょっとたてて、質問をします。
「うーんとね?それほどかわらないかな?ちょっと眠りが深くて短時間で満足するようになったかも?あと、なにかが欲しくてたまらないという気持ちは……あまりないかな?夢の世界へ行く前と変わらない……と思う」ちょっと目をつむって考えてみるユーキ少年です。
「奇麗なお姉さんをみてどう思う?」
「?奇麗だなぁ?」
「……なるほど(性欲とかはまだまだ遠い世界の話なのか?未発達なだけなのか、性格なのかはちょっと判断つかないかなー)」呟くおかーさんでした。
「どうしたの?」
「……よし、今日は久しぶりにいっしょにお風呂にはいりましょう」
「話の流れがよくわからないけど、それはちょっと嬉しいかも。ひさしぶりな気がする……あ、でも夢の世界でも結構、みんなといっしょにお風呂は結構はいっていたから、そーでもないのかな?」
「うん、その辺りのことも詳しく聞かせて下さい、身体の変化とかも見ておきたいし」
「ええと、おかーさんといっしょいお風呂に入るのは好きなんだけど、あまり色々なところは触らないでよ、くすぐったいから」ちょっと慌てるゆーき少年です。
「うん、そのうち気持ちよくなるよ、げへへ」いやその真顔でその台詞はかえって怖いのですが、おかーさん。
胸が薄くて、身長も低い、まるで少女のようなおかーさんが、美少年の息子の細い顎に小さな手を添えて、見つめています。で台詞があれです。ええ、なんというかもう、背徳的な雰囲気がだだ漏れているわけで。
お風呂を湧かしていっしょに入りました。広めのお風呂+小柄な二人なので、ゆったりとできるので、問題ありません。広さを確保したのは、色々と参考画像をとるためだそうです。何の参考にするのかって?聞かないでください、恥ずかしいし、子供には聞かせられません。
唐突ですが、おかーさんとおとーさんは、今も恋人のようにラブラブです。参考資料の撮影相手とか、組み合わせのパートナーとかも今でも結構頻繁に付き合ってもらっているようです。もちろん個人的にも楽しんでいるそうですよ。ええと、何を?
……3人でお風呂とかも、頻繁ではないですけど、最近もしています。健全な裸の付き合いですね。
閑話休題。
色々詳しくお風呂の中での出来事を描写すると、ここでは書けなくなるので、まあ、その辺りはさっしてもらうことにしていただけると、嬉しいです。
……でもまあ、少しだけ?見たいですか?
ちょっとだけよ?あんたも好きね。……この台詞が午後8時代の茶の間に流れていた時代は確かに存在したのですよね(遠い目)。
「へえ、ちょっと大きくなったかな?」
「おかーさんくすぐったい……」
「あ、おっきくなった(何が!?)……傷とかはないみたいね?」
「……夢の中では、ちょっとした擦り傷ならすぐに治っていたし、ちょっと怪我をしたり調子が悪くなっても、魔法で治してもらってたから?そもそも夢の中の怪我とか起きても残っているわけないような気もする?」
「まあ、でも身体への影響は夢?の世界での出来事が原因だろうし、ちょっと心配だったのよね、あと、みょうなところに痣ができているとかないかな……頭に666とか?」
「そのネタわかんないや、……頭くすぐったいです」
「髪も洗いましょうね」
「う……ん、気持ちいい。おかーさんの手好きだよ」
「背中にも別に紋章が現れたり、ステータスが表示されたりはしていないね」
「ひゃう、もう、冷たいです、おかーさん」
「何か怒ったときとか、額に模様とか浮かばない?」
「僕を何だと思っているの?浮かばないし、模様を手の甲へ移動させたりもできません!」
「……金色の髪の毛になってさかだったり?」
「しません!多分?いやその手の演出?やろうと思えばできそうです?」
「ごめんなさい、いろいろ多方面からやばそうなのでご遠慮願えますか?」
「!土下座はやめて、なんだか……(みょうな気持ちになる!)」
「ありがとう!」
「だからちょっと涙目で、抱きつくのも、なんだか、や!とんがったところが、すれて、くすぐったいですおかーさん、うきゅうぅぅぅぅ」
「(反応が)かわいいねぇ(かいぐりかいぐり、さわさわ、ぺろぺろ)」……ぺろぺろ!?
さうんどおんりー、でお送りさせて頂きました。
描写を入れると色々ヤバいですねこれは、映像は個人的に楽しむだけにいたします。
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あれ、やっぱりお話すすんでないじゃない?という一部読者の感想は脇にとりあえず置いておいて、次回に続けようと思います。
108の煩悩を槌で砕きつつ(怖い)、待て次号!
(本編は、2015年の大晦日に更新されました)
(時事ネタは風化するところまでが、ネタだとおもうのです)